心地よい風景
昨日はYさんと二人で午後から神田に出かけた。
で、その出かける準備、というかいつも通り姿鏡の前に座ってメイクをしている最中にふと窓の方に何気なく目をやって、ハッとした。自分のいるその空間というか、視界に入るすべての物、ローテーブルだったりカップアンドソーサーだったりポットだったりカーテンだったりの、自分の日常にそこにあるもの、雑然と無造作に使われ置かれただけのはずの物たち、自分たちの生活の場であるはずのその風景に、どこにも齟齬がなくて、完璧に調和していて、気持ちがいいと感じた。
なので思わず写真に収めてみた。
狭いけれど、こんなに居心地のよい部屋で暮らせるなんて、幸せだ。生きててよかったなーと思う。
で、話は変わって、渋谷に出かけていたYさんと小川町駅で落ち合う。14時着の電車だった。
Googleマップで調べたら、神田 まつやが営業していると出たので行ってみた。歴史を感じる店構えの老舗のお蕎麦屋さんだ。
これまでは自分たちが神田に来るのがたまたま日曜日ばかりだったのか、あまり営業している機会に恵まれなかった。
14時を過ぎても満員御礼、相席御免の客足の絶えない人気店。庶民的で、気さくで、腰の曲がったおばあちゃまも元気に働いていらっしゃる、常連さんも一見さんも気持ちよくひしめき合うように座り、肩を並べて過ごせる、いつでも明るくあたたかい活気に満ちた店。客を含むそこの空間のすべてが江戸の粋。
じゃこ天、焼きとりたれを二人でつついた。どちらも文句なしに美味い。焼きとりの照りツヤの美しさよ。ねぎが下に隠されている。ひとり一皿でもいいくらい美味。鶏肉の鮮度がいいのか、表面カリッと、歯ごたえはぷりっと。たれの塩気と甘み、とろみのバランスが完璧で、理想の焼きとりと言っても過言でない。
そしてメインはきつねそば。
おあげは細長い三角形に切られていて、つまみ取りやすく工夫されている。女性でもひと切れをひと口で頬張ってお出汁のじゅわーを口を汚さず存分に堪能できる。馥郁たる出汁のうま味。
途中まで刻みねぎを入れずに食べていたけれども、刻みねぎを入れてからの方が味わいに深みが増して一層美味しく感じられた。
常連と思しき相席をしていた向かいのお客様がお店の人と話していた様子では、翌日から店は連休に入るらしい。どうやら昨日まではお年始の繁忙期ということで、連日の営業だった様子。来れてよかった。
まつやを出た後、なぜかYさんがふらりと神田明神とは反対方向に歩いていき、それについていってみると、マーチエキュート神田万世橋に行き当たった。素敵な店やレストランが入っている穴場オシャレスポットで、神田川を眺めながらお茶をしたりゴハンを食べたりできるらしい。こんな素敵スポットがいつの間にかできてて大変嬉しい。神田に来るときのお楽しみが増えた。ブルーボトルコーヒーもあり、特に行列もなく、程よい客の入りだった。ここなら混雑を気にせずスマートに利用できそう。(といっても最近はびっくりするほど全くコーヒー欲が湧かないんだけれど…。)
うれしい発見の後、この日の目的であるYさんの本厄払いのため神田明神へと向かう。が、1月中はどうも17時に集団で執り行われる大厄祓い会?みたいなものしかないようで、お参りとお守り購入と買い物だけして帰ってきた。
去年二人揃って参加してみたのだけれども、式次第が結構長いし、お札の他にお神酒やらお盆やら色んな手土産を渡されて持て余したという経緯があって、ほとぼりの冷めた頃に出直そうということになった。さくっとすぐに本殿にあがってお神酒ひと口いただいて札だけもらって帰ってくるのがベスト(一昨年まではそうだった)であって、それ以上の付加価値は必要がない。
もしかして2月以降も厄払いは今後常にあの方式になるのだろうか…あの方式だと料金高いし、あまり大仰にしないで済ませたいものである。