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【Bのはなしside B】理想の形は、卵に学ぶ
取材や日常の体験を通して、ブランドやデザイン、コミュニケーションについて考えた四方山話を【Bのはなしside B】として。本文は、東京コピーライターズクラブに寄稿したリレーコラムを転載しています。
卵が好きです。
ゆで卵もいいし、目玉焼きもいい、もちろん卵焼きもおいしい。ごく簡単に、生卵をサラサラ溶いてご飯にかけて食べるのも最高です。
シンプルな卵料理を丁寧に作ると、ちょっと贅沢な気持になるのもいいのです。
最近、目玉焼きを、フォークでつつけば黄身が溶け出す、いい具合の半熟に仕上げるコツをようやく覚え、その出来栄えに、我ながら朝から惚れ惚れしています。
さらに料理上手の手にかかれば、立派な一品料理にもなるうえに、貪欲な挑戦者によって今後も新しい料理が生まれる可能性を秘めているところも素晴らしいと思います。
卵は地球上のあらゆる場所にあります。
生まれてから卵を何百個と食べているけれど、世界には、まだまだ知らない食べ方がたくさんあるに違いありません。
“つくる”ことを仕事にしながら、私はいつも卵のことを思い出しています。
まず、手軽で誰でも手を出しやすい。簡単だけど、奥が深く、ずっと飽きることがない。子どもも、お母さんも、初心者も、プロフェッショナルも、それぞれがそれぞれに解釈して、自分のものとして満足ができる。おまけにどんな国にも受け入れられる。
そんな卵のような何かが、ますます複雑化する世の中には、いいんじゃないかなと思っています。
いま、卵に近いと思うもの。
例えば私は、iPhoneや谷川俊太郎さんの詩なんかがそうだと思うのですが、どうでしょう。
いつかそんなものがつくりたいです。