見出し画像

ここからはじまる

 私は、別なクリエイター名を使い、noteには3年近く記事を投稿しています。そちらでは、公務員であることはわからないように書いており、本名も当然、名乗っていません。

 また、別ネームで投稿する記事は、仕事のことだけでなく、プライベートのこと、自分の中にあるマイノリティの面についても、書いており、特にこの2年は、連続投稿を続けてきたこともあり、いろんな人と出会い、お互い、会ったこともないけれども、価値化を共有できる人も何人かおり、書くことで、そして他の方の記事を読ませていただくことで、日々の生きる力を得ています。

 こちらで投稿するのは、主に、私がこれからはじめようとする、新天地への挑戦に向けた試行錯誤がメインになると思います。

 時々、現在の仕事の話もするかもしれませんが、身バレの可能性もあり、まずは方法論と、何ができて何ができないのかを慎重に調べたうえで、進んでいきたいと思います。

 私は現在、50代前半の地方公務員です。大学卒業はバブル崩壊であり、厳しい就職環境下で、何とかご縁を頂いた感じです。
 目指すところではありませんでしたが、入庁した後は、できない経験をさせてもらい、組織の中枢も経験し、順調に昇級昇格もして、40代で課長級になりました。

 当然ながら、最短での昇級昇格と引き換えに、大変な場面に何度も直面してきており、今のポジションでも困難な課題を多く抱えていますが、中枢にいたことによる人的ネットワークの強さと、そこで鍛えられた感覚、即応力により、何とか乗り切っています。上からも下からも一定程度の信頼を得ており、役人人生としては、成功の部類なのだと思います。

 ただ、近年の役所内の傾向として、若手の優秀な人間ほど、辞める人が多く、今年の3月にも、知り合いの若手数名が、役所を去っていきました。

 今は転職は当たり前であり、公務員の安定雇用という強みは、過去のものになりつつあります。福利厚生も、年金制度の統合や公務員バッシングにより、大企業に比べれば明らかに見劣りしており、副業ができないことや、もろもろと制約を受ける息苦しさも、公務員離れを加速させています。

 役所としても、採用試験を受けてもらうようにPRを強化したり、執務環境とか休暇制度の充実などには取り組んでいるようですが、休暇制度は現状でも充実しているところ、使える人と使えない人の二極化が進み、それが職場のモチベーションを低下させている状況。

 肝心の給与引き上げは、公務員の給与制度が横並びを強制させられており、実際に単独引き上げをするだけの財源もない、結局、学生の心に働きかける実効性の高いツールがなく、魅力のPRもアリバイ作りみたいなものになっており、採用難は深刻です。

 地方公務員も、30代前半までは何とかそれなりのところに転職できるものの、そこから先は転職市場も存在せず、いわゆる「つぶしが効かない」状況になるため、組織内で上がるしか道はない、この閉塞感が、若手に早期退職を決断させている面があります。

 確かに、上をみても、組織に使われ続けて、少し偉くなれば、関係団体の要請を受けて、役所の関連団体に再就職する、そういう道しかなく、魅力を感じないのだと思います。上に行くほど、議会業務に拘束されることも、家庭との両立とか、多様な働き方をできる現在においては、魅力を下げている原因のように思います。

 私の場合、ここまで順調に来ており、このままいけば行けるところまで上がるのだと思いますし、その先も何らかのかたちで、それなりの立場で仕事ができるのだろうなと思いますが、それでは自分のためだけであり、現状の組織の危機を解決することにならない。

 というよりなにより、このままレールの上を歩んで、組織の束縛が強まり、身動き取れなくなるのは、面白くない。一度しかない人生なのだから、別な人生を歩んでみたい、それにより、後進にも一つのキャリアパスを示したいと思っています。

 今年の3月まで、ある部門のトップをつとめてきて、今はそこを離れてはいますが、むしろ今の方が、いろんなルートから話が入ってきて、前の業務に関して、広範な役回りをできるようになっています。

 もちろん、これはすべてボランティアなわけですが、ここ2カ月あまり、そうしたボランティア活動を通じて、組織の看板がなくても、いけるんじゃね、という思いが芽生えたのも確かです。

 役所の中枢で長年、仕事をしていると、ファシリテーターとしての能力は、たしかに高まります。調整力は、根回しと書くと何となくネガティブですが、物事を動かすには不可欠な力で、この能力が高いことが、水準をクリアした公務員の強みだと思います。これに専門的知見が加わり、インナーの意思決定構造も理解していれば、外と中をつなぐ役回りは、どこでもできます。

 ただ、こうしたファシリテーター役については、どこかに求人が転がっているわけでもありません。きわめて属人的であり、たまにしか出ないタマだからです。

 おそらく、私が今、いきなり退職届を出しても、求人市場のニーズの高いスキルは持っていないため、未経験者募集みたいな仕事しかできないと思います。

 転職エージェントも、40歳ぐらいまでは、ギリ、公務員でも紹介してくれるかもしれませんが、50代の人間が、エージェントのつなぎで行ける職場は、ないように思いますし、あっても、給与水準は大幅に下がるでしょう。

 なので、まずは入り口から、どうアプローチするか、の前に、役職についている幹部公務員の場合、転職するにも制約があり、そこから理解して進まないと、変なところで躓いて終わってしまいます。

 後進のモデルケースとなれるよう、慎重に、探ったうえで、フロンティアに橋頭堡をつくり、そこからさらに進み、別な橋頭堡を設け、ルートを確保していく、一日二日でやれることでもないですが、そんなに時間もかけておれない、まずは12月ぐらいをめどに、フロンティアの森を抜けて新天地に至る道を、見出したいと思います。

 

いいなと思ったら応援しよう!