未知の惑星探検【読切超短編小説】
遥か彼方の遠い惑星、P星。
旅立って行く宇宙船を、
地球の人々は見送った。
この時代、環境汚染が深刻化し、
地球に住めるところは減少。
人類の移住先を見つけるために、
10人のチームが、結成された。
P星へ、着陸したと報告が入った。
遠い惑星である。
既に、地球を出発して10年が経っていた。
回線が繋がる。
地球の人類は、期待の目で見つめる。
「皆さんの応援のおかげで、
P星に着陸しました。
移住先に適しているか、
我々はこれより調査を開始し…
あれ、おかしいぞ。空気が…毒か…
誰か、助けてくれ。おい…。」
爆発したような音と共に、
回線が切れてしまった。
地球の人々は落胆した。
移住先を、探し始めて50年。
様々な惑星に
調査チームを送り続けているものの、
成功した試しがない。
事前調査では
住めそうな星ばかりだったが、
いざ人を送り込むと、
爆発、毒死、現地の生物に食べられる等で、
調査チームは、
誰1人として生還していなかった。
悲しむ人は少なくて済んだ。
危険すぎる任務なため、
最初から身寄りのない、
独身の人が選ばれているのだ。
とはいっても、
人類のための尊い犠牲。
地球の人々は黙祷を捧げた。
さて、その頃P星では、
爆発したはずの、
宇宙船が再び動き出していた。
中から、これまた死んだはずの、
10人の調査隊員が出て来た。
「なんという素晴らしい星だろう。
植物も生い茂っているし、
水も、果物も、動物もいっぱい。
まさに天国のようなものだ。
とても、あんなごみごみした地球に
10年もかけて帰る気には…」
【後書き】
「神対応に慣れすぎてしまった私達」
ここから先は
358字
¥ 200
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?