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鶴の恩返し 黒幕は男【都市伝説】

【「恩返し」の嘘】


罠にかかった可哀想な鶴を
優しい青年は助けてあげました。

これ。はい、これが嘘です。
もうはっきり言っちゃいます。

彼はそんなに良い人でも、
優しくもありません。
タイトルに騙されているのです。



良いですか。
彼は貧乏で、村からは離れて住んでいます。
これが何を意味するか。

考えてみれば当然のことです。
この近辺で

彼以外罠を仕掛ける人間はいない。


つまり、

男は自分が仕掛けた罠に掛かった
鶴を放しただけ。

果たしてこれが恩と言えますか?

彼が罠を仕掛けなければ、
鶴はそもそも罠にかかることはなかった。


彼は自分で招いた災難を
まるで自分が解決したように見せていた

見せていたか、そう見えたかは謎ですが、
少なくともこれに引っかかった訳です。


彼はかなり悪い男である。
そう言わざるを得ません。

「涙の女王」で言うと、まさにユン会長。
BLEACHで言うと藍染惣右介。

秘密を抱えていたのは
実は鶴の方ではなく男の方。


人間の生活に慣れるうちに、
鶴にはこのことが分かるようになった。
だから飛び立ったのです。


【つまりこう言う話】


以上のことから、
鶴の恩返しとはこう言う話だと言えます。

自分が求め、憧れていた物の
本来の姿が、
元凶であることを知り
もう元の自分には戻れなくなった。


悪い男に引っかかった話でもあり、
都会に憧れ、住んでみた話でもあり、
田舎に憧れ、移住した話でもあり、
商店街を潰して建てられた
ショッピングモールの話かも知れません。

飛躍しすぎた話に思えた人も
いるかも知れませんが、

普遍的で、今もなお、
人々を苦しめている深いテーマ。


ファンタジーの中に、少なからず
このような笑えない匂いが感じられるから
今もなお語り継がれている。

私はそう信じています。


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アルファポリス Grisly

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