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異能β-3    テキサスの白い怪鳥-3  Chaparral 2Dで世界戦に

 1966年、J-Hはアメリカから飛び出し、耐久レースの世界選手権に参戦、ドイツのNurburgringで初優勝を納めた。

1/43 TSM製、E2と一つの台座に載せて発売された物

 2Dは取り敢えず車体が2Aの改造型、ウインドスクリーン・ルーフ・ドアなどを追加し、ロールバー、スペアタイヤや荷物室も装備しレギュレーションに合致する様にした。
 最初は2Aのフリッパーが付いたまま、ルーフを作製、太くなったタイヤのため前後のホイールアーチが大きくなり、グラマラスなスタイルとなっている。

1/43 MM製、右側にオイルクーラーが装着されたモデル、ライトは未だフロントの先で
エアインダクション・イン・アウトレットのポッドはない

 車はレース毎に改造され、ライトが一般的な位置になり、屋根には大きなエアポッドを装備したが(後端はエンジンルームの換気用アウトレット)、ヨーロッパラウンドに出てからは大きな改造はなくなった。
 J-Hは長距離レースが苦手だったらしく、ステアリングを握ったのはPhil Hill(P-H)とJo Bonnierであった。
 もう一つのモデルは1988年頃、月刊誌のCar Magazineの別刊として発売されていたModel carsで希望者を募集し購入できた品、1/24でS. KisidaとのサインがありNo.12-8と手書きの番号があった品、1/43より大きいので細かい点が結構あり、天井のバックミラーの横にアルミの四辺が見て取れる。(見出しの写真と同一)

1/24 1品生産でS. Kishidaのサインがある、TSMより一寸グラマラス

 1/43モデルは箱付きのモデルでルマンを走ったNo.9号車、箱書きにはデータが記載、モデルのライト部には石が当たった時用のテープが貼られている。

1/43 MC製、ライトは普通の位置とフロント先にもある

 温故知新、以前の書籍を見直したら、知らなかった(当時は興味の無かった)事実を発見した。それが最後の2Dの2種だ。

1/43 MM製、左はDaytona車、右はSebring車、先端のフィンと後部のエアアウトレットの数が異なる

 エンジンを5.36ℓから2F の7ℓに変更、エンジン拡大からラジエーターが拡大されフロント形状が変わり、Daytona 24hでフロントにあったオイルクーラーがリアパネルに移動し、エアアウトレットがSebring 12hでは両サイドに開口となった。またエンジン拡大によりリアエンドに移動したラゲッジスペースは蓋がなく単なる四角い筒であるのが興味深い。この筒、FIAの役員からクレームが付いたが、J-Hがラゲッジスペースは大きさの記載のみで蓋や底の記載は無いと堂々意見を述べて通したとの記載を見た。

1/43 MM製、右のDaytona車はエアアウトレットが左に1個でリアパネルに飛び出た筒がラゲージスペ-ス、左のSebring車はエアアウトレットが左右にあり、リアパネルが黒く塗られ、
ラゲージスペースを目立たなくしたのか

 この様な、細かな違いはChaparral本でも写真添付が無いことが多々ある。モデルを手に取って色々眺め、新事実を確認できるのもモデルカーを購入する動機でもある。

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