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レアモデル列伝-40:Romuさんのお仕事
レアモデルとは限定モデルや記念モデルとして販売され、流通量が少ないモデルを指す、しかし見方によっても定義が変わるので、最終的には個人個人のニーズが異なり限定することはできない。
例えばNardi 750は1950年代のLe Mansに参戦している。その姿・形が独特なのが特徴であり、自分的には十分レアであるが、オークションでは誰も入札せず、人気が無く本当にレアなのかと?が付く。筆者は思い入れがあり「note」の最初に記載した。
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大阪市北区に店をもつモデルガレージロム(以下「Romuさん」)はカーモデルの販売、キットの製作代行、あるいは自社で企画しSpark(SP)等に製作を依頼し販売している。
かなり以前からカーモデルの購入はしていて、Romuさんではレア品も取り扱いがあるのは知っていた。しかし収集が趣味となった当時は、一般モデルとレアモデルには結構な価格差があり、手を出さなかった。
2018年、RomuさんのHPを覗いた時、1968年のフランスGP でJohn Surteesが2位入賞したモデルを特注したとの記載があった。そのレースはHONDAが急遽追加エントリーした自然空冷F-1で、主催者側の条件としてフランス人ドライバーを乗せることを要求した。F-1経験のないドライバーJo Schlesserが事故で焼死、この報が大々的に報じられ、2位入賞は放って置かれ話題にならなかった。しかし後で振り返ってみると、このHONDA第2期では優勝が1回だけで、2位は立派な勲章ものであった。それで多少高額でも入手を希望したのだ。
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「note」「レアモデル列伝-26:悲運のF-1マシン Honda RA301」を一読願いたい。 モデルは 300台作製の内の39番目も物、39/300で表し、多くは台座の上に表されている、このモデルは¥ 9,990で購入できた。
2台目はRomuさんに製作依頼をした、1967年のChappral 2Gの初期型キット。
そのモデルは68年に走ったモデルをメーカーのTSMが発売していたが既に売り切れ。Marsh Model(MM)からは67年と68年に走ったモデルのキットが販売されフィニッシャーにより完成品となったモデルが多数あるが、日本での入手は難しく、eBayのオークションでキットがやっと入手できた。
67年モデルの外観は単にラジエーター・エアインテークが2F様になった位と思っていたが、エンジンが7ℓになり、68年には途中でリアに大きなオーバーフェンダーがついた。
初めて入手できた品は67年の初戦のElkhart Lakeを走ったChaparral 2G(MM)。2019年にLomuさんに製作依頼し、出来上がりは2020.01。まだこの頃はインダクションボックスもオーバーフェンダーもない(写真のモデルは67年と68年の違いを現した)。製作価格は結構したが、このモデルは24.12.11の段階でeBayのオークションに出品され、¥45,000の価格が付いていた。
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インダクションボックスやリアのオーバーフェンダーの有無が異なる
「note」「異能β-3 テキサスの白い怪鳥−5 J-H(Jim Hall)のレース人生を変えたChaparral 2G」を一読願いたい。
3台目はこれまた製作依頼した、A J Foyt が駆って1964年のNassau Govenor’s Trophyを走ったMecom Hussein MK1
戦績は5レースに参戦し、最高位はこのレースの2位が最上、大した戦績もなく64年終了と共に使用されず、Mecom Racing Teamは翌年にLola T70を購入し、結構な戦績を残し、同時にMark DonohueがA J Foytに代わりメインドライバーとなった。
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スロットカーが未だモデルカーレーシングと言っていた時代、プラモデルで結構発売されていたが
「note」「レアモデル列伝−3 石油成金の荒使い」を一読願いたい。
モデルはMM製、2021年に購入したが、元々の発売は結構古く、経年劣化で材料のレジンが縮み、それの修正に長期間を有し、製作費も¥80,000となったが、最良の出来で非常に満足している。
4台目はLeyton House 881 Portugal GP にIvan Capelliが駆って2位入賞(一時はトップを走った)のモデル。
以前からレイトンカラーは気にはなっていたが、集め出したら結構金額が嵩むのを考え購入は考えていなかった。それが、Romuの広告で「レアモデルである」の文言に触手が動いて2024.05に購入したもので 258/500。
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最近、SPからレイトンカラーのPorsche 962 C が再販される様で、これは買わずにはいられない。
「note」「レアモデル列伝−36 バブルの遺産Leyton House」を一読されたい。
5台目はNHK「魔改造の夜」でお馴染みの「悪魔の降臨」
F-1GPにはチャレンジするも、1回も本戦に進めなかった車だが、W型エンジンが特徴のLife L190 W12(過去に失敗したRacing EngineのNo.1)
2024.06に購入 282/800(一流メーカー並の製作依頼)。
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(Pre-Qualified: 予選には参加できたが、規定時間内で回れず本戦に参戦できず)
「note」「事実は小説よりも奇なり-26 悪魔の降臨」を一読願いたい。
6台目は日本GPを走ったMario Andrettiが駆ったLotus 78 1977 Japanese GP
Lotus 78は各メーカーから多数販売されているが、日本GPを走ったモデルはない。そこにRomuさんが目を付けSPに製作依頼し出来たモデル。最初、予約の段階で目を付け予約手続きをする予定であったが忙しさに感けて予約忘れ。
最近Face Bookで知人が購入した事を知り、慌てて各販売店のHPを見たが予約一杯であった。しかし11月も押し迫った頃RomuのHPで見つけ「ぽちっ」とし、2024.11.28に手元に着いた 227/300。もしこれが将来SPから発売されたとしても、JPSの文字は書かれていないと思われるが。
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7台目、1998年のAustralian GPに高木虎之介のデビュー戦Tyrrell 026 Ford、特徴はドライバーの横にXウイングを装備したTyrrell最後のマシン、
「note」に「レアモデル列伝-42 期待外れで 虎・照れる 」を掲載しました。
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2024.12.11
2025.01.18 一部追加
参考資料
・Racing on F1 サムライ列伝 vol.521 ニューズムック 2022.11.16