レアモデル列伝-37:自分的にレアな1/500のCadillac
最近購入したモデルは昨年7月に予約していた2023年のLe Mans 24hの1・2・3の1台である。
既に1位・2位のモデルは其々を主役に記載。それでは3位のCadillacも準主役で書かねば片手落ちであろうとの文。
(「Note」 事実は小説よりも奇なり-22 Ferrari 再優勝までの長い道程)(「Note」 レアモデル列伝−35 自分的にはレアなTOYOTA Racing)を参照願いたい。
普通、ミニカーは1/43が主流、中には1/18や1/64が主題となるものも多々あるが、今回の1/500の題は縮尺が1/500ではなく、500台(正確な数では無く大凡の台数)の中のたった1台の意味。Le Mans 3位がなければ一生記載しないという代物。
Cadillacといえば、歴史的には1950年代の Briggs Cunningham(ブリッグス・カニンガム)が思い出される。
米国の資産家で1950年から63年にかけて、資財を投じてCadillacのエンジンを搭載したRace Carを制作しLe Mansに挑戦した。50年のレースには2台を用意し、1台は市販状態に近いCadillacである61セダン・ド・ヴィル(皮肉を込めてプチ・バトー((フランス語で不器用な子犬)))、もう1台はエンジンとシャーシはそのままに、ボディーは重量と空気抵抗を考慮したボディーを載せた「モンスター」を製作した。結果は「不器用な子犬」が10位で「モンスター」は11位フィニシュ。52年には自身で20時間程駆り4位フィニッシュ、53年と54年に総合3位入賞の戦績を誇っている。ヨットの世界ではアメリカズ・カップを制したコロンビア号のオーナー兼クルーとしても知られている。
その後、Le Mans挑戦の米車は映画にまでなったFordの挑戦と勝利があり、個人的には好きなJim HallのChaparralが優勝は無かったが、あのウイングを高々と掲げたChaparral 2Fの写真はどのLe Man本には必ず掲載されている。
その後は自分的に、あのみっともないデザインの車は全く興味が無かったが、去年はFerrariの復活とデザインの変化があって、見る気になった。
しかしBoPを始めとする規制は、欧米贔屓の自動車レースのプロレス化(全くの八百長とはいわないが)がショー化を目論んでいる様で見るに耐えない、と言ったら言い過ぎか。
2024.06.09
編集後記
筆者は昨年に1度Cadillacに乗車したことがある。亡き義母の葬儀、葬儀会場から火葬場に向かうCadillacの霊柩車は、結構な威厳を持つ。
その車に遺影写真を胸に抱き数キロの乗車。内部を見たのは当然初めてだが、結構重厚な作りで、流石といった感想であった。
最近の霊柩車、今は屋根付きの霊柩車は見なくなり、大部分は大型のバンタイプが主流だが、義母の実家の富山は車のカスタマイズが盛んな土地柄、まさかCadillacの霊柩車とは。写真を撮っておいたが、それがまさかここに載せることができるとは、閻魔様でもご存じなかろう。
参考文献
・檜垣和夫 ルマン 偉大なる耐久レースの全記録 二玄社、1999
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