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重箱の隅をつつく-12:Ferrari Red以外の250LM
Ferrariといえば、その赤色はFerrari Redといわれ、多少黄色が入っているように感じられるが、イタリアの明るさからくるのか。そんな、Ferrariの中にあって赤色以外の色を好んで使用する車が数種類ある。
今は無き「minicar magazine」誌2019年の6月号に「特集 フェラーリ最後のルマン優勝車-250LM」と題し、7ページに渡り文章を記載した。残念ながら無料の冊子だったので本文にカラー写真が使えず白以外の色は、赤は当然として、他の色も分からない状態で掲載された。自分自身では初めての投稿であり、致し方ないと思っていたが、残念な気持ちも結構あった。
そこで、このコーナーにカラー写真での解説文を記載した。
赤以外では65年のLe Mansで2位になった、ベルギーのナショナルカラーである黄色のNo.25、26、28から。
65年のLe Mans 2位となったNo.26(シャーシナンバーCN 6313)、このレースでベルギーチームは2台エントリー、後述のNo.25(CN 6023)はべルギーチームからのエントリーに対し、No.26はP. Dumayの個人エントリー、No.25とはドアに赤い線を入れて区別していた。
レースではP.Dumay / G.Gosselin組が1位で走っていたが途中で右後輪がバーストし右の後フェンダーが破損、その修理に長時間かかり、No.21(CN5893)のM.Gregory / J.Rindt組に抜かれ2位に甘んじることとなった。
No.25は前述のようにベルギーチームからG L von Ophem / Eldeのエントリー、結果はDNF。この車が66年のLe MansにNo.28になってG.Gosselin / E d Keynで参戦、黄色のボディーにボンネットの先端が黒い着色で参戦したが、66年もDNFであった。モデルは3台ともLook Smart製(LS)。
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緑のレースカーはD. Piperの色(BPカラー)、Ferrariだけでなく、LolaもPorscheも緑色に塗られ、一眼で彼の車と認識できた。
No.8(CN 5897)は1965年のNürburgring 1000kmに参戦し16位完走となったD. Piper / T. Maggsの車(このシリーズでは唯一のBBR製)。
No.21(CN 8165)、1965年ではスイスのEx-Scuderia Filipinettiの車であったものが、1966年にD.Piperに売却されGPグリーンに塗り替えられ、ホイールがワイヤからマグネシウムに変更され後輪が大きくなり、それに伴いホイールアーチが拡大された車だ。(LS)
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白色に青いラインが描かれたものはバーダルチームの車、No.22(CN 5845)は1966年のMonza 1000kmに参戦、No.170は同じ車で66年のTarga Florioに参戦したもの。(いずれもBEST製)A.Swanson / R.Ennis組で参戦、後に日本の岡田久さんが所有したとの情報があった。
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青色の車、No.29(CN 6047)は1964年のRoad America 500で優勝したW.Hansgen / M.Donohueが駆ったMECOM Racingの車、1965年のSebring 12hでは11位完走となっている。
モデルは奥がBEST製、手前がこのモデルでは珍しいSpark製、2台を並べるとその出来具合の違いがよくわかる。
No.19(CN 6167)はP.Vestey / R.Pikeが駆ったボディーがアルミからグラスファイバーに変更されたロングノーズの車、よく見るとボンネットのフードが無く、ボディーは前輪の前でフロント全部が持ち上がる様になっている。またホイールがワイヤーからマグネシウムに変更、ワイヤーホイールはタイヤより先にへたるようで後部も拡大、この様に改造して1968年のLe Mansに参戦したが、結果はDNFであった。(LS)
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この車のモデルで Spark製は珍しいが出来は奥より良い
参考文献
Marcel Massini Ferrari 250LM Osorey Publishing Limited Great Britain 1983