事実は小説よりも奇なり-13 "Lella" Lombardi
東京の青山に自動車古書専門店「Lombardi」という店があり、そこから10冊程の古いCar Graphicを購入した経験がある。その店名から「!?」で女性レーサーに行き着いた、それがこの人。
"Lella" Lombardi(レラ・ロンバルデイ)、1941年生まれのイタリアのレーシングドライバー。
女性ドライバーといえば1950年代のMaria Teresa de Filippis(マリア・テレーザ・デ・フィリッピス)がMaseratiを駆っての最初のF1ドライバーとなっている。Filippisは参戦したが、入賞経験はない。それに比してLombardiは1975年のSpanish GPで6位入賞している(レースが事故で中断され6位の1点が0.5点として記録されている)。これ以前もその後もF1参戦女性は何人かいるが、ポイント獲得はおろか、決勝まで進んだ人物は彼女1人である。
戦歴は1974年はBrabham BT42で第10戦にのみ参戦しDNF。
75年はMarch 741で第3戦に参戦しDNF、761で第4戦から、第13戦まで参戦し、第4戦のSpanish GPで6位、German GPで7位となっているが、後は押して知るべし、5戦がDNF、第14戦のUS GPではDNSであった。76年は第1戦をMarch 761で(最近購入のモデル)、残り3戦にBrabham BT44Bで参戦したが12位が1回とDNFが3回でF1終了となった。
以後はスポーツカーレースに参戦、ツーリングカーではAlfa RomeoのGTV6を駆り、チャンピオンになったこともある。Le Mansにも4回参戦し、76年にはLANCIA STRATO'S・Ferrariで265周を走り、総合20位でクラス2位の実績もある。しかし1992年50歳で癌のため逝去している。
こんな戦績のドライバーにも関わらず、モデルが4台も出ているのは単に女性であるだけでは無く、まだ記載されていないエピソードでもありそうだ。
女性ドライバーで最も有名なのがラリーに参戦した、Pat. Mossであろう。Patiricia Ann Mossは史上最も成功した女性ラリードライバーと言われ、国際ラリーで3回の優勝と7回の表彰台に載っている。兄はあの有名なStirling Moss、配偶者は1962・63年のMonte Carlo Rallyeの優勝者であるErik Carlsson。
日本に目を移すと、レース創世記にはかなり速い女性ドライバー(青○○子さん)がいたと聞いた。調べてみると、第3回日本GPの特殊ツーリングの部で予選5位(1位:大橋孝至、2位:寺田陽次郎、3位:大久保力)で決勝3位(1位:見崎清志、大橋孝至や寺田陽次郎の上位)だから大したものだ、今は某有名ドライバーの配偶者になっているとのこと。
現在、元F1レーサーの父を持つ野田樹潤(じゅじゅ)が将来有望といわれている。F3やF2にはいけると思うが、環境や資金力でレギュラーのF1はどうだろうか。
そういえば、語彙が似ているBombardier、2007年頃しょっ中事故を起こして有名になったが、今は安全に飛んでいる様だ。