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石原なんでも通信 No.13 (バーガーキングの攻勢)をお届けします。
今週は趣向を変えて、香川県でも攻勢をかける、今元気なハンバーガー ショップである「バーガーキング」について報告します。
高松駅Orne(オルネ)2階のハンバーガーショップ 「バーガーキング」、ロケーションが良い事もあって週末などは大盛況のようです。
ハンバーガーと言えば「マクドナルド」、長らく 「一強」 時代が続いて います。それに続くのは、遠く離されていますが、グルメ、高級路線で 「モスバーガー」、それ以外はその他大勢、といったイメージでした。
ところが、今、大きな変化が起きています。
「バーガーキング」、 実は 今急速に店舗数を増やしており、
ハンバーガー業界の台風の眼になっています。
我々の世代からすると、「バーガーキング」はUSビーフを売りにした、
いかにもアメリカらしいハンバーガー、大きなバンズに分厚いハンバーガーのイメージ、そして日本に上陸したのはよいが、マクドナルドには対抗 できず、敢え無く撤退の印象でした。
1. 新生 バーガーキング
バーガーキングは実は世界100カ国以上で1万9500店以上を展開し、 ハンバーガーチェーンではマクドナルドに次ぐ規模です。直火(じかび)で焼いたスモーキーなビーフパティのファンは多く、看板商品の「ワッパー」は一般的なバーガーの1.4倍の大きさで食べ応えがあります。
ところが上述通り日本市場では迷走を続けてきました。1993年に西武 グループが米バーガーキングとフランチャイズチェーン契約を結び、日本 1号店を開きました。但し、その後は業績伸ばすことできず、次々と運営 主体が変わり、漸く、落ち着いて業績を伸ばし始めることができたのは 2017年に香港の投資ファンド、アフィニティ・エクイティ・パートナーズが 運営権を獲得し、ビーケージャパンを設立してからでした。
2.バーガーキング 野村社長の戦略は、、
バーガーキングの運営会社であるビーケージャパンの野村社長は自分たちを
「教室の隅にいるユニークな子」と位置づけています。
全国に約3千店を展開するマクドナルドが「生徒会長」だとすれば、 バーガーキングは「常に目立つわけではないが、話を振れば気の利いた 返しをするやつ」。
野村社長に対して 「バーガーキング」の売りは何かと聞くに、 「美味しさ」。
「マクドナルドはハンバーガーを日本に国民食として根付かせたが、 おいしい『バーガー』を紹介しきれているかは疑問。僕らは味のこだわりを前面に出し『これがアメリカのバーガーだ』と広めていきたい。」 と。
野村社長は今や多くのマスコミのインタビューを受けていますが、その信念は何かと聞かれると 「デマンド(需要)はつくるもの!」と。 「デマンド」は決して 「そこにあるもの」でもなく、又、 「掘り起こすもの」でもないわけです。
3.ハンバーガーショップ 全国店舗数(100店舗以上) 比較
全般的に飽和状態、その中で、バーガーキング一社のみが店舗数を大幅に 増やしています! なぜ一社だけ強気の戦略を取れるのか?
各社相当苦戦しています。最近のニュースとして三菱商事は長らく持って きたケンタッキーフライドチキン(KFC)の経営権を手放し、米国投資 ファンド傘下となりました。 ロッテリアも長らく迷走、ロッテリアといいながら、最早ロッテグループではありません。(2023年4月は
外食最大手のゼンショーグループ傘下企業となりました。)
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3.バーガーキングの戦略は 「バズり」 戦略
巨人、マクドナルドを意識したゲリラ戦はしばしば話題を呼んでいます。
少し古い話ですが、その象徴が、20年に東京・秋葉原の店頭に掲げたポスターです。2軒隣にあったマクドナルドが閉店するのに合わせたもので、
「22年間たくさんのハッピーをありがとう」という言葉とともに深くお辞儀をするクルーの絵が描かれています。一見マクドナルドへの感謝を示す
ように見えますが、書かれた文章の左端を縦読みすると「私たちの勝チ」という文が現れます。
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そしてもう一枚のポスター
見えにくいですが、「あとは、お任せアレ」
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まさしくマクドナルドからのバトンを渡される イメージ写真と
なっています。果たして、この「バーガーキング」の攻勢に
マクドナルドはどう対抗するのでしょうか?
王者は動かないのでしょうか?
下のグラフは日本マクドナルドの2019年からの業績推移です。
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コロナ禍の中でも業績を維持してきました。そして
2023/12期は過去最高益を更新しています。
マクドナルドは夜マック、マックカフェ、モバイルオーダーといった様々な取り組みを展開、キャンペーン、コラボに力をいれ、老若男女の消費者を
飽きさせない戦略を徹底してきました。王者は今後もこの戦略をぶれることなく続けるのでしょう。 その牙城に「バーガーキング」がどこまで食い込むか楽しみです。