安倍晋三政権は「靖国神社に参拝にいくこと」が日本国首相の立場にとって重大任務だったのか?(2)-神道の真義を(歴史も本質も)よく分からぬ世襲政治屋の彼に,政治も経済も社会も破壊されてきた日本「国」の恐ろしい今後-
※-0 前段での断わり
「本稿(1)」の記述は先日,2023年12月27日になされていたが,その間の28日,29日は,吉本興業の芸能人,当人は自分が超ビックだと思いこんでいるらしい松本人志(ダウンタウンの片割れ)のやらかしてきたらしい「女性たちに対する強制性交・常習犯的な疑惑」がもたれている事件について記述していたので,こちらの「本稿(2)」は本日(12月30日)に順延となっていた。
さて,今日の12月30日も入れてあと2日で2024年になるが,この新年正月に,大衆がはかない夢を,人によっては百円玉を賽銭を投げこむかたちにもなるわけだが,神社仏閣に参拝にいっては,今年こそは「ナニナニについて,念願が成就しますように」と願かけする。
なんというか,1年に一度しかそこへ出向かないで,自分のお願いだけは「神様・仏様,絶対に実現させてよね」というのは,あまりにも虫がよすぎると感じるのは,本ブログ筆者1人だけではあるまい。
本稿の話題は,安倍晋三の第2次政権が終焉を迎えたころに起きていた,あれこれの現象をめぐる議論となる。安倍晋三というこの「世襲3代目の政治屋」は,この日本をメチャクチャに破壊しまくってきた,甘ちゃんのボンボン・ドラ息子であって,そもそもがこの国をよくすることなど,初めからこの人にはまったく期待できなかった。
前段の指摘はなにも安倍晋三個人をこき下ろしているのではなく,この国の最高指導者の地位に,とくに第2次政権以降ずっと君臨してきたその為政の顛末を指していうことであった。
昨日(2023年12月29日)の本ブログが引用したが,適菜 収は安倍晋三の「2012年12月26日以後の7年と8カ月」について,大約,罵倒するかように批判していた。あまりにも当然の指摘・非難であった。適菜は安倍の悪業・失政を,こうまとめていた。
安倍晋三の立場は,まさしく「国民・市民・庶民の立場・利害・関心」に照らして評価するならば,完全なる国賊・売国奴であった。この国を引っかきまわすだけならまだしも,本当に壊し,ダメだらけにした。なんといっても,修復不可能にまでぶち壊してきたのだから……。
株式市場はバブル時代の株価を回復したかのように「解釈して」,それで喜べるかのように反応する愚かな経済人がいた。だが,そもそも30数年前のその株価水準と比較して評論する場合,現在価値的にいったいどのような実質水準として理解ができるのかという点とは無関係に,ただ『日本経済新聞』みたく報道するのはどうにかしている。的外れの話になっていた。
つぎの2022年7月に『東洋経済 ONLINE』が出していた関連の記事を紹介する。画像資料で冒頭部分だけ切りとってかかげておくが,ここに書かれている文句に聞くまでもなく,前段のごとく日経が報道している最近の株価解釈は呆れはてる。これが経済新聞の報道か,という疑問にもなった。
だから,いつもグダグダいわざるをえないのだが,この国は「衰退途上国」になったのである。その程度になる「格付け」がなされ,いわば決まってしまった,という理解しかできない。ともかく,この国の経済力はそこまで顕著に衰微,落下した。
安倍晋三が第2次政権以降,いったいなにをどのように内政・外交で為政してきたのか? アベノミクスというアホノミクスで経済を破壊的な様相に追いこみ,アベノポリティックスという強権・専制政治によって民主主義を堕落・崩壊させた。
まだ前論の記述なので,これ以上長く書きたくないということで,つぎの画像資料をかかげてとなる。安倍晋三の為政時であった。とくに政治面からは「経済問題の本質」が理解できないまま,ただ「公安警察官僚たちを官邸政治において自分の腹心に登用していた」安倍の采配のせいで「大失敗を呼びこむことになった実例」が,まさしく典型的な「捏造の事件」の創作となって登場していた。
安倍晋三の政治は「嘘つきは安倍晋三の始まり」と端的に表現されていたが,その悪習は安倍が政権の座を降りても甚大な後遺症となって,この国の政治・経済・社会・文化「総体」を堕落・疲弊させつづけている主因を,ある意味,揺るぎないものにまでしあげてしまった。
安倍晋三の「世襲3代目の政治屋」として,無教養・無節操・非常識に支えられた日本国のとくに政治と経済は,すでにボロボロのくたくた状態にまで転落させられた。この意味でも安倍晋三の「罪と罰」は無限大に広がる悪徳を基盤にして膨張してきた。
前掲の『デモクラシータイムス』から借りた表(図解)には,菅 義偉が安倍晋三のあとに首相を務めていた1年間も,むろん表記されているが,この菅も教養・学識面では問題ありすぎた,いわゆる「叩きあげの政治屋」であったせいか,公安警察の治安的な観点からしか社会全体がみえない小物であった。
※-1 問題だらけだけであった安倍政権(2012年12月-2020年9月)の為政をめぐって菅 義偉は,その間,官房長官であった立場から,なにも「問題はないし,批判も当たらない」と,その世論からの批難に対して突っ張り返せたつもりになって,ひたすら排除することしか,能がない政治屋であった
この「菅 義偉が安倍晋三を継いで新首相になった」(任期は2020年9月16日-2021年10月4日)ものの,ただ,安倍の「旧為政に恥の上塗りをするだけの政権」を,推進していかざるをえない宿命に置かれていた。
そこのけそののけ,あの御ウマのあとには,この牡ジカが通るぞよ,皆の衆。この沈みゆく潜患ヤマト国を,しかとみすえよ,とでも形容したらよかった菅 義偉の政権が1年間しかもたなかってけれども,ともかく成立していた。
「本稿(1)」ではすでに,以下のように決めつける「要点」というものをかかげてあった。
要点:1 安倍政権=最悪,菅政権=極悪
要点:2 内政も外交も政治家として “プロの段階” にまで到達できていない自民党極右・反動政権は,21世紀の日本をこれからも,さらにだらだらと溶融させ壊滅させていく
原 真人・編集委員「〈多事奏論〉禁断のアベノミクス 負の遺産残した『雨乞い』」『朝日新聞』2020年9月16日朝刊から,しばらく引照して議論もしたい。
a) 安倍政権が今日〔2020年9月16日〕幕を閉じる。一貫してアベノミクスを批判してきた者として,これほど長きにわたってこの政策がもてはやされてきたことは驚きであり,大変残念な気持だ。多くの人はすぐに危うさに気づき,市場はノーを突きつけるにちがいないと考えていた。現実はそうではなかった。
安倍晋三総裁ひきいる自民党が3年ぶりの政権返り咲きを決めた2012年12月の総選挙の直後,私は本紙朝刊1面で「アベノミクス 高成長の幻を追うな」(東京本社版)と題した論考を書いて批判した。
安倍総裁は総選挙に向けた全国遊説で,とんでもない構想を説いて回っていた。
「輪転機をぐるぐる回して日本銀行に無制限にお札を刷ってもらう」
「建設国債を大量に発行し,日銀に全部買ってもらう」
政権発足後にほぼ言葉どおりのことを実行したが,首相自身がこれほど正直に政策の本質を明かしたことは,その後ない。
この記事で「アベノミクス」と呼んだのは日銀に国債を買い支えさせる財政ファイナンスや,大量のお金を世にばらまくヘリコプターマネー政策のいかがわしさを表現したかったからだ。1980年代,米大統領のちぐはぐな経済政策を,皮肉をこめてレーガノミクスと呼んだように。
b) だから,まさか首相がその後,みずから好んで「アベノミクス」を使うようになるとは予想もしていなかった。2013年9月の訪米では講演で「Buy my Abenomics(アベノミクスは買い)」と宣伝文句にまでしてしまっている。
それにしても従来禁断とされていたこの政策を国民はなぜ受け入れ,経済界はなぜ成功ともち上げたのか。ひとえに円安,株高の進展と堅調な雇用のせいだろう。
そこには因果関係についての思いこみや誤解がある。たしかに1ドル=80円台の円高水準は,日銀が超緩和に乗り出した2013年以降,一時120円を超えるまで円安が進んだ。とはいえ,実はその原動力は危機から立ちなおったばかりの米欧経済の好調さだった。円安は,ドル高とユーロ高が急速に進んだ結果の裏返しに過ぎなかったのだ。
雇用の改善はどうか。こちらは人口の構造変化が大きな要因だ。ここ10年で生産年齢人口は640万人減った。どんな政権のもとでも労働力不足は起きていただろう。
唯一,アベノミクス効果と認められるのは株高である。日銀のマイナス金利政策と上場投資信託の巨額買い入れで株式投資はがぜん有利になり,相場は支えられた。問題はそれが正しいやり方かということだ。
c) 結局,アベノミクスとは雨乞いのようなものではなかったか。首相はアベノミクスというおまじないで「雨よ降れ」と天に向かって祈りつづけた。幸い雨は降った。みな驚いて「効果があった」と喜んでいるが,そこに論理的な根拠はない。
おそらくアベノミクスが好況を作ったのではない。世界経済と日本経済が好況期を迎え,人口構造が雇用を好転させはじめたまさにそのタイミングで,たまたまアベノミクスがはじまった。要はツイていたのだ。
d) 問題は,この禁断の政策が残した負の遺産である。政府の借金はもはや一朝一夕には解消できないほど膨らみあがっている。その半分近くは,日銀が輪転機をぐるぐる回してお札を刷ってしのいでいる。
アベノミクスがもたらしたのは規律なき財政と金融政策,それに機能不全の市場メカニズムだ。政治家や官僚,経営者,投資家,多くの国民もそこで維持されているぬるま湯状態に甘えている。問題先送りが永遠に続けられると思いこもうとしている。
今日〔2020年9月16日のこと〕,つぎの首相に就任するのが確実な菅 義偉官房長官はその危うさに言及することなく,安倍路線を「継承する」という。
1億2500万人の国民をどこに連れていこうというのだろうか。(引用終わり)
菅 義偉に経済政策を語らせることは無理難題であって,それを期待してはいけない程度の「経済のことなどなにも分かっていない」政治屋であった。
日本の政治家にはこの程度の「政治的な能力・経済への理解力」しかない人物であっても,与党の中心舞台で活躍しうるかのように振る舞えるこの国政治の舞台は,きわめて貧弱な装置と道具しかあたえられていない。
20世紀であれば,この首相はこういう個性があって,政治と経済をあのように考え,自国の運営を推進してきたものだが,21世紀になって登場したなかでたとえば,小泉純一郎⇒安倍晋三の路線はこの国を破壊し,溶融させる顛末にしかつながらなかった。
2023年の年末も押しせまってきたが,来年もいよいよ,この国は斜陽である国家としての命運を少しでも方向転換するというよりは,現状の泥沼状態のなかでもだえ苦しみつづけるほかない。
国民側,有権者の政治意識もあいかわらず無党派層が多く,選挙があっても投票所に出向かないから,自民党や公明党といった反動・頑迷の政党による日本政治の壟断が止められない。
だからか,日本の国会に登場している政治家たちの資質に問題がありすぎる実態も,いつまで経っても変わりえない。それを変えられるのは,有権者たちの1票,1票であるが。
※-2 郷富佐子・編集委員「〈多事奏論〉安倍氏と国際政治『友達外交』相手が去ると」『朝日新聞』2020年9月19日朝刊「オピニオン」
a) 国のトップが職を去る姿にはどこか,もの悲しさがつきまとう。国際報道の記者としてこの20年余り,世界各地でさまざまな「辞任劇」をみてきたうえでの実感だ。
32年間もインドネシアに君臨し,アジア通貨危機を端緒に失脚したスハルト大統領。オーストラリアでは2大政党の内紛が続き,この10年で首相が4人も辞任に追いこまれた。欧州連合からの離脱でもめた英国は,首相2人が責任を取って辞めた。
制度の違いはあるが,8年近い在任期間は,国際政治の舞台でも長い方だ。何年か前までは海外の取材先でよく,「日本の首相は誰だっけ?」と聞かれた。歴代首相で名前が出るのは,「髪形がライオンみたいなコイズミ」くらいだった。
いま,「マリオになったアベ」「トランプとゴルフしたアベ」の知名度は抜群だ。
b) 安倍外交の特徴は,各国首脳との個人的な信頼関係だったといわれる。このタイプの最大の弱点は,相手が去るとそれまでの関係も終わる可能性が高いことだと思う。
シドニー特派員時代に,それを目の当たりにしたことがある。2014年から2016年に展開された,オーストラリアの潜水艦購入をめぐる受注合戦だ。総額4兆円の計画をドイツ,フランスと争った日本は,一時は最有力とされながら「落選」した。
豪州関係者にあらためて裏話を聞くと,「あのとき日本が負けたのは,日豪の両首相が一時,非常に親しかったから」だという。「2人の紳士による紳士協定が,片方の紳士の退場で終わった。結果として,あるべき公正な競争になったともいえる」。
当時のアボット豪首相はタカ派の保守で,安倍氏はもっとも仲の良い外国首脳だった。2014年に訪豪した安倍氏を大歓迎し,国内視察へ向かう機内でも「2人は高校生の男子みたいにはしゃいでいた」とか。親日派の国防相にくわえ,アボット氏に抜擢された官僚トップも日本の「そうりゅう」型潜水艦をイチ推ししていたそうだ。
b) 安倍氏のほうは訪豪の3カ月前,武器輸出を原則禁止した「武器輸出三原則」を撤廃し,一定の条件を満たせば輸出を認める新方針を閣議決定していた。アボット政権下の潜水艦計画は,兵器本体の技術供与で格好の「第1号」になるはずだったのだ。
誤算は,内紛でアボット氏が党首の座を追われ,首相を辞任したことだ。「親密さに頼って自信満々だった日本の官僚たちは青ざめていた」と豪関係者は振り返った。慌ててロビー活動に本腰を入れたが,すでに仏独に大きく水をあけられていた。
首相交代から7カ月後,フランスへの発注が発表された。「後任のターンブル氏は『友達外交』をするタイプではなく,自分が失脚させたアボット氏と親しいことなど,なんの意味もなかった。安倍氏は落胆というより,怒っていたそうだよ」
c) 安倍氏は辞任表明後も,米国を筆頭にロシア,英国,フィリピン,インドなど13カ国・国際機関の首脳と電話会談を重ねた。「ドナルド」や「ボリス」らへの謝辞に,もの悲しい響きはなく,「辞任外交」という新たな境地を開いたのかと思えるほどだ。だとすれば,その目的はなんだろう。
これまで私が取材したなかで唯一,敗北感も未練もなく辞任した外国首脳は,ニュージーランドのキー首相だ。「在任期間で評価されたくない」と政界からも去った。5割前後の政権支持率を保ちつづけ,8年間で三つの総選挙に勝った彼は4年前,突然開いた辞任会見で,こういい残している。
「何年もの間,この一歩を踏み出せない指導者たちをたくさんみてきた。なぜなのか,わかる。辞めがたい職だからだ」
外交の成果は,相性の良しあしに左右されるものではない。新型コロナウイルス対応で支持率を落としながら最後まで個人的外交に執着した安倍氏は,新政権の外交でも影響力をもちつづけるのだろうか。(引用終わり)
先日の報道によれば,安倍晋三が菅政権のもとでは外交特使の役目を果たすつもりがあるとしらされて,のけぞった。そう感じたのは,けっして,本ブログ筆者1人だけではあるまい。隣国の新聞紙がその点をこう報道していた。
以下,引用者の寸評をいちいち挿入する引用となる。
★ 安倍前首相「菅内閣に外交特使の形で協力したい」★
=『中央日報 日本語版』2020.09.18 13:10,https://s.japanese.joins.com/JArticle/270373 =
〔2020年9月〕16日に退任した安倍晋三前首相が外交特使などのかたちで菅 義偉内閣に協力したいと述べた。安倍前首相は18日付の読売新聞に掲載されたインタビューで,新政権と自身の関係について「菅政権を支えるのが仕事,求められればさまざまなお手伝いもしたい」とし,このように述べた。
補注)まさか院政のつもりではあるまいに,外交ではまったく素人同然の菅 義偉に比較したら,まだ安倍晋三は多少マシであったかもしれない。けれども,諸外国からみたこの前(元)首相は「ネギを背負った鴨」同然でありつづけたにもかかわらず,2020年のそのころでもまだ「いままで自分のピエロ的な役目」を演じるつもりがあったらしい。
もっとも,現在(2023年12月30日)はすでに故人となった「世襲3代目の政治屋」だから,実害を巻き起こす危険性は,完全になくなっていたが。
要は,安倍晋三(生きていたとき)に対しては,それこそ「バカも休み休みいえ」といいたくなったが,まあその程度の感性と判断力の宰相しか,もとより輩出できてなくなっていた「21世紀のこの日本国」の実情ゆえ,
「現状」のごとき「内政面での低劣な事象」を今後も反復し,再生産させていく期待しかもてない。この国はますます没落傾向(3流的後進国への「王道」)を加速化させて進行していくほかあるまい。
しばらく補注) 前後の文章は当初,2020年9月中に書いていたが,その後の2021年10月4日,菅 義偉のあと首相の座に就いたのが岸田文雄であった。ところが,このまた「世襲3代目の政治屋」であった人物は,「異次元的に」という意味あいで「自分自身の政治理念」をもっていなかった。
その関係でみれば,岸田文雄は「自分なりの考えによる政治手法」を,まったくもちあわせない「完全に空っぽ人間」としての政治屋であったから,たまらない。この文雄政権は2年と2ヵ月も時間が経過したころには,すっかり国民の人気を失っていた。
先日,2023年12月の世論調査では,『毎日新聞』の16%,『時事通信』の17.1%といったきわめて低い内閣支持率を,岸田文雄政権は記録していたが,なかでも『毎日新聞』の世論調査がとくに「内閣不支持率:79%」を報告していた点は,いままでなかった最「低率」だと報道されていた。
外交特使の仕事を安倍晋三がさらに担っていくと聞いていた諸外国では,いまごろほくそ笑んでいたはずである。あいつが来たらまたいろいろぼったくってやろうな,などといまから手ぐすね引いて待ちかまえているにちがいないからである。
安倍晋三君は生きているときであっても,前(元)首相の肩書を誇って「外交特使」の仕事ができるからといって喜ぶのは止めていたほうがよかった。首相の座を離れた「晋三君の存在じたい」が,もとより日本の国益に反していたとみなされざるをえなかった。
もっとも,現在は故人になっているゆえ,それ以上の迷惑を国家・国民に対してかけることがなくなり,われわれはほっとしている。ところが,岸田文雄がまた,安倍晋三と同じ作法で外交をおこない,海外に出かけては土産がわりに援助資金などをばらまいている。日本の首相には「困ったちゃん」が多くいて困る。それも「世襲3代目の政治屋」としてその外交行為が目立っていた。
〔記事に戻る→〕 とくにトランプ米大統領とプーチン露大統領など各国首脳と築いた親密な関係を生かし,外交特使などのかたちで菅内閣を支援する意向を示した。
補注)ここまでこの記事を読むと,ほとんど「国際漫才」的な話題。トランプには三下あつかいされつづけ,プーチンには小バカにされたあげく,北方領土の返還は完全にダメにした日ロ交渉を展開したのが,安倍晋三君の外交手腕(!)であった。
なにゆえ,この人が「外交特使」で今後においても海外に出張るというのか? 冗談にもならない,ヨレヨレ風もきわまった与太話であった。2023年となっては(正確には2022年7月8日に安倍晋三が死んでからだが),そうした与太郎風の落語的なオチを聞かされないで済むので,この点は一安心。
首相だったときの菅 義偉君も,以上のごとき「安倍関連の政治物語をめぐる〈ことの本質〉」を,もしかして理解できていないとしたら,こちらの君もまた,安倍晋三君以上にうつけ者だと嘲笑されそうである。
なんどでもいうが,国益に反する外交しかできなかった「▼ンクラ・世襲政治屋」に「外交特使の任務」を請け合わせて任せるというのは,ほとんどだなどというまでもなく,完全にホラー話でしかありえなかった。
〔記事に戻る→〕 これに先立ち菅首相も〔2020年9月〕12日,日本記者クラブ主催の自民党総裁候補討論会で,安倍首相の外交能力を称賛しながら「外交問題は安倍首相にも相談しながら進める」と話していた。
補注)この段落の菅 義偉発言も,まずは冗談でなければとうてい聞けない内容。「安倍首相の外交能力」とは,そもそもなんであったのか? もう,まともに議論する気もなくなるほど呆れるが,ともかく
ここでは,藤田直央・朝日新聞編集委員「安倍外交は採点不能,よくて赤点 参院選前に総括,現場取材20年の記者が憂う日本外交の劣化」『論座』2019年06月28日,https://webronza.asahi.com/politics/articles/2019061900011.html( ↓ )に,変わりとなりうる「解説:議論と批判」をしてもらえばよい。
その藤田直央のこの寄稿の小見出しは,こういう文句を並べていた。
また安倍首相は今回のインタビューで,菅内閣がクリル4島(日本名・北方領土)問題と北朝鮮による日本人拉致問題で進展を遂げることを期待するとも語った。
憲法改正に関しては9条に自衛隊を明記することなど4項目の改正案を出したことを評価しながら「改憲を旗幟にかかた最初の政権だったが,なしとげることができなかった」とし「断腸の思い」と遺憾を表した。
補注)安倍晋三は要するに,自分の政治信念において目玉であったはずのこの「憲法改正(改悪)」や北方領土の返還,北朝鮮拉致問題など,もっとも肝心であったそれらの政治課題は,すべて未達成であり,つまり失敗に終わっていた。
ただし,憲法を改悪しなくとも,実質的に対米服属路線によりなじむ自衛隊3軍のあり方を,アメリカのトランプのために実現してきた。その点では完全に売国的・国辱的・国恥的な政治屋としての安倍晋三の真骨頂を発揚しつづけ,すなわち,この日本国の政治舞台で思いっきり悪政を演じたすえ,大失政をもたらした。
〔記事に戻る→〕 多くの批判を受けた新型コロナ対応については「より良い方法がないか自問しなかった日はない」とし,当時の苦悩を吐露した。また,来年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックが「人類が新型コロナを克服したという証拠」になることを希望すると語った。(引用終わり)
1年延期されてしかも無観客試合で実施された,2020東京オリンピックの「開催」について,「人類が新型コロナを克服したという証拠」になることを賭けたのだという発言:気持は,ずいぶん幼稚な「コロナ禍の認識」でって,呆れるほかない。
そういえば,われわれの血税をまたもや浪費していた「アベノマスク,一家に2枚配布」の1件も,世間の失笑の域に収まりきらない「世襲3代目の政治屋」の,本当におバカな失策の演技になっていた。
さてここで話題は若干変わる。安倍晋三が長期政権であった事実に関しては,識者たちの甲論乙駁がなされていた。しかし,通常のマスコミ・メディアの舞台で,表だって披露された彼らの論旨は,いまだに安倍忖度の名残を強く醸していて,面白みを欠いていた。
しかし,つぎにとりあげるブログは,以前から有名な『きっこのブログ』の記述であったが,実は,安倍晋三が辞任を表明する2日前に公表していたものとして,参考・勉強になる議論を展開していた。
要は,第2次安倍政権を棚卸ししていた内容であったが,前段で言及した藤田直央が率直に,この第2次安倍政権の結果を「採点不能,よくて赤点」だと評価した論点を,さらにより詳細に解説していた。
この『きっこのブログ』は,安倍晋三の長期政権を本格的に裁断する議論を披露した。以下,だいぶ長い引用になるが,たいそう有意義に,安倍晋三政権に対してまともな総括的な批判を披露していた。
※-3「負のレガシーだらけの安倍政権」『きっこのメルマガ』第84号,2020/08/26,https://mypage.mag2.com/ui/view/magazine/162409040?share=1
「 ま え が き 」
総理大臣としての連続在職日数が,憲政史上最長となった安倍首相であるが,マスコミ各社の調査では支持率が軒並み過去最低水準になってもいた。国民は長期政権にきびしい目を向けており,そもそも安倍首相は長きに渡る在任期間中,どんな成果を上げてきたのか?
メルマガ『きっこのメルマガ』を発行する人気ブロガーのきっこさんは,安倍首相は「拉致問題」や「北方領土問題」でなんの成果もえられておらず,むしろ状況を後退させたと分析。世界各国に累計60兆円をばら撒くなど「負の遺産」だけを残してしまったと指摘した。
♠〔どうみても・なんといっても〕負の遺産だらけの安倍政権 ♠
-付記)この題目のうち〔 〕内は引用者が追加-
a)〔2020〕8月24日,安倍晋三首相の連続在職日数が2799日となり,自身の大叔父でもある佐藤栄作氏の2798日を超えて,憲政史上最長となりました。どうしてこのようなミラクルが起こったのか,それは2017年に安倍首相がおこなった自民党の党則改正にあります。
自民党は1974年の田中角栄氏の時代から,総裁の任期を党則で「連続2期6年」と定めていました。これは,同じ人物が2期以上総裁をつとめると,総裁が力をもち過ぎてしまい,党内の派閥のバランスが崩れてしまうからです。
しかし,2012年12月に政権に返り咲いた安倍首相は,自身の「2期満了」が翌年に迫った2017年,この党則を「連続3期9年」に変更したのです。
自分に都合よくルールを変える,卑怯な安倍首相らしい姑息な手口ですよね。安倍首相は,ことあるごとに「悪夢の民主党政権時代」といい,「アベノミクスで民主党政権時代よりGDPが増えた」と胸を張りますが,これも同じこと。
補注)本ブログ筆者は安倍晋三政権のことを「悪魔の自民党・公明党の野合政権」と呼んできたが,統一教会(現・世界平和統一家庭連合)とのカルト的に親密な関係がその後(2022年後半期に),あらためて暴露されたことにより,その「悪魔」という譬え・形容がけっして大げさではない「実相」が,いまさらのように発露されたといえる。
〔記事に戻る→〕 民主党政権時代にはGDPの試算に含んでいなかった「開発費」や「不動産取引」など,ありとあらゆるものをGDPに加算して,思い切り上げ底にして数字を膨らませたのです。そのため,景気が良くなったという実感などまったくないのに,GDPだけは右肩上がりだったのです。
b) 話を戻し,この党則改正をおこななわなければ,安倍首相は2018年9月で自民党総裁の任期が満了していました。それに伴い,自民党の総裁選がおこなわれ,新しい総裁が首相になっていましたから,今回の安倍首相の連続在職日数の記録は生まれていませんでした。まあ,それはどうでもいいのですが,もしも自民党総裁の任期が,以前から「連続3期9年」だったとしたら,どうなっていたでしょうか。
あたしは,やはり安倍首相の連続在職日数の記録は生まれていなかったと思います。それは,小泉純一郎氏がいるからです。2001年4月から2006年9月まで,第87代,88代,89代の首相をつとめた小泉純一郎氏は,連続在職日数が1980日ですが,もしもこの時,自民党総裁の任期が「連続3期9年」だったとしたら,小泉純一郎氏は間違いなく,もう1期,総裁をつとめ,首相としての連続在職日数は3000日を超えていたからです。
……そんなわけで,今回の連続在職日数の最長記録更新について,安倍首相は当日の午後,首相官邸で会見をおこない,つぎのように述べました。
「政治においては,その職に何日間,在職したかではなく,なにをなしとげたかが問われるのだろうと思いますが,この7年8カ月,国民の皆様にお約束した政策を実行するため,結果を出すために,一日一日,日々,全身全霊を傾けてまいりました」
「その積み重ねの上に,今日の日を迎えることができたんだろうと考えております。すべては,これまでの国政選挙において,力強い支持をいただいた国民の皆様のおかげでございます。心から御礼を申し上げたいと思います」
〔だが ↓ 〕〔こういう事実も記録されていた〕
◆-1 2014年2月の山梨の豪雪災害の時は,赤坂の高級料亭でお友だちと天ぷら三昧
◆-2 2014年8月の広島の土砂災害の時は,緊急連絡を受けても無視してゴルフを継続
◆-3 2018年7月の西日本豪雨災害の時は,赤坂自民亭で酔っ払ってドンチャン騒ぎ
◆-4 2019年9月の千葉の台風災害の時は,組閣に夢中で完全スルー
こんな人物に「全身全霊を傾けてまいりました」などといわれても「はぁ?」としか答えられませんよね。でも,冒頭の「政治においては,その職に何日間,在職したかではなく,なにをなしとげたかが問われる」というのは「そのとおり」です。
c)「政治は結果」ですから,どれほど長く首相をつとめたかではなく,なにをやったか,どんな成果を挙げたのかが,その政治家を評価するすべてです。たとえば,これまで連続在職日数が最長だった佐藤栄作氏をみてみると,日韓基本条約を批准し,非核三原則を提唱し,沖縄返還をなしとげています。
補注)もっともきびしく評言するとしたら,こうなる。日韓条約も非核三原則も沖縄返還もすべて中途半端に「現在進行中の問題でありつづけている」。非核三原則は例外だらけが基本になっていたし,沖縄返還といっても実質はアメリカの飛び地的な領土である事実に変わりはない。いまも……。ただし,韓国の問題はべつの国家における話題でもあるから,ひとまず「発言を控えさせていただく」。
〔記事に戻る→〕 長期政権のメリットは,このように大きな外交問題とがっぷり四つに組むことができる点です。毎年のように首相が代わっていては,相手国の首脳と信頼関係を築くことがむずかしいだけでなく,政府内の引継ぎの手間も増えるため,複雑な外交問題を解決することは不可能です。しかし,長期政権であれば,これが可能になります。佐藤栄作氏の成果である沖縄返還は,長期政権だからこそなしとげられたのです。
佐藤栄作氏に関しては,非核三原則を提唱しながらも,米軍による核兵器の日本へのもちこみを米政府と密約していた問題など,叩けば埃が落ちる問題がいくつもありますが,それでも沖縄返還をなしとげたことは大金星です。
ちなみに,さっきから「がっぷり四つ」だの「大金星」だのと書いていますが,あたしは,お相撲はまったくみませんし,知識ゼロです。横綱の下が大関で,大関の下が関取だと〔いうこと程度はしっていただけに〕思っていたほど無知です。
d) ま,それはともかく,首相を5年半務めた小泉純一郎氏も,2002年には北朝鮮の金 正日氏に拉致を認めさせて謝罪させ,2004年に5人の拉致被害者を取り戻しました。これに関しても,小泉政権が水面下で北朝鮮へ100億ドル(約1兆円)を支払ったとか,さらに莫大な金額を支払ったとかいわれています。しかし,仮にそれが事実だったとしも,長年,まったく動かなかった拉致問題を,わずか5年半の政権で大きく動かした功績は称賛に値します。
……そんなわけで,5人の拉致被害者を取り戻した小泉純一郎氏よりも,沖縄返還をなしとげた佐藤栄作氏よりも,さらに長く政権の座にいる現在の安倍晋三首相は,いったいどのような成果を挙げて来たのでしょうか。
2006年9月,小泉純一郎氏の後を引きつぐかたちで,戦後最年少の52歳の若さで首相の座についた安倍晋三氏は,第1次安倍政権の最重要課題として「憲法改正」と「拉致問題」と「北方領土問題」をかかげました。そして,このメルマガを読んでくださっている皆さんのなかにも覚えている人が多いと思いますが,この時,安倍首相は,拉致問題についてつぎのように述べたのです。
「北朝鮮による拉致問題は,私の内閣で必らず解決いたします。拉致被害者を最後の1人まで取り戻し,全員が家族と抱き合える日まで,私は必らずやりとげると国民の皆さまにお約束いします」
前任の小泉首相が5人の拉致被害者を取り戻してから2年しか経っておらず,世論も北朝鮮への怒りで一色だったため,このような目標をかかげざるをえなかったのかもしれません。
しかし,この日から14年,拉致被害者は1人でも帰ってきたでしょうか。たとえ1人も取り戻せなかったとしても,できるかぎりの努力をして,あらゆる手段を使って北朝鮮との対話を試みて,それでも進展しなかったのなら仕方ありません。
e) しかし,安倍首相の場合は,なにもして来なかったどころか,国内の保守層の支持率をキープするために「対話より圧力」という真逆の政策を推しすすめてきたのです。これにより,拉致問題は一歩も二歩も後退してしまいました。
一方,口だけでなく行動もするアメリカのドナルド・トランプ大統領は,2018年5月,北朝鮮に拘束されていた米国人3人を開放させたうえで,翌6月12日,シンガポールで史上初の米朝首脳会談を成功させました。
すると,安倍首相は,ここぞとばかりにトランプ大統領の成果に飛びついたのです。国内向けに「トランプ大統領と緊密に連携して日本人拉致問題についても米朝の議題に上げていただいた」と発表したのです。
しかし,安倍首相が「トランプ大統領と30分にわたって拉致問題について電話会談した」と発表した,まさにその時間帯に,トランプ大統領はまったく関係ないことをセッセとツイートしていたのです。
いくら破天荒なトランプ大統領でも,同盟国の首相と電話会談しながらツイッターをいじるようなことはしないでしょう。安倍首相の発表が嘘であり,国内向けに「やってる感」を演出しただけと考えるのが普通です。この人の場合,一事が万事,すべてこれなのです。
できもしない目標や,やる気もない目標をつぎつぎとかかげ,ご立派なネーミングを付けたり担当大臣を決めたりと「やってる感」だけは演出しますが,どの政策も成果を出せぬままフェードアウトか先送り。そして,野党からツッコミを入れられると「道なかば」,逆から読むと「ばかな道」,これが安倍首相の本質なのです。
f) 拉致問題だけでなく北方領土問題も,安倍首相は第1次安倍政権の発足時に「私の政権で必らず解決する」と豪語しました。しかし,今日までにプーチン大統領と30回近くも会談をしたのに,14年前より大きく後退させてしまいました。
ほかにも「最後の1人まで,最後の1円まで,私が責任をもって解決するとお約束いたします」と公約した「消えた年金問題」は,「最後の1人〔円?〕まで」どころか「最初の1人」も解決せずに丸投げしてしまいました。
g) 福島第1原発から太平洋へ流出しつづけている放射能汚染水についても,安倍首相は2013年9月に「今後は東電に丸投げせず,政府が前面に立ち,私が責任者となって完全に解決するとお約束いたします」と公約しました。
しかし,それから7年,責任者を自称した安倍首相はなにもせず,たった1回,たった15分間,現地を視察しただけでした。お陰様で,高濃度の放射能汚染水はいまも流出しつづけおり,太平洋を汚染しつづけているのです。
補注)その後,東電福島第1原発事故現場から湧きつづけるほかない汚染水は,処理水の名のもとに太平洋におおっぴらに吐き出している。「融けて流れりゃ,みな同じ」という要領でなのか,トリチウム以外にもたくさんの核種(放射性汚染のそれら)を混ぜこんだ自称「処理水」が,いまでは,せっせと大海のなかに排出されている。
h) そんな安倍首相ですが,この8年間,なにもしなかったわけではありません。安倍首相は政権に返り咲いた直後から,「TPP承認案」や「特定秘密保護法案」や「年金カット法案」や「共謀罪法案」を始めとして,国民の過半数が反対していた悪法をつぎからつぎへと数の暴力で強行採決してきました。
また「黒川弘務検事長の任期延長」だけは賭け麻雀スキャンダルで白紙となりましたが,「集団的自衛権の行使の容認」や「国会の開催拒否」などの憲法違反を繰り返してきました。
i) ほかにも安倍首相は,2014年4月と2019年10月,二度にわたって消費税の増税を強行しました。二度とも「社会保障の財源」と説明しましたが,2014年4月の増税分を1年後にチェックしたところ,「社会保障の財源」に使われていたのは全体のわずか18%だけで,70%以上が,消費税増税の直後に減税した法人税の穴埋めに使われていたのです。
また,昨〔2019〕年10月の消費税増税の直後にも,法人税を軽減させるための複数の法改正がコッソリとおこなわれました。これでは,なんのための増税だか分かりません。
j) また,安倍首相は,高齢者の医療費の自己負担額の引き上げ,生活保護者の受給額の減額や母子加算の減額など,社会的弱者には容赦ない鞭を振るってきました。しかし,自分たち国会議員を始めとした公務員の給与や賞与は毎年のように引き上げつづけました。
生活保護者の受給額も,公務員の給与も,どちらも「世の中の平均所得や物価などを参考にして増減する」と決められているのに,生活保護者の受給額は引き下げられつづけ,公務員の給与は引き上げられつづけるなんて,まるで手品のようですよね。
k) もちろん,これだけではありません。以前も指摘しましたが,安倍首相が昨年(2019年)までの7年間で世界各国にバラ撒いた総額は,累計60兆円にも及ぶのです。もちろん,途上国への支援など必要な支出もありますが,原発推進のためにイギリスへ1兆円とか,プーチン大統領のご機嫌をとるためにロシアに3000億円とか,このなかには考えられないバラ撒きが数多く含まれているのです。
そのきわめつけは,アメリカ製欠陥兵器の大量購入です。147機も大人買いした欠陥戦闘機F35は,1機116億円,維持費307億円なので,147機で合計6兆2000億円です。
すでにベテランの航空自衛隊員が青森沖に墜落して死亡しており,事故状況はアメリカのベテランパイロットが開発時から指摘している欠陥そのものなのに,防衛省は「操縦ミス」として片付けたのです。なぜなら,欠陥を認めると147機というビッグビジネスが白紙になってしまうからです。
もしも,安倍首相が世界へのバラ撒きをしなかったら,アメリカ製欠陥兵器の大量購入をしなかったら,今回の新型コロナの給付金は,1人当たり10万円ではなく,70~80万円ずつ給付できたのです。あたしたちが納めている税金なのですから,まずはあたしたち納税者のために使い,余ったぶんをよその国のために使うべきだと思います。
l) さて,ここまでが,安倍首相による長期政権の政治的な「成果」ですが,このほかにも,忘れてはならない多くの「成果」があります。そう,森友学園問題,加計学園問題,桜を見る会問題,自衛隊の日報改竄問題などから,安倍首相に任命責任がある閣僚たちの不祥事や逮捕の問題です。どれひとつ取ってもいまだに「説明責任」が果たされていません。
〔8月〕24日のTBSラジオ『森本毅郎 スタンバイ!』では,月曜コメンテーターの時事通信の山田惠資記者が「歴代最長の長期政権なのに,安倍さんには『これをなしとげた』というレガシーがなにひとつない」と指摘したうえで,「安倍さんの一番の問題は,モリカケや桜を見る会など『負のレガシー』がたくさん残っているということ。そして,多くの国民が安倍さんを疑っていること。これは安倍さん自身が説明責任を果たさずに,隠そう隠そうとしてきたから」と述べていました。
m) そんなわけで,解散総選挙がおこなわれなければ,安倍首相の任期は来〔2021〕年9月まで,あと1年1カ月となりました。でも,あたしが驚いたのは,〔2020年8月〕24日の会見での「最後の1年で取り組む最重要課題はなにか」との質問に対する答えでした。なんと安倍首相は「憲法改正」と「拉致問題」と「北方領土問題」を挙げたのです。
補注)いうまでもないが,8月28日安倍晋三は首相を辞めると表明していた。
〔記事に戻る→〕 これ〔前段の内容〕を聞いた瞬間,あたし〔きっこ〕は思い切りデジャブーして〔既視感に浸って〕しまいました。だって,これって2006年9月に第1次安倍政権が発足したときにかかげた最重要課題そのままだからです。この日から14年,そのうち9年近くも首相をやっていたのに,どれひとつ一歩も前に進められなかったばかりか,
「拉致問題」と「北方領土問題」は後退させてしまったのです。ここまで無知で無能で無策で無責任な首相が,残り1年でなになにができるというのでしょうか。結局,あたしたち国民は,最後の最後まで「絵に描いた餅」をみせられて終わるのです。
(以上,『きっこのメルマガ』2020年8月26日号より一部抜粋)
補注)すでに触れていたが,安倍晋三は2020年9月16日に仮病を理由に首相の地位から逃げ去った。トコトン,ショボかったこの「世襲3代目の政治屋」の首相は,この国をダメだらけにする下手ばかりを犯してきた。ろくでもなかった総理大事であったどころではなく,国家のもっとも大事な任務をなにひとつ達成できなかっただけでなく,この日本をボロボロのクタクタ状態に追いこむだけの為政しか「できなかった」。
ともかく安倍晋三自身は,以上に参照してみたメルマガ記事が公表された2日後に辞任を表明していた。時すでに遅しいうよりは,この「遅れ」を逆にまくりあげるかっこうで,すなわち,安倍晋三をより早期に日本の政治から追い出すために必要であった「日本のマスコミ・メディアの働き」は,ほとんどなかったのだから,この国は実質「死んだも同然」になっていたとみなすほかなくなっていた。
朝日新聞社系のネット記事『論座』のように,安倍晋三をきちんと批判するマスコミ・メディアの報道がないわけではない。
だが,総体的・基本的には『きっこのメルマガ』が総括的に批判していた「安倍晋三のトンデモな為政」が,8年近くもの長期間,それも悪政・暴政というか失政・虚政として,まかり通ってきた。
その国の民主主義の水準を決める基本要因は,その政府(政権)を選んだ有権者(国民たち)の政治的意識=民主主義に対する自覚・覚醒の程度にあるはずだとすれば,日本の政治の現状は実に情けない。
いいかえれば,この安倍晋三前政権の悪質で粗暴な政治を野放図にさせてきた基因は「日本の国民・庶民」のミーハー的な政治意識,くわえて政治に対する無関心にもあった。
そこにさらに,安倍晋三政権下,すっかり骨抜き状態になりはてた「マスコミ・メディアの報道姿勢」の「へっぴり腰=弱さ」も重なったがために,この国の政治は,後進国的に未発達であるかのごとき「民主主義の実態」にまで後退した。
もっと分かりやすくいうとしたら,「世襲3代目のお▼カ政治屋」の為政のせいで,われわれの目の前で,自国の状態がみるみるうちに「後進国化」させられてきた。これに対して最大限に奉仕・努力してきたマスゴミやダメディア,とくに読売新聞社系列と産経新聞社系列のそれら立場や思想は,「社会の木鐸」とは完全に無縁であるか,あえてその反対側に位置していたのだから,始末が悪い。
「第4の権力」だという言論機関が政府にひれ伏したごとき基本姿勢では,その国の民主主義がまともに機能などするわけがなく,安倍晋三のような「世襲3代目の政治屋」の幼児性に対してまっこうから戦えなかった言論機関(マスコミ・メディア)は,いまからでもいい,せいぜい反省することである。
2021年10月4日,菅 義偉のあとをついで首相になったこれまた「世襲3代目の政治屋」は,安倍晋三に輪をかけてひどい,為政を展開してきているのも,一定の意味では安倍譲りであるとも解釈できる。
21世紀の現段階に至ってだが,2度も総理大臣の座に就くことになった「岸 信介の外孫:安倍晋三」,この「できそこないの『世襲3代目のお▼カ政治屋』」は,この国を亡国への通路に誘導・案内してきた。
とりわけまずかったことは,当人にはその自覚症状がなかったことであった。それだけにまた,日本国じたいに対して発揮されていた『安倍晋三の「禍」』は,いまもこの政治社会に対して深刻かつ甚大な後遺症を残したことになる。
この安倍晋三とこれにつづいて登壇してきた,やはりダメ首相としての菅義偉は,ある意味,アベのピンチヒッター的な位置づけがなされてよい程度の政治屋であった。この国のその後も,ますます悲観的にとらえるほかなくなっていた。
アベのあの「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」な表情や,菅 義偉のあの「高慢で横柄・暗黒で陰性・独断で専制」の表情をみせつけられつづけてきた「われわれ庶民の政治的な関心や立場」ときたら,たまったものではなかった。
菅 義偉君,河井案里と仲良くパンケーキなど食っているヒマがあったなら(このくだりは2020年当時の話題であった),この先,真っ暗でしかありえない日本の現状をどうするのか,もっと真剣に考えてみたらどうか。君はアベの路線を継承しているというのだから,この日本という国を,さらにこなごなになるまでぶち壊していくつもりか?(さらにそのまま,岸田文雄の政権に進行していったが……)
それにしても,21世紀における日本の政治の舞台には,ろくでもない国家最高指導者しか登場していなかった。自民党関係者では,安倍晋三,そしてその先輩格の小泉純一郎は,その一二を争う「これ,ダメ」の日本国総理大臣であって,とことんこの国を破壊してきた “代表的な人物” であった。
それでも,前段に長々と引用してみた『きっこのメルマガ』がいみじくも指摘していたように,比べてみるとしたら,まだ,小泉純一郎のほうがいくらかマシであった。晋三にあっては “評価したくても・できるもの” が,本当に皆無であった。
ただし「世襲3代目のお▼カ政治屋」の「マイナス的な面目の躍如」ならば,りっぱに最高の合格品をつけられる。ただそれだけのことであった。
21世紀の日本は,実にひどい国にまで落ちこんでいる。第2次政権時のその8年近くもの長期間,安倍晋三は自国をひどく弱体化させてしまった。後生の歴史に残されるはずの彼に関した記録は,この国を3流国へと貶める道筋を提供したとともに,後進国化させる条件も用意したダメな宰相であったとのみ,記述されるに違いない。
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