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昔,三浦和義という男性が関係した「疑惑の銃弾」という事件が世間を騒がせたが,安倍晋三の殺人事件では「疑問の捜査」という疑問が浮上している

 いまごろになってだが,三浦和義という人物が関係したとされる,昔の「疑惑の銃弾」事件の記憶を呼び覚ますかのように,こんどは,「日本を破壊しまくった元首相安倍晋三」の銃殺事件に関してだが,その「真犯人は山上徹也ではなかった」と推理もできそうな「銃弾の疑惑」事件が,話題として否定できずに,依然残されている。

 2022年7月8日,参議院選挙を控えて奈良市に来て応援演説を始めた安倍晋三が,統一教会「宗教2世」によって,それも手製の散弾銃の一撃によって倒される事件が起きた。

 事件の状況からみて安倍晋三は “ほぼ即死状態で殺された” と判断されていよいにもかかわらず,奈良県立医科大学に救急ヘリも使い救急搬送され,夕方まで治療を施されていた。結局,配偶者の昭恵が夕刻に駆けつけ,一目会えたところで死亡したと報道されている。

 以上のように説明される安倍晋三銃殺事件であったが,この事件に関連する状況や情報に接してみると,どうしても「整序だって処理=無理なく納得できない経過」が含まれていた。そのあたりの問題をいまいちどあらためて考究してみるのが,本日のこの記述の狙いである。
 

 ※-1 40年も前に世間をたいそう騒がせた「ロス疑惑」と呼ばれた事件があった

 1981年から1982年にかけて,アメリカ合衆国ロサンゼルスで起こった日本人関係の銃殺・傷害事件があり,三浦和義という人物にかけられた一連の疑惑をめぐるいくつもの出来事が,日本社会ではかなり長期間にわたって大きな関心を呼んだ。

 この事件では,報道の過熱化や一事不再理の原則などの問題を投げかける事件になっていた。別名をロス事件,三浦事件,三浦和義事件,「疑惑の銃弾事件」などと呼ばれた。    

 その後,そのロサンゼルス「疑惑の銃撃事件」に関与した疑いで米自治領サイパンで2008年2月に逮捕されていた元会社社長,三浦和義容疑者(61歳)=日本では無罪確定=が,ロサンゼルス市内で自殺を図り,死亡した。ロサンゼルス市警から2月10日午後10時(日本時間11日午後2時)ごろ,現地の日本総領事館に連絡が入った,という。

 三浦和義が関連した「疑惑の銃弾」事件は殺人事件に彼自身が本当に関与したかどうかという事件であったけれども,安倍晋三が銃殺された2022年7月8日,奈良市で起きた事件においては,その犯人(容疑者)である山上徹也が本当に「その真犯人」であったのかについて,とくに「第3の狙撃者」(もちろんプロの)が介在していたのではないかという疑いが,完全に払拭されていない。

 以上のごとき疑いを提起すると,それは「オマエは謀殺説」に囚われた単細胞の持主だと非難(反問)されることがある。だが,統一教会「宗教2世」の山上徹也が手製の散弾銃を用意し,しかもパチンコ玉状の弾丸をそれぞれ6個ずつこめた2連を発射させる構造のその銃でもって,はたして安倍晋三が実際に射殺されていたかという疑問は,いまだに取りのぞけていない。

 本ブログは,関連する記述を何編が書いてきた(今日の時点では未公開の状態なので,後日)。そのなかで以上の問題にじかに関係する記述は,「安倍晋三を銃撃した犯人は本当に山上徹也であったか,第3者の狙撃者の存在が疑われて当然の謀殺事件ではなかったか」との題名で書いていた。

 そのような疑問を提起する者たちに向かい,「それは陰謀説に囚われた妄想的な議論」だと一言で片付けられる人は,かえってその発言の裏にはなにかが控えているのではないかと勘ぐりたくなる「殺人事件」が,安倍晋三の場合であった。 
 

 ※-2 そうすると,いまごろになってだが『週刊文春』がなにやら安倍晋三殺人事件をみなおすための報道を,週刊誌として始めた

 2023年2月16日は木曜日ということで,『週刊文春』の新聞広告が『週刊新潮』のそれと並んで出される曜日であった。この2月16日号は,「週刊文春」編集部「安倍元首相『疑惑の銃弾』第2弾 昭恵夫人は暗殺映像を再生し『変ですよね…』」『週刊文春 電子版』2023/02/15,https://bunshun.jp/denshiban/articles/b5221 という記事を掲載していた。

 小誌先週号で詳報した安倍元首相暗殺「疑惑の銃弾」。ついに現職閣僚や元警視総監たちからも捜査への不信感や全容解明を求める声が上がり始めた。そして,遺された昭恵夫人は……。新たな疑惑も報じる徹底検証第2弾。

『週刊文春 電子版』2023/02/15,https://bunshun.jp/denshiban/articles/b5221

 この『週刊文春』の記事が列記していた疑問点(後段の▶-1から▶-4)は,安倍晋三が銃殺された事件後,素人のわれわれでも不審をいだかせる疑問がいくつも残ったままであった点を,いまさらにように確認させうる材料を提供した。

 ところで,国会議員青山繁晴は事件発生以来,最近も関連する発言をユーチューブを舞台につづけていたが,関係筋からはほぼ脅しに近い警告じみた圧力発言を受けている,と語ってもいた。

 『週刊文春』が挙げていた以下の疑念4点のうち,▶-1,▶-3,▶-4については,本ブログ筆者も非常に強い疑問を感じていた。

  ▶-1 山上被告が発射 2つの弾丸が消えている
  ▶-2 警察が保管したまま 安倍氏の背広に「6つの穴」
  ▶-3 現職閣僚が告白「警察発表に違和感を覚えた」
  ▶-4 元警視総監の苦言「5日後の現場検証は遅すぎる」

 奈良県立医科大学で事件発生直後,被弾した安倍晋三の治療に当たった福島英賢(ひでただ)が記者会見で語った話と,その後につづいた奈良県警の司法解剖の結果に関して公表された話とは,まったく異なっていた諸点があり,噛みあっていなかった。

 ▶-1「山上被告が発射 2つの弾丸が消えている」という点については,ちまたの人びとから,それこそたくさんの意見(分析・解説)をくわえられていた。それぞれなりに参考になる知見も披露されていた。それらには,専門外の意見だからといって無視できないものが多数あった。

 ▶-2「警察が保管したまま 安倍氏の背広に『6つの穴』」という点は,本ブログ筆者はみのがしていたのか,マスコミ・メディアの報道として聞いたことがない。少なくとも,筆者はそうであった。

 ▶-3「現職閣僚が告白『警察発表に違和感を覚えた』」という点は,▶-2の点ともあわせていうことになるが,

 ▶-4「元警視総監の苦言『5日後の現場検証は遅すぎる』」といったふうな,素人でも「当局はそれでまともに捜査していたつもりか?」といった疑問が,全体としてはっきり浮かぶ。

 交通事故の実況検分や現場検証の場合でも,現場の状態が変わらないうちに,事故発生後になるべく早めになされるのは当然も当然。ところが,安倍晋三という元首相が殺された事故現場については「5日後にも現場検証がおこなわれていた」というから,これはほとんどおフザケではなかったかといわれかねないほど,実のんびりした後攻の捜査であった。少なくとも道路面にかぎっては,現場検証など実質的にできたはずがない。

 とりわけ,安倍晋三の治療に直接当たった福島英賢と,事後に司法解剖をした奈良県警とのあいだには,決定的に異なる所見があったにもかかわらず,マスコミ・メディア側からは注目し,問題視する意見が出ていなかったのではないか。いまごろになってもまだ,レントゲン写真ですらどうなっているのか,捜査当局や検事局はなにもいわない。

  『週刊文春』の文句に戻ってみると,安倍晋三が撃たれた瞬間は,つぎのように説明されていた。

 マイクを握り,聴衆に語りかける男性。「ドン」と鈍い音がして背後から白煙が上がる。周囲の人々が肩をすくめる中,背筋を伸ばしたままの男性は,くるりと背後を振り向いた。
 次の瞬間……。

前掲に同じ。


 ※-3 統一教会側の機関紙『世界日報』であっても,※-2の疑念に関して適切にまとめていた

 日本の大手紙は,以下の記述をもって示唆したごとき「ある種の疑念」を直接とりあげて報道することはしなかった。それでいて「事件後の経過をなぞってきた」報道姿勢は,かなり奇妙に感じられた。

 ここではあえて『世界日報』の記事を引照しながら議論をくわえたのち,『週刊文春』2023年2月8日号の記事関係の話題に戻ることにする。

 その記事は以下に少し長く引用するが,安倍晋三と山上徹也関係の情報を要領よくまとめ,疑問点も提示している。ただし,それは統一教会(現・世界平和統一家庭連合)側が日本国政権を批判する意味あいもこめてもいた『世界日報』の記事であったので,内容そのものにかぎってそれなり聞くことになる。

 題名は「【連載】安倍元首相  暗殺の闇 第1部 残された謎 (1)  救命医と警察 背反する所見」『世界日報』2022年10月12日,https://www.worldtimes.co.jp/japan/20221012-165714/ から。

 安倍晋三元首相が,凶弾に倒れてから3カ月以上が過ぎた。安倍氏が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に近いと容疑者が思いこんだことが,犯行の動機との供述がリークされたが,事件の真相・全容は闇のなかだ。在任期間憲政史上最長の元首相の命を奪った暗殺事件の真相を探る。(世界日報特別取材班)

 補注)なお,山上徹也が「安倍氏が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に近いと容疑者が思いこんだ」という指摘は,『世界日報』なりの意図的な誤報道である。安倍晋三と統一教会との親しい仲は,祖父の岸 信介以来の実態である。山上徹也の判断は的中していたのだから,これに「思いこんだ」という表現を充てるのは,予断を前提にした完全なる〈誤導狙い〉。

筆者補注。

〔記事に戻る→〕 安倍晋三元首相の銃撃事件でもっとも不可解なのは,安倍氏の救命治療に当たった奈良県立医大付属病院の福島英賢医師(教授)の所見と,奈良県警の司法解剖の結果が真逆に近いくらい異なることだ。

 補注)本ブログ筆者も当時の報道経過に接しているなかで,これと同じ疑問を抱いた。当然,大手紙もとりあげ追究する問題になるかと思っていたところが,実際には不思議なことに,筆者の分かる範囲内では言及されていなかった。

 安倍晋三が射殺された現場でどのような光景が起きていたについて,その現象=表相で発生してきた事件の経過はくわしく報道されていたものの,ごくとおり一遍にしか報道がなされず,いまこの記述で前後する段落のなかで指摘しているつもりの疑問に対しては,答えようとする意向のありそうな記事は,みつからなかった。

筆者補注。

〔記事に戻る→(以下同じ)〕 安倍氏は〔2022年〕7月8日午前11時半ごろ,奈良市の近鉄大和西大寺駅前で選挙遊説中,背後から近づいた山上徹也容疑者の手製銃で銃撃された。午後0時20分,橿原市の奈良県立医大付属病院に搬送されたが,心肺停止状態にあった安倍氏を蘇生させることはできず,5時3分に死亡が確認された。

 同日,午後6時すぎにおこなわれた記者会見で,福島医師は,安倍氏の体には,頸部(けいぶ)の前方と右側の2カ所と左上腕部に1カ所,銃創とみられる傷があり,「心臓および大血管損傷による失血死」との見方を示した。記者の質問に「心臓の傷は大きいものがあった」と述べ,さらに心臓のどの部分に穴が開いたのかとの質問に,福島医師は「心室の壁」と答えている。

 一方,奈良県警は事件の翌9日の会見で,「左右鎖骨下動脈の損傷による失血死」という司法解剖による所見を発表した。失血死という点は同じだが,心臓の損傷を指摘した福島医師の所見とは大きく異なる。

 〔つまり〕山上容疑者の2回の発砲は,安倍氏の背後から〔もの〕で,安倍氏は1回目の発砲の後,上半身を後ろへ振り向いたさい,2回目の発砲で被弾したとみられるが,首の前部と右側から弾が入り心臓に達したのだとしたら,致命弾は山上容疑者以外の何者かによって発せられた可能性も排除できなくなる。

 補注)事件後,素人の人びとのなかからであっても,この段落で指摘されている疑問(疑惑)をめぐり,盛んに議論(分析・検討)がなされていた。なかでも,つぎのような音響(学)的な解析は傾聴する価値があった。

 山上徹也が安倍晋三を狙い撃った手製の散弾銃2発は間隔を2.7秒置いていた。ところが,この間隔のなかには,別の射撃音に相当すると推断されうる「音」が2つ録音されていた。そういう解析がなされていた。その2回の音が第3者からの狙撃だと解釈したほうが,事件が起きた経過はより的確に理解できそうである。

 そうした疑問と解答は,素人の人たちが事件時に記録された音声をなんども繰り返し聴いてみて,そういった「音の2点」が聞こえたという次元から,さらに専門的に音響機器を利用してその「音の2点」を解析した次元にまで,一貫して導き出されるほかなかった推理=結果である。
 
 したがって,以上の指摘・分析はそう軽々には無視できる程度の疑念指摘ではなかった。ということで,すでに氏名の出ていた人物がつぎにこの『世界日報』の記事にも登場する。

筆者補注。

〔記事に戻る→〕 この点に疑問をもった自民党参院議員の青山繁晴氏は,〔2022年〕7月20日,自民党本部で開かれた治安・テロ対策調査会に出席し,その内容を自身のユーチューブ番組「ぼくらの国会」で明らかにしている。

 弾がどのように入ったか,との青山氏の質問に対し,警察庁幹部の説明は,致命弾とみられるものは左上腕部から入って,鎖骨下動脈にも弾が当たったというものだった。

 青山氏の質問に答えて,警察庁幹部は他に安倍氏の体内から球状の弾丸が1発みつかっているが,致命弾は,貫通しない盲管銃創を残してはいるが,弾じたいはみつかっていない,ことも明らかにした。この「消えた致命弾」も大きな謎である。

 補注 1)この警視庁幹部の応え方は奇妙である。「球状の弾丸が1発みつかっているが,致命弾は,貫通しない盲管銃創を残してはいるが,弾じたいはみつかっていない」というのも,ずいぶん奇怪なセリフである。盲管銃創でどうして,弾じたいが安倍晋三の体内からみつからないのか?

 関連して考えるに,それではそれをどこかで紛失した,搬送する最中にほどこされた手当・加療のなかで,なにかに紛れてなくしたという話もありうる。だが,元首相が殺された事件にさいして,医療および警察・消防などの関係者たちが,そのようにしか「対応しなかった:できなかった」というのでは,とても不思議に感じる「事件の経過全体に対する基本姿勢」があったといわざるをえない。

 とりわけ警察関係の人間は事件の性質上,なにに注意し,なにを「現場保存しなければならないか」(広義の意味で)をしらないわけがない。それなのに,わけの分からないようなセリフが吐かれていた。

 補注 2)『週刊文春』のところに戻ると,▶-4の「元警視総監の苦言『5日後の現場検証は遅すぎる』」という1項も,まことに不可解な指摘になていた。殺人事件でも元首相が殺されていたのに,事件後5日目に再度現場検証するというのは,理解しえない事後の対応。

 繰りかえしていうが,交通事故であっても直後に処理を済ます。それが安倍晋三が射殺された事件で,5日後に交通量が多い主要な道路などで検証を重ねてしたのは,およそ理解不可能であるどころか,いったいなんのためだったかさえ疑問をもつ。

筆者補注。

 近くにあるクリニックから駆け付けた中岡伸悟医師〔中岡内科クリニック〕は,持参のAEDを取り付け心臓マッサージをおこなったが,うまくいかなかった。安倍氏の心臓はすでに止まっていた。

 補注)安倍晋三が狙撃されてから治療するにあたり輸血された量は「100単位」ということで,これは「28リットルの濃厚赤血球という凄まじい量」であった。50人の献血から取れる量である。即死に近い状態で受傷した人に対する救急・救命の措置として,なすべき適切な対応であったか?

 配偶者(妻)の昭恵が急遽奈良市に駆けつけるまで,安倍晋三の容体をもたせる(延命させる?)ためのそうした輸血の措置であったとも説明されうる。だが,狙撃された直後にすでに安倍晋三の心配が停止状態になっていたとすれば,かなりの無理を承知で大量の輸血を継続したという措置にならないのか。

 安倍昭恵が晋三に会えてから彼は落命したという経過だったと説明されている。だが,この正午前から夕刻までの経過には安倍晋三の容体との関係で理解しにくい点が残されていた。そのあいだに関する説明は分かりにくいままに経過していた。

筆者補注。

 以上のごとき当時の状況からは,致命弾が安倍氏の心臓をすでに損傷していたと思われる。しかし,救命治療に当たった福島医師は,会見の終わり近くで,「頸部から入って来た弾が,心臓を損傷し肩口から出ていったということでいいのか」との記者の質問に,「いまのところそう考えていますが,専門家がみると違うかもしれません」とも述べている。

 さて「致命弾は安倍氏の心臓を損傷していた」という事実だったのであれば,彼が心臓が穴が開くほど損傷を受けた状態で,正午前から夕刻まで生きていられた経過との整合性:関係性に,疑念が生じて当然である。

 銃弾を受けての損傷ではなくてその前に,医学的に説明される「鈍的心損傷」は,つぎのように説明されている。

 鈍的心損傷は,心筋挫傷,心腔の破裂,または心臓弁の破裂を引き起こす鈍的胸部外傷である。ときに前胸壁への打撃により,構造的病変を伴わずに心停止が生じる(心臓震盪)。

  執筆者:Thomas G. Weiser, MD, MPH, Stanford University School of Medicine「鈍的心損傷」『MSD マニュアル プロフェッショナル版』https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ より。

 安倍晋三は銃弾を受けて心臓を損傷された。この外傷によって即座にかあるいはごくわずかの時間をおいて命を失ったと観るのは,医学的にそれほどむずかしい判断ではあるまい。

 前段に書かれていたように,事件発生直後に現場で安倍晋三の容体を観た医師が心臓は停止していたと説明していた。これはウソだったというのか?

 福島医師がいう専門家とは司法解剖を担当する医師を指すと思われるが,東京都内の病院に勤めるある医師はいう。次段の引用はまだ『世界日報』からとなる。

 「司法解剖というのは,それをおこなう前に警察から,どの方角から銃撃されたなどのブリーフィングを受ける。それが先入観になることもあり,今回,頸部の傷が必らずしも重視されなかった可能性がある」。

 以上の記述を通して慎重に吟味すべき問題が観取されていいはずである。すなわち,前段でいわれたその《可能性》なるものが今回は重視されなかったとしても,安倍晋三の遺体を司法解剖をした担当医師も,実は奈良県立大学の医師であった。となれば,さらに微妙な疑問が湧いてこないではない。

 結果としてはともかく,事件発生直後,それも現場から離れた医大にまでヘリで搬送された事件の経過からして,「受傷した安倍晋三」を診察・治療した福島英賢の診断(所見)と,奈良県警から司法解剖を担当した同じ大学の医師の所見(解剖)とのあいだに介在する相違点は,なぜか,いまだに問題視されないまま放置されてきた。

 三浦和義の事件ではないが,こちら,安倍晋三の殺人事件のほうが「疑惑の銃弾」ではなくて,「銃弾の疑惑」とでも呼んだらよい〈なんらか特定の疑問〉を残置させていたのではないか,という疑問が抹消できない。 

 

 ※-4「週刊文春」編集部②「《徹底検証》安倍元首相暗殺「疑惑の銃弾」2023/02/08,https://bunshun.jp/denshiban/articles/b5139

 (も参照する。時間の順序は逆であるが,論旨の理解そのものに支障はないはず)

 警察の見解は「首の右側を撃たれた」。しかし,専門家は「右に当たるはずはない」。変転する警察庁幹部の国会議員への説明。救命医と監察医で異なる診断,消えた弾丸,心臓に開いた穴。このテロ事件を検証すると…。

 補注)この『週刊文春』からの引照は後段につづくが,その前に,本ブログ筆者なりに考えてみたところを補述しておきたい。

 「心臓に穴が開くほどの受傷をした人」は,素人考えであるが,ほぼ即死状態になるのではないか? 

 安倍晋三が被弾した直後の様子についてはたとえば,医療専門家が関連する説明をつぎのようにおこなっていた。

 「医療機関で高度な医療を開始する前の段階で現場での対応は,まったく問題はなく,映像でみるかぎりスムーズに救命連鎖活動が連鎖し,きわめて適切な対応であったと思います」

 「銃や刃物による外傷による心停止であっても,反応なしにくわえ正常呼吸なしを確認したら「心停止」と判断し,心肺蘇生スタートがもっとも適切とされる対応で,他に選択肢はありません」

 ここでは,前段で触れた疑問を繰りかえしておく。

 以上のように説明された安倍晋三の受傷状態であっても,ともかく当日の正午前から夕刻まではなんとか生命を維持できており,夫人昭恵が晋三の最期を看取ることができたという経過は,うがった観方ではなく奇妙に感じさせる点があり,そのとおりには受けとりがたい。
 
 以上のごとき疑念が提示されて当然である。 
 
 報道によれば,奈良県立医科大学に搬送された安倍晋三は,「医師が輸血を大量に行うなど蘇生措置を実施したことおよび容態を告げ,最終的に『蘇生はむずかしい』と昭恵が判断。 17時03分に死亡が確認された」という経過になっていた。

 以上のごとき,安倍晋三が射殺された事件の経過を,より現実的に冷静に受けとめるとしたら,大量の輸血がなされていた事実を併せて思うに,この元首相が落命した時刻は,医療の配慮(とさらにはなんらかのプラスアルファ)をもって強引に延長されていたと解釈できなくはない。

 前段の解釈以外にも,安倍昭恵が下したという「安倍晋三の死の時刻:17時03分」という区切りは,さらに一定の理解を要する「時間の経過に関した問題」であったかもしれない。

 以上,単なるゲスの勘ぐり以上のなにかがあって当然の「殺人事件」であったとみなす立場に対して,これを論外だといって完全に排斥するわかにはいくまい。

筆者補注。

〔ここ( ↓ )からが『週刊文春』の記事〕
 日本中を震撼させたある「銃撃事件」について,検証取材をおこなっている。小誌記者がそう切り出すと,その専門家は語気を強めて語り出した。

 「銃を扱う人間として,あの事件には関心を寄せてきた。警察の説明はちぐはぐです。ありえないよ」

 大日本猟友会の佐々木洋平会長。狩猟者に対して銃の講習や射撃大会を主催する猟友会において,全国組織のトップを務める人物だ。

 佐々木氏だけではない。銃器の専門家たちへの取材を進めると,警察の見解について皆一様に「おかしい」と首を傾げるのだ。

 さらに,政治家や医療関係者からも警察の捜査に疑義が上がるこの事件。それは,元首相が白昼堂々射殺されるという歴史に残る凶行,安倍晋三元首相暗殺事件のことだ。(引用終わり)

 殺人事件として「安倍晋三の死」が発生していた。その背景そのものとして,「統一教会と政権党との深い・永い歴史的な関係史」があっただけに,自民党はとくにこの事件を単なる怨恨に発した事件として囲みこんでおき,そのまま抑えこみたい,封印状態にしておきたいと欲望している。

 だが,安倍晋三の死因についてのあつかい(常識的な次元から専門的な次元にわたっての説明)に不明な点(いまだにもやもやする印象)を残したままの状態で,犯人とされた山上徹也だけが裁判で裁かれればいいような「殺人事件ではなかった」はずである。

 先月,『京都新聞』2023年1月18日の社説( https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/956981 )が,「安倍氏銃撃起訴 真相の解明欠かせない」という題名で,つぎのように述べていた。

 事件直後から,教団と自民党議員との深い関係がつぎつぎと明らかになった。安倍氏が選挙で教団票を振り分けていたとの証言や,教団の名称変更に政治が関与した疑いも残ったままである。

 信者を親にもつ「宗教2世」の告発が相次ぎ,深刻な人権侵害も浮かび上がった。

 こうした問題の解決は,政治に問われている。岸田文雄首相は教団と「関係を絶つ」と宣言しながら,党内や安倍氏関係者への調査は消極的なままだ。裁判にとどまらず,国会や与党も事件に向き合い,二度と悲劇が繰り返されないよう策を講じるべきである。

『京都新聞』前記。

 要は,安倍晋三銃殺事件に関しては,その「なんらかの裏事情」に相当する「特定の闇の部分」が控えている点が示唆されていた。しかも,この事情は,現在にあっても依然変わりまま,そしてまた,その種の疑問を完全に打ち消せる材料も提供されていない。

 そして,その種の疑念を完全に打ち消せるように,単なるひとつの「殺人事件として適切に処理し,説明できる材料」が,関係当局側からわずかでも提示されてきたとはいえない。

 それでは,「なぜか?」という「問い」が,いつまで立っても残響しつづけるほかない。

  最後にひとつの疑問。安倍晋三が狙撃されたあと治療に当たった福島英資医師(奈良県立医科大学)と,奈良県警から司法解剖を依頼された担当医師(やはり奈良県立医科大学の医師)とは,同じ医師同士として,意見交換というかあるいは相互に検討をしあう機会をもったのか?

 報道関係で分かる範囲内ではそうした機会があったかどうかすら不詳である。当たりまえに考えれば,両医師の意見交換があって当然である。ということで,この付近の疑問に答える取材をするジャーナリストはいないのか?

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