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従軍慰安婦の制度的存在を知悉していた産経新聞社の経営者(3)

【断わり】「本稿(3)」の前編2稿のリンク先住所は,つぎのものである。本日の記述は,この2稿を受けての論旨であり,できればこれらの前編を読んでもらえるよう希望したい。

 

 ※-1 前論として日枝 久に言及する

 まずは,「本稿」内で繰り返して掲示するのが,つぎの画像資料である。ただし,これは2016から2017年ころに撮影されたのではないか,という推測があった点を付記しておく。

安倍晋三と麻生太郎・小泉純一郎とにはさまれて
しかも森義朗をとなりにして座っているのが日枝久である
自分が大物だと思いこむ理由だけはたっぷり……

 安倍晋三が2012年12月26に第2次政権を組閣してからのこの国は,いよいよさらにダメだらけの国家体制へと変容させられてきた。しかもまずいことに,アベにつづけて首相の座に就いたのが,あのガチガチ政治屋の菅 義偉と,人間の資質や政治屋としての実力がまったく正体不明だった「世襲政治屋3世」岸田文雄であった。そうであっただけに,その間,この国の腐朽・退廃ぶりは,はたして,救いようがないほどにまで低空飛行的に高度化した。

 上掲した画像のなかには,政治家(正確には政治屋)たちとともに,日枝久と笹川陽平(日本の右翼活動家で元A級戦犯,戦後は賭博業で財をなし,社会奉仕活動家に転向した笹川良一の息子」)の2人がくわわっていた。

 現在の首相は石破 茂になっているが,安倍晋三から蛇蝎のように嫌悪された,この石破であった。また,画像に写っている面子は「旧安倍派の残党となった政治屋の連中」,そして「その朕愚(チング)であった日枝 久や笹川陽平」であった。

 この日枝 久や笹川陽平は現在,安倍晋三がもう生きていない時期になっているゆえ,政権の中枢部に立ち入ちいって気軽に接触することは,とうていできない状況になりかわっている。

 日枝 久は,フジテレビの取締役相談役にしか過ぎない「組織規程上の立場」にありながら,それでも非公式組織的な観点からいえば,組織管理の形式的な権力構造・機能関係をはるか超越した実権を長年堅持しつづけ,つまり院政を敷いていた。

 その院政をいままで維持できていたのはある意味,安倍晋三が第2次政権に挙げてきた「民主主義国家体制を溶融・破壊させてきた実績があった」からだといえなくはない。

 いずれにせよ日枝 久は,最近におけるフジテレビの醜聞事件を,それこそ総元締め的な立場から黒子的に演出してきたごとき人物であった。いずれ近く開催される株主総会や取締役会において,この日枝が排斥される可能性が大になりつつあるのではないか,という近況分析がないわけではない。

 以上のように把握できる「フジサンケイグループ内における権力と権威の実際的な力学現象」に関しては,その「顕著なる負的後遺症」,いうなれば,その明確なる病巣になっていた「フジサンケイグループの実質的な総帥,日枝 久」が,前段に参照した画像のなかでも,中心(カナメ)に置かれていた構図になっていたように,

 しかもあの「サメ脳:森 喜朗」(内閣支持率で史上最低の9%という記録を出した)と仲良く並んで座っていた様子などをもって,この国のダメ(未開かつ未熟)っぷりの一端を,明瞭にのぞかせてくれる構図を提供していた。


 ※-2「われらが元首相:安倍晋三」は小学校4年生で習う漢字「成長」の成が書けていなかった

 以上まで記述したのち,こういう画像をかかげるブログをみつけた。「事実は小説よりも奇なり」というけれども,こちらの事例ではしごく簡単明瞭な話題。

 以前に首相も務めたことがあった「世襲政治屋3世麻生太郎」は,「ミゾユウの日本語の使い手」として,より有名になっていたが,この安倍晋三も太郎に輪をかけてのミゾユウに,おそろしいほど漢字〔識字・書き能〕力のない首相であった。

誰でもあれこれ間違えるがこれはスゴイ

 成長の〈成〉という文字は,小学校4年生で習っているはずの漢字である。漢和辞典やワープロ・ソフトなどで,この「安倍晋三流に創作された漢字」を探してみたが,もともとないものはどこを探すまでもなく,ない。

 難しい漢字や画数の多い漢字となれば,みな,1画や2画は間違えて書いている場合は,けっこうある。テレビでは以前,漢字を書かせるクイズ番組もあった。しかし,これ(「成」)の場合だと安倍晋三君は,たった6画の漢字を4画にまで変更して書いていた。これはちょっと想像できかねる間違い方であった。

 しかしなんというか,寒気がしてきた……。まさか,安倍晋三流に強権政治的に創作したつもりの漢字でもなさそうだし,また,もともとないものはないわけである。この人が日本国の憲政史上で「首相(総理大臣)に就いていた任期」が一番長い記録を達成したというのだから,驚異そのものであった。

 安倍晋三君の幸せは即,圧倒的に国民たちの「不幸や不運」を意味していた。アベノミクス? この悪政としてのアベノポリティックスならば,最近になってもまだ,つぎのような経済指標を引きずるほかない「失政」ばかりになっていた。

これでは一部の大企業に勤務する労働者層にしか
その実質賃金増は期待できていない


 ※-3 産経新聞の論調や安倍晋三の盲論的な虚説を批判する

 もともと,本稿全体の話題であった従軍慰安婦問題に関心を移動させて記述をしてみたい。 

 最初に強調しておきたい点は,日本国の極右政治集団において「女王蜂的な存在になった櫻井よしこをはじめとして,ほかのご同類の彼女〔彼〕らがいかにデタラメに一貫した,それも単に「ためにする」ための,従軍慰安婦問題に関する「針小棒大のウソ」をぶちあげていたか,この事実をよくしっておく必要がある。

 櫻井よしこと安倍晋三がとても親しい間柄にあったことは,あえて触れる余地がない。周知に属する事実。この点を断わったうえでの話題となるが,櫻井はかつて自著『櫻井よしこが取材する-1991~1994-』ダイヤモンド社,1994年のなかでつぎのように言及された内容を書いていた。この本をめぐってはある話題があった。

 --櫻井よしこはまず,2014年夏からの出来事として,安倍晋三が朝日新聞社を猛烈かつ果敢に攻撃する材料になった「従軍慰安婦問題」をめぐり,つぎのごとき〈見出し〉が謳われていた記事じたいを介して伝わってくる実質になっていたが,『産経新聞』関連のネット記事にも報道されていたとおり,たいそうな意気軒昂ぶりでアベ君に加勢していた。

 その記事はこれである。 「『朝日は全然,反省していない』桜井(ママ)よしこさんらが誤報を痛烈批判『言論テレビ』感謝イベント」『SankeiBiz』2014年9月15日 18:37,https://www.sankeibiz.jp/macro/news/140915/mcb1409151837014-n1.htm

 もっともというべきか,前掲した『櫻井よしこが取材する-1991~1994-』ダイヤモンド社,1994年は,「従軍慰安婦問題の責任」という項目のなかで,つぎのように「取材して書いていた」はずである。同書の27・28・29頁を,画像資料を充てて紹介する。

『櫻井よしこが取材する-1991~1994-』27頁
『櫻井よしこが取材する-1991~1994-』28-29頁

 櫻井は「自分が過去に執筆していたこの記事の内容」を,はたして,自身の経歴から生じる因縁上,はたして「反省してい」たか? しかし,彼女はほっかむりするための基本姿勢ならば,かなりしっかりと維持してきた。

 こうした櫻井よしこ流になる「〈健忘症的な自己履歴〉管理状態」については,2019年中に『週刊金曜日』がとりあげる経緯が生じ,つぎのように批判していた。引用する記事は文章で紹介していくが,さきにつぎの画像資料でもその一部分を紹介するかたちにする。

人間誰しも自分の考え方を変えるものだが
公的に書いてあった中身を
のちに簡単に抜き取ったり消し去ったりすることはできない

  ★ 櫻井よしこ氏は「慰安婦」を「日本軍強制説」で報じていた ★              徃住嘉文稿『週刊金曜日』
         = 2019年04月19日 18:20 =
     
 『朝日新聞』の日本軍「慰安婦」の記事を「強制連行を捏造した」と非難している櫻井よしこ氏が,自身も「日本軍によって強制的に従軍慰安婦にさせられた女性たち」とテレビ,雑誌で報道していたことが分かった。

 自身の報道を棚にあげ,他者を「捏造」呼ばわりするのはアンフェアではないだろうか。

 櫻井よしこ氏がキャスターを務めていた日本テレビのニュース番組「NNNきょうの出来事」とみられる動画がある。1992年12月9日,東京で開かれた「日本の戦後補償に関する国際公聴会」を櫻井氏にうり二つの女性はこう放送した。

 「第2次世界大戦中に,日本軍によって強制的に従軍慰安婦にさせられた女性たちが,当時の様子を生々しく証言しました」。画面では「韓国人元慰安婦」の字幕とともにチマチョゴリ姿の元「慰安婦」が公聴会の壇上で叫ぶ。「私の一生を台無しにして! 日本政府は隠さないでしっかり謝罪したらどうなの!」

 男性アナウンサーの声。「これは元従軍慰安婦らから事情を聴き日本政府に謝罪と戦後補償を求める公聴会です。今回初めて名乗り出たオランダや北朝鮮の元従軍慰安婦8人が当時の様子を生々しく語りました」。

 壇上では元「慰安婦」たちが泣いている。字幕の説明。「感極まって,韓国と北朝鮮の元慰安婦が抱き合った」。中国の元「慰安婦」,万 愛花さん(64歳,当時)のインタビューもある。「私は15歳でした。日本軍に襲われて両手両足を押さえられ,乱暴されました」。約3分弱の動画だ。

 フェイクの時代だ。万が一にもと日本テレビに動画の確認をお願いした。「放送したものがすべて。答えられない」。櫻井氏からも「裁判中なので」と取材を断られた。

 「責任痛感すべき私たち」。

櫻井よしこ氏は「慰安婦」を「日本軍強制説」で報じていた

 しかしまた,櫻井氏は1992年7月18日号の『週刊時事』(時事通信社)でつぎのように書いてもいた。

 〈東京地方裁判所には,元従軍慰安婦だったという韓国人女性らが,補償を求めて訴えを起こした。強制的に旧日本軍に徴用されたという彼女らの生々しい訴えは,人間としても同性としても,心からの同情なしには聞けないものだ〉

 〈売春という行為を戦時下の国策のひとつにして,戦地にまで組織的に女性達を連れていった日本政府の姿勢は,言語道断,恥ずべきであるが,背景にはそのような政策を支持する世論があった。とすれば,責任を痛感すべきは,むしろ,私たち1人ひとりである〉

『週刊時事』から

 
 櫻井氏は,この記事などを再録し,『櫻井よしこが取材する』(ダイヤモンド社)を〔19〕94年に出版した。少なくともこの年まで,櫻井氏は,日本が国策として強制的に「慰安婦」にしたと伝えていたことになる。ちなみに,手元にある本は櫻井氏のサイン入りだ。フェイク本ではおそらく,ない。(以上,徃住嘉文・報道人,2019年4月19日号)

 ※-4 そしてつぎに紹介する文章は【山崎行太郎の政治ブログ『毒蛇山荘日記』】http://d.hatena.ne.jp/dokuhebiniki/20091026/1256530124 の『櫻井よしこと小林よしのりの「エイズ報道」は間違いだらけだった』

 櫻井よしこと小林よしのりの言論人としての原点は「薬害エイズ報道」であった。

 しかし,彼らの「安部 英犯人説」を中心とする「薬害エイズ・バッシング報道」は,櫻井よしこがその著書『エイズ犯罪 血友病患者の悲劇』(中央公論社)を絶版にして,読者の目に届かないようにしていることからも明らかなように,医学的にも,また資料的・実証的にも,間違いだらけであり,いまから考えると典型的な「犯罪報道の『犯罪』」事件であったということができる。

 櫻井よしこ等に,根拠もなしに「犯人」に仕立てられ,激しいバッシング報道を受けつづけたあげく,「薬害エイズ事件」の主犯格として逮捕され,裁判にかけられ,その裁判の渦中で亡くなった安部 英医師は,完全な「報道の被害者」であったということができる。

 櫻井よしこ等は,現在も,「薬害エイズ事件報道」をめぐる「報道の犯罪」事件などなかったかのように,そしらぬ顔で言論活動を続けているが,櫻井よしこ等の言論活動の本質が,どういうものであるかをしるためにも,「薬害エイズ報道」の真相を明らかにしておくことは重要だと僕は考える。

 櫻井よしこは,当時,日本テレビのニュース番組「きょうの出来事」キャスターであったが,そのキャスターという役割を悪用して,「薬害エイズ事件」の主犯格の人物として,「帝京大学副学長」であった安部 英医師をでっち上げ,

 その「安部英犯人説」のストーリーにそってテレビカメラとともに執拗に安部 英医師を追いかけまわし,そこで櫻井よしこやテレビカメラから逃げようとする安部 英医師を,さらにカメラに撮影し,その映像を何回も何回も,全国ネットで流しつつけた。

 おそらく日本人で,その時の櫻井よしこと安部 英医師の映像をみていない人は,ごく小数だろう。つまり大多数の日本人が,その時の,安部 英医師を追跡する櫻井よしこの雄姿と,必死で逃げようとする安部 英医師のミジメな姿を,一度はみているし,またいまでも記憶しているはずだということである。

 櫻井よしこ等の報道に便乗して,安部 英医師バッシングを繰り返したのが漫画家の小林よしのりであったが,したがって,いまでも,櫻井よしこや小林よしのり等が垂れ流した「安部 英犯人説」を疑わない人は少なくないだろう。

 しかし,この櫻井よしこや小林よしのりによる安部 英バッシング報道は,まったく根拠の怪しいデッアゲ報道だったということが,医学史的にも検証されている。

 しかるに,老医師・安部 英を社会的に葬り去っただけではなく,老後の人生やその生命さえ奪い取った櫻井よしこや小林よしのり等の「薬害エイズ報道」の犯罪,つまりメディアの犯罪,あるいはジャーナリズムの犯罪を追及する人はいない。櫻井よしこや小林よしのり等は,いまも,相変わらず,似たような言論活動を繰り返しつつ「わが世の春」を謳歌している。

 以上のごとき,山崎行太郎の櫻井よしこ〔や小林よしのり〕に対する批判は,櫻井の場合,従軍慰安婦問題に対する「最初はグー(批判の見地)」を明示していた立場であったものが,その後はいつの間にか「パー(食言して転向した見地)」をもって覆いかくし,それもミズテン的に転回していった姿を,槍玉に上げるものであった。

 この山崎行太郎が櫻井よしこに向けて放っていた「基本的な批判(徹底的な論難」)は,よしこ側から答えることはとうてい不可能であった。それと同様に,『週刊金曜日』が従軍慰安婦問題に対して積極的かつ批判的に報道していたはずの「過去における櫻井よしこの言論批判」は,その後において極端にネトウヨ的な右寄り路線を走り出していた彼女にとってみれば,すでに聞きたくもない反論になっていたことになる。

 「櫻井よしこ⇔安倍晋三⇔日枝 久」という連関のなかには,いったいなにを共通項としてたぐり寄せることができそうか? よしこは言論でしっかりと変節した,晋三は子どものころからウソがすごく上手であった,久はフジサンケイグループで「ドン・ぶり」を巧みに誇ってきた。なかでもとくに久は今般,世間では大問題となっている「フジテレビ・女子アナ上納問題」を出来させる企業風土を,フジテレビ局内に醸成させる主導的な役割をはたしてきた。

 いずれの人たちも,正直いってろくでもない人たちだったという具合に,それぞれの人生を第3者から総括される日が来る。もっとも,安倍晋三の場合はすでに他界した人物なので,そのあたりの評価をあえてくわえるとしたら,たとえば「国会内で正式に認定された虚偽答弁が118もあった」(大晦日の夜「除夜の鐘で吹っ飛ばすべき108煩悩」よりも多かったそれ)という事実をもってだけしても,その結論は明々白々であった。

 安倍晋三があるとき街頭で選挙演説をしていた最中に,聴衆のなかからヤジを飛ばされた晋三は,瞬間湯沸かし的に激高し,「こんな人たちに負けるわけにはいかない」などといきりたって反論していた。
 
 それでいて,自分自身が国会内ではどれほど品位・品格を欠くヤジを飛ばしつづけてきた「常習犯の立場」で過ごし生きてきたか。この生き様を棚上げしたままそのように,ただ手前勝手に国民たちに向かい息巻いていたあの形相は,まさに「▼キ」そのものの正直な姿であった。

Tailor Jones 作

 この程度の人格・人間性の「世襲政治屋3世」に長期間,一国の運営を任せてきたのだから,この国がおかしくならないはずがなかった。

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