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安倍晋三がこの『美しい国』をぶち壊したのち,菅 義偉が無策にやり過ごしたとみたら,岸田文雄がとうとう南無阿弥陀仏を唱えだした

 21世紀のいま,この日本国は「米軍のためである自衛隊の立場」を,いつまでつづけていくつもりか?

 これまですでに,

  安倍晋三がさんざん壊したあげく,

  菅 義偉はなにも手当ができずに,

  岸田文雄がその後のゴミさらいをするごとき「終末期の衰退下落国:日本」の惨憺たるありさまは,

 軍拡路線で国民生活を締め上げている自公民政権の「いまだけ,金だけ,自分だけ」の私利我欲ぶりとして,異様な姿となってわれわれの日常生活のすみずみにまで悪影響をもたらしている。
 付記)冒頭の画像は,「海上自衛隊ヘリ護衛艦『いずも』太平洋上でF-35Bの発着艦検証へ 10月3日から」『乗りものニュース』2021.10.01,https://trafficnews.jp/post/111278 から借りた。

 ※-1「予算繰越額17.9兆円 昨〔2022〕年度一般会計決算,物価高対策で膨張」『日本経済新聞』2023年7月31日夕刊1面

 a) この記事は昨〔2022〕年度における国の税収が,前年度より約4兆円増え,71兆円台に達したことを受けた内容になっていた。2021年度の67兆379億円を上回り,3年連続で過去最高を更新したと伝えている。

 そして,「昨〔2022〕年度の税収71兆円で過去最高 剰余金の半分は防衛力強化に」『NHK NEWS WEB』2023年7月3日 19時29分,https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230703/k10014117291000.html はその税収の源泉について,つぎのように報じていた。

 2022年度の国の税収は初めて70兆円を超えて3年連続で過去最高を更新した。一方,2兆6000億円あまりと過去2番目の規模の決算剰余金を計上し,この半分が防衛力強化の財源に活用されるみこみである。

 財務省が〔7月〕3日に発表した昨年度の一般会計の決算で,税収は71兆1374億円となり,前の年度よりも4兆995億円増えて,3年連続で過去最高を更新し初めて70兆円を超えた。

2022年度一般会計税収

 法人税収は,好調な企業業績を背景に前の年度より1兆2970億円増えたほか,所得税収も1兆1395億円増えた。

 消費税収は個人消費が堅調だったことにくわえて,物価の上昇も反映して1兆1907億円の増収となった。税収が増えたことで,新規の国債発行額は昨年度の第2次補正予算の段階でのみこみよりも,12兆円抑えられた。
 
 補注)消費者物価指数の上昇を反映したかたちで消費税収もその分,増収になったということで,これは消費者の生活に照らしていえば,国側の自然増収の原因がわれわれの消費生活を苦しめる方向で実現されている事実を意味する。

 もっとも,以前に岸田文雄の立場はこう報道されていた。これは,1年と2ヵ月ほど以前の新聞記事である。

自国の軍事予算の内容を自政権で決められないお国柄

〔記事に戻る→〕 一方歳出は,新型コロナや物価対応の予備費などで支出の必要がない「不用」が11兆3084億円と過去最大となった。その結果,決算剰余金は過去2番目に大きい2兆6294億円となった。剰余金の少なくとも半分は,法律の規定にもごづいて国債の償還にあてられたうえで,残りは防衛力強化のための財源として活用されるみこみである。

 ただ,この規定について自民党の特命委員会は防衛費増額の財源を上積みして増税の実施時期を先送りするため,期限を区切って例外とすることも検討するよう求めていて,今後議論となることも予想される。(日経・引用終わり)

 岸田文雄は,安倍晋三の悪政を鵜呑みにして継承するかたちでする基本姿勢あったから,自分が政権をになうようになったところで,アメリカ大統領のバイデンの指示(意向?)どおりに防衛予算を,2023年度から5年間で倍増させる,GDP比率で2倍(2%)にするといったふうに,いままでの日本なりに堅持してきたはずの軍事路線をちゃぶ台返し的に基本から変更させた。

対米従属国家体制の実態

  「剰余金の少なくとも半分は,法律の規定にもとづいて国債の償還にあてられたうえで,残りは防衛力強化のための財源として活用されるみこみ」だと説明されていたが,安倍晋三政権の時期,

  オリンピックでの無駄づかい,
  コロナ禍対策のデタラメな予算の計上と執行ぶり,
  原発政策のあいもかわらずのお荷物ぶり

などに関して,1兆円から10兆円もの単位でのズサンな国家予算の浪費を重ねてきていながら,こんどは,

 防衛省の2023年度当初予算案で,米政府から装備品を買う「有償軍事援助」(FMS⇒アメリカ政府からじかに兵器・武器を非常に割高の価格を吹っかけられた値段で購入させられる契約)による契約額は,過去最高とみられる1兆4768億円に上っていた。このFMSをめぐっては過去に会計検査院も問題視しており,増額を危ぶむ専門家がいたのは,当然であった。

防衛費「2倍,2倍!!」

 b) だが一方で,国民生活の実質水準のほうは,すでに「先進国落ち」してしていた。「経済二流」の国家体制に滑り落ちたこの国の政府は,少子化問題や教育問題,住宅問題,医療問題どころか,食うや食わずの生活に追いこまれている人たちが大勢いるなかで, 「大砲とバター(guns-and-butter,軍事と民生)」のうち,バターよりも大砲を最優先する立場を,岸田文雄政権は誰の入れ知恵か,明確にとっていた。

「異次元の世襲3代目の政治屋」岸田文雄の発想

 それでなくともこの国では,兵隊さんのコマになれる若者の人口が急速に減少していく状況のなかで,バターはそっちのけで大砲をそろえることばかりに熱心な,それでいて,自民党内では宏池会の頭目でも「あった」現首相の岸田文雄は,いまに初めて分かった事実ではないとはいえ,さすが小沢一郎に岸田文雄は「完全な馬鹿」だとまで罵倒される事由をみずから提供していた。

「完全な馬鹿」とまで罵倒されるこの国の最高指導者

 たとえば今日から10ヵ月前に『朝日新聞』は「『結婚したら子どももつべ』」独身女性では3割 6年前から半減」『朝日新聞』2022年9月10日 17時30分,https://www.asahi.com/articles/ASQ9B355KQ99UTFL01F.html という見出しの記事で,こう報じていた。

 その前に『東京新聞』からはつぎの表も参照しておく。

大砲が一番大事で国民の生活はそちのけの文雄君

独身の人(18~34歳)のうち「結婚したら子どもはもつべきだ」と考える女性は36.6%,男性は55.0%。国立社会保障・人口問題研究所が〔2022年9月〕9日発表した出生動向基本調査で,こんな実態が明らかになった。

 6年前〔2016年〕の調査と比べ,女性は約30ポイント下がり,ほぼ半減。男性も20ポイント下がった。若年層の意識や価値観に急速な変化が起きており,政府の少子化対策にも影響するとの見方が専門家から出ている。こう報じていた。  

 この6年間のと指摘されたこの減少ぶりをしって,一国の最高指導者たち岸田文雄は驚かないのか? 「驚かない」としたら,この文雄の感覚をしらされたほうが,かえって「驚くほかない」。

 アメリカに服属する国家として,軍事費の倍増を率先して推し進める立場を採ったこの国の首相が,少子化対策についても『異次元のナントカ』と,口先だけはたいそうな表現を採っていながら,

 現実に,2022年における出生数はもちろん最低の77万人台となっており,合計特殊出生率も前年の1.30より0.4ポイント低下し,過去最低の1.26に同じに出た事実を,はたしてまともに・真剣に受けとめているのかさえ,さっぱり要領をえない言動ぶりになっていた。

あと2~3年も経ったらもう完全に
少子化対策などなにも手当できなくなるほど
手遅れ

 軍事費を倍増させるのであれば--5年間でGDP比率を2%にまで上げるということであった--,出生数・率のほうも(こちらはひとまず20年間でということになるのは,兵隊さん用の要員準備がととのうまで待たねばならない期間になるから)倍増まではとうていかないにしても,できるかぎり増やしたいところであるに。

 にもかかわらず,現状では結婚した男女たちが「子供をもちたくない」,より正確にいうと多分もてないとのだ悲観的になっている。しかもこの変調ぶりは「年層の意識や価値観に急速な変化が起きて」いた傾向・兆候だというのに,岸田文雄はいまだに呑気にも口先だけで「異次元の少子化対策」だなどと,あいも変わらずハナプク提灯ぶりである。

日本国憲法第25条は,

 (1) 「すべて国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」
  (2) 「国は,すべて の生活部面について社会福祉,社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。」

と,規定している。 これは国民には生存権があり,国家には生活保障の義務があるという意である。

日本国憲法第25条

 しかし実際には,彼らの年収は低すぎて,憲法に保障されているはずの基本的な条件を,まともに享受できない階層に属する人びとが大部分である。いまの時代,たとえば20歳台後半の若い夫婦が子供が2人もいたら,これはよほど裕福であるか,それとも非常に思い切りがいい彼と彼女だという事情でもあったからである。

 大都市部での最低賃金が1002円に決まったと最近報道されていたが,先進国(?)では最低水準である。非正規雇用でこの時給が働く人の年収は,いいところで200万円程度。これでは,若い人たちは結婚などできないし,初めからその希望をしぼませてしまう。ましてや,結婚してから子どもを儲けるなどという話は,まるで現実味がない。

 公費の扶助があるとはいえ,たとえば出産費用は地域によってかなりの差があるけれども,そのあれこれに余裕をもって備えるためには,ざっと50万円はみておく必要がある。非正規労働に従事している人びとにとってみれば「結婚して子供がほしい」などと考えるな,とでも宣言している国であるかのように感じて,なにも不思議はない。

 それでいて岸田文雄は,軍拡路線をなんとか(=▼カ)の一つ覚えみたく推進しはじめた。しかも,自国「日本」じたいのためというよりは,アメリカの世界軍事戦略を東アジア地域で分担させられるためのその軍事費倍増である。

 いままで日本はせいぜい,アメリカのフンドシ担ぎ程度の子分国家だと思っていたところが,このごろの日本の自衛隊3軍は,実はだいぶ以前からそうなっていたのだが,まるで米軍の麾下に存在するただ働き(顎足つきどころか鉄砲まで自前で用意してくれる)の便利な傭兵(?)集団と化していた。

 c) それでいながら,つぎのように敗戦後は「敗戦・賊軍神社」になっていた靖国神社をまたもやもちだし,今後発生が予想される「有事・戦争による死者の発生に備えて」復活させろといったごとき,まるで死ぬことが自己目的,つまり天皇陛下の股肱として自分の生命など〈鴻毛の軽さ〉であるかのように,自分自身の大切な命をなんとも思わぬ人間(若者たち)を育てねばならずだから「彼らの死に備えて靖国を再び!」みたいな発想が,この21世紀になっても頭をもたげていた。

『しんぶん赤旗』がその異様な意見を批判し,記事にとりあげていた。

  ★“自衛官戦死に備えよ” 元陸幕長 靖国神社「復活」唱える ★

=『しんぶん赤旗』2023年7月31日,https://www.jcp.or.jp/akahata/aik23/2023-07-31/2023073101_02_0.html

 陸上自衛隊の元制服組トップが,自衛官の戦死に備えて靖国神社を国家の「慰霊顕彰施設」として「復活」させよと公然と主張していることが,改憲右翼団体「日本会議」の出版物の記事で分かりました。

 火箱芳文(ひばこ・よしふみ)元陸上幕僚長は『日本の息吹』8月号の「国家の慰霊追悼施設としての靖国神社の復活を願う」と題する記事で,軍事力の抜本的強化を図る安保3文書の閣議決定を「大いに評価」しつつ,自衛隊は国内法的には軍隊ではなく,

 「旧軍人と自衛官では国家の処遇,国民の意識が格段に違う」などとして,「近い将来国を守るため戦死する自衛官が生起する可能性は否定できない。我が国は一命を捧げる覚悟のある自衛官たちの処遇にどう応えるつもりなのか」と問いかけています。

 そのうえで,戦後,「靖国問題」が放置されているのは「誠に残念」だとしつつ,「国家の慰霊顕彰施設」がない現状を嘆き,自衛官が「戦死」した場合,「筆者ならば靖国神社に祀(まつ)ってほしい」として,「国家の慰霊顕彰施設」としての靖国神社を復活させ,「一命を捧げた」(戦死した)自衛官を「祀れるようにする制度の構築が急がれる」などと主張しています。

 安保3文書に基づく憲法違反の敵基地攻撃能力の保有や,米軍と一体化した自衛隊が米軍の指揮下で相手国を攻撃する体制が強化されるもとで,戦死した自衛官をどう扱うのかという問題が切迫した課題となっていることが,火箱氏の主張からもうかがいしることができます。(引用終わり)

火箱芳文(ひばこ・よしふみ)元陸上幕僚長

 この『しんぶん赤旗』が批判して言及した靖国神社「論」は,国家神道の立場にあった敗戦前の宗教的な立場の問題性などそっちのけにしたまま,ともかく「国家の慰霊顕彰施設」としての靖国神社を復活させ,「一命を捧げた」(戦死した)自衛官を「祀れるようにする制度の構築が急がれる」などと主張していた。

 だが,単なる軍事観からのそれも軍人に特有である性急・狭量な発想のみをもって,戦死者のための慰霊施設が必要だという見解は,いわば戦争に強くなる国家体制作りの一環となる「国有墓場」(もっとも靖国は霊魂だけしか相手にしないから墓場ではない)が不可欠だという意見であった。

 d) 気をつけねばならないのは,自衛隊の兵士たちが「一命を捧げたい」と思えるように「国家の慰霊顕彰施設」が必要だという思考方式は,さらにここから発展させられる理屈となって反転し,必らず,「国家のために一命を捧げよ」という「国家の身勝手な論理」を裏づけるため理屈に短絡させられる。

 しかもその種の考え方は,「火箱芳文(ひばこ・よしふみ)元陸上幕僚長」の元肩書きをみればすぐに理解できることだが,自分だけは戦争事態になっても,けっして命を落とすことなどほとんどありえない階級(陸上自衛隊では最高)であるゆえ,「戦場の危険な場所」からは遠くに離れた地点からの発言になるほかないだけに,結局,眉ツバするにしてもたっぷり唾液を出してマユに着けてから聞くべきものであった。

 それに,靖国神社は現在は民間の一宗教法人であるゆえ,ここを自衛隊向けの慰霊施設に指定することは問題を起こすこと必定である。こうした問題を火箱芳文がまったく考慮していないとは思われないと配慮しておくにしても,この種の発想はきわめて短慮である点だけは,最低限強調されてしかるべきである。

 要は,他国(主に先進国の事例)に一般的である軍事慰霊施設との違いが分からぬ者がまたぞろ,「ヤスクニ! やすくに!」 靖国神社に戦死者を「合祀せよ」と唱えている。

 そうした意見は,侵略戦争のために国民(臣民)たちをかり出していた過去と同じ要領:手法でもってまたもや,その合祀を靖国神社にさせるといった宗教手法は,「敗戦体験の含意」を基本的にはなにも再考したことすらない自衛隊幹部(将官)の身勝手で無神経な精神を直裁に表わしている。
 

 ※-2 防衛大学校卒業生「任官辞退」などの問題

 a) つぎの画像資料は,「【半田滋の眼 NO.83】 どれだけやめる!? 防大・自衛隊 危機に立つ自衛隊」『デモクラシータイムス』2023年7月20日,https://www.youtube.com/watch?v=iMhmpXzOsYs から取りだした図表2点である。防衛大学校卒業生の任官辞退と現役自衛隊員の退職に関した統計表である。

防衛大学校関連「退出者」統計
 
自衛隊からの退職者統計

 前項に登場した「火箱芳文(ひばこ・よしふみ)元陸上幕僚長」の発言は,こちらの現実問題とは縁遠い場所から発言していたと受けとるほかない。

 以上のように記述をしてきたら,「防衛大教授が実名告発」『gooブログはじめました! 自衛官・市民ホットライン・ヨコスカご相談は heiwasendan@outlook.jp,秘密厳守。』2023年07月02日 09:10:09,https://blog.goo.ne.jp/zieikanhotline/e/fad38536fe616f48305323e0383180de という記述を載せたサイトに出会った。

 b) つぎに,防衛大学校の卒業生の任官辞退者数は,その時々における世界情勢:国際政治の動向や日本国内の景気動向に大きく影響されていたという事実について,若干触れてみたい。

過去において一番多かったのは,1991年3月〔1990年度〕の94名であり,このころは湾岸戦争時の時期が重なっていた。当時はまだ,バブル経済の余韻がまだ残っていたけれども,すでにその破綻が開始していた時期である。

 2008年に発生したリーマンショック後は一時的に任官辞退者が減ったものの,その後は就職売り手市場を反映し,再び増加傾向にあった。
 
 2012年3月(2011年年度)の任官辞退者は10名。

 2014年3月(2013年度)の任官辞退は47名で,それまでで過去4番目に高い値。

 2017年3月(2016年度)の任官辞退は32名。

 2018年3月〔2017年度〕の任官辞退は38名。

 2019年3月〔2018年度〕の任官辞退は49名。

 2020年3月〔2019年度〕の任官辞退者は35名。

 2022年3月(2021年度)任官辞退者が過去2番目に多い72名人。

 2023年3月〔2022年度〕任官辞退者は前年より46人。この年は昨年まで認めていなかった任官辞退者の出席を今年から認めた。

 以上の辞退者の割合は全体の1割を超えたこともあり,昨〔2015年3月〕年の25人の2倍近くとなった。

 c) つぎは,「防衛大学校の任官拒否に吼える人々。」『wasa@11ukのページ』2019年04月09日,https://minkara.carview.co.jp/userid/757405/blog/42712058/ から関連する図表をいろいろ合成した表などを紹介しておく。この表をめぐって,この『wasa@11ukのページ』はつぎの指摘をおこなっていた。

社会経済情勢を反映させる自衛隊要員化問題

【参考画像】-これは本文以外からの資料である-

防衛大学校「退職者数」推移

 共産党〔発行の『しんぶん赤旗』〕が示してくれた任官拒否と自衛官応募者のデータは就職率とまったく一致している。経済動向と任官拒否・自衛官応募者数の推移は完全に一致しているとみるしかない。

 2019年の任官拒否について政治アナリストと自称する伊藤敦夫は,「安倍政権への不安があるのは間違いありません。今年の卒業生は安倍首相が強引に安保法案を成立させた過程をみてきた世代。『当事者』として,危険地域へと派遣される可能性と直面し,熟慮の末,任官拒否という道を選んだのでしょう」といっていた。

 2015年の任官拒否に関しても「安保法制によるリスク」と叫んでいた。その年の任官拒否者は25名,しかし2005年は35名,2004年は29名の任官拒否があった,これは安保法制云々の前。この時も今まで任官拒否の原因は追究せず「安保法制」と,皆さん叫んでいた。

 共産党のいう自衛官応募者数減少『自衛官応募の3年連続減』,自衛隊に反対する日本共産党,記事では「安倍政権は「戦争できる国づくり」に突き進む一方で,自衛隊の人的基盤をみずから壊している可能性があります。」と。

 日本共産党が御心配されている『自衛官応募の3年連続減』,アベノミクスで雇用が増大する限り減少は避けられない,戦争法案が原因とするならデータで示してね。

 昨年(2018年)の9月19日のロイターの記事『焦点:自衛隊に迫る「静かな有事」,少子化で採用難』は,「若年人口の減少と国内景気の拡大を受け日本企業は深刻な人手不足に直面しているが,国の安全保障の中心的存在である自衛隊員の募集活動は,さらに困難となっている。」と書いていた。

 日本共産党さん,そして自称政治アナリストの伊藤敦夫さん,戦争法案が原因ですか?(引用終わり)

 c) この2019年時点での意見は,しかし,2023年8月時点に至ってはほぼ通用しなくなっている。安保関連法体制は,自衛隊3軍を本格的に米軍麾下の軍事組織に位置づけただけでなく,実質的に指揮・運用できるところまで整えられた。無難に表現するとしたら,共同作戦行動の常態的な一体化が実現している。

 集団的自衛権を結んでいる米日の間柄であり,それも前者に後者が服属するかたちが整えられたとなれば,いくらなんでもこれからは自衛隊員になるには,それなりに「自分の生命を賭ける」覚悟をしておく余地が非常に大きくなった。

 前段で「火箱芳文(ひばこ・よしふみ)元陸上幕僚長」が真顔になって,戦前・戦中体制の靖国神社「像」を彷彿させかねない「この神社を慰霊施設として整えよ」という意見は,公式には戦死者を出したことのない自衛隊3軍であったが,今後はそうはいかず「最悪の事態」も当然に配慮に入れ,その方途(運命!)を覚悟せよといったも同然であった。

 ということであれば,前掲した「【半田滋の眼 NO.83】 どれだけやめる!? 防大・自衛隊 危機に立つ自衛隊」『デモクラシータイムス』2023年7月20日の記事が注目されていい。

 d) 前段で触れた「防衛大学校の任官拒否に吼える人々。」『wasa@11ukのページ』2019年04月09日は,防衛大学校の卒業生任官辞退は,この大学校を卒業した若者の就職先としての自衛隊に対して民間企業などの就職状況とが,まったく密接に連動していた(相関関係が非常に高い)事実を指摘し,「防衛大学校の任官拒否に吼える人々。」に対して,その認識のズレをとりあげ批判をくわえていた。

 しかし,こんどは〈半田滋の眼〉が指摘したのは,現役の自衛隊員たちが21世紀になってからは海外に派遣されるようになった日本の軍隊に所属する人間として,生命の危機にさらされる戦場およびそれと同等の地域に送りこまれることが,自分の生命「存在」に直結する事態を意味する点を,切実に感じとっての対応であった。

 前項の a) に挙げておいた半田 滋作成の図表は,自衛隊の「退職者の3つの山」が,すなわち「イラク派遣,安保法制,敵基地攻撃」という歴史の出来事と重なっている事実を明示していた。こちらになると,防衛大学校の卒業生の任官辞退をする学生の就職先がどこかであるとかいった論点は,これじたいは無関連の要因となっていた。
 

 ※-3 石動竜仁「防衛大学校『任官辞退者』を批判する人が知らない,より深刻な辞退者たち-自衛隊にとってダメージが大きい辞め方が多数ある」『文春オンライン』2019/05/24,https://bunshun.jp/articles/-/12030

 この記事からはつぎの段落のみ紹介しておく。表に前後して文章部分もきりとってあるので,参考にしていほしい。

幹部候補生学校「入校辞退」統計

 この柴田幹雄「任官辞退の防大卒業生に250万円」の功罪 95%が自衛隊員になる事実を前向きにとらえよ」『JBPress』2012年3月28日,https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/34836 が示した見解は,

 はたして,前掲してあった「防衛大学校の任官拒否に吼える人々。」『wasa@11ukのページ』2019年4月9日という記述が,反駁して示した「指摘・批判」を充てただけでは,その後において,もう間に合わなくなった自衛隊における直近の現象が示唆されていた。

 ところで,自衛隊内には軍法会議や憲兵制度はない。集団的自衛権を組む米軍にそれらは,当然ある。憲法では個別的自衛権しか認めていない日本が,アメリカからの圧力を受けて半強制的に「1人前」の軍隊組織である体裁をまとっている。その事実からも,あれこれ自己矛盾,自家撞着が吹き出てくるほかない「自衛〈隊〉」であった。

 防衛省があっても自衛「軍」を名のらないのは「衣の下の鎧」の典型的な見本である。タテマエとホンネのズレこみ具合も,いまとなっては,大きくなりすぎて,たいそうみぐるしい。

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