セブン - イレブンの実態(1)
※-0 本記述はこの日本を代表するコンビニ会社を経営するセブン - イレブンに関する「会計分析」としての経営分析ではなく,文字どおり「企業分析」としての会社分析を試みている。
【断わり】 本記述はつぎの記述を受けた内容になっているゆえ,できればこちらをさきに読んでもらえると好都合である。
さて,セブン - イレブンの「本社:持株会社」の名称は,2024年10月10日に決められた変更であったが,2025年中にはセブンイレブコーポレーションに変更される予定である。このあたりの経過からは,今年中に話題となったカナダのコンビニ大手,アリマンタシォン・クシュタールから,セブン - イレブンに対する買収提案がなされたのを契機に,セブン - イレブンの経営の態様じたいが根幹から揺すぶられ,基本のところからその運営様式を再考する事態を迎えるかもしれない。
とはいえ,この指摘は,実際にその買収提案が実現してからの仮の話題を意味するから,いまの時点で軽々にセブン - イレブンの今後を予測,展望することはできない。しかし,このような指摘をしてみる余地がセブン - イレブンの内部には,以前から検討を迫られる問題としてなかったわけではない。
この数回にわたる予定の記述は,「セブン - イレブンの実態」と論題をかかげているが,今年になって,それも海外の同種企業から買収を提案された重要案件そのものを念頭に置いたうえで,「コンビニ:セブン - イレブン」の経営実態を探る討議をおこなうことにしたい。
本稿じたいは一度公表されていたが,例によってブログサイトの移動にともない「お蔵入りしていた」ものを,このたびのセブン - イレブンに対する海外企業からの買収提案がもちだされたという機会を与えられ,今回ここに採りだすことになった本記述の存在を思い出した。
要は,セブン - イレブンの経営様式に対する「経営理論・原理的な分析・考察・批判をくわえる」ことが要点となる。またその究明の対象となる時期は,2020年〔9月初旬〕までであったので,その後における経緯などは必要に応じて追加しつつ論及することを断わったうえ,以下の記述を始めたい。
※-1 過酷な営利追求企業としてのコンビニ産業,とくにセブン - イレブンの実態をめぐり,今回また,公正取引委員会が各本部を指導
十年一昔というが,いまだにめだった改善がなされなかったコンビニ産業の実態は,「フランチャイズ⇒フランチャイジー」間における上下服従の徹底的な浸透となっており,いわば,マルクス経済学のごく基本的な思考にしたがい表現すれば,その「剰余価値・利潤の搾取」「企業収益・利益」の源泉がそこに完成していた事実を,バカ正直だという形容を付して当然なくらいにまで,徹底的に体現させえていた。
本記述の要点を先に記しておきたい。
※-2『日本経済新聞』2020年9月3日朝刊の記事2点
1) 「コンビニ24時間強制『独禁法違反』 公取委が改善要請 本部主導エフシーモデル転機」『日本経済新聞』2020年9月3日朝刊1面冒頭記事
公正取引委員会は〔2020年9月〕2日,コンビニエンスストア本部がフランチャイズチェーン(FC,総合2面「きょうのことば」註記))加盟店に24時間営業などを強制すれば独占禁止法違反になりうるとの見解を示した。FC店に対する本部の優越的地位の乱用をけん制する姿勢を明確に打ち出した。人手不足と人口減少に伴う市場縮小で,コンビニの成長を支えてきた日本のFC経営モデルが転換期を迎えている。(関連記事経済5面に)
註記)「〈きょうのことば〉フランチャイズチェーン 多店舗化,少ない資金で」総合2面。これは,以下の枠内に引用する。
コンビニのオーナーや従業員の長時間労働が社会問題となったため,2019年10月からセブン ‐ イレブン・ジャパンなどFC本部8社と加盟店約1万2千店を調査していた。24時間営業については,時短営業を求める加盟店との協議を本部側が一方的に拒めば,独占禁止法の禁じる「優越的地位の乱用」にあたる恐れがあると指摘した。
調査ではFC加盟店の66.8%が「時短営業に切り替えたい」「一度実験してみたい」と答え,本部が時短交渉を拒絶しているとの回答は8.7%あった。加盟店の近隣には出店しないという約束を本部が一方的に破る行為も,違反にあたる可能性があるとの見解を示した。公取委は大手8社に対し,自主的に点検をし,その結果と改善内容を11月末までに報告するよう要請した。
公取委が調査で問題点として指摘したのは,コンビニ本部のFC店に対する強い力関係だ。
FC制度の特徴として,オーナーが店舗経営の経験がなくても経営できることがある。本部が商品開発や在庫管理など専門性の高い業務を請け負うからだ。データや経営ノウハウも本部がもつ。本部とFC店との関係は本来,対等だが,「本部と加盟店では取引の関係で,優位劣位の関係になりやすい」(公取委の菅久修一事務総長)。
2002年に定めたFC分野の独禁法の運用指針では,値引き販売の制限や仕入れの強制は優越的地位の乱用にあたる恐れがあるとの解釈を示した。だが,指針は徹底されなかった。今回の調査では加盟店の12%が直近3年間に制限されたと答え,必要以上の数量を仕入れるよう強要されたとの回答も47.5%にのぼった。
コンビニは本部主導のFC制度を活用した大量出店で成長してきた。市場拡大時には本部主導の経営はFC店も成長の果実をえられた。しかし,コンビニ業界が成長にゆきづまると24時間営業などによる負担感だけがFC店で強まり,本部への不満が表面化した。
コンビニ各社も人手不足や働き方改革など実情に合わせたFC経営への転換を急いでいる。セブンは深夜営業のガイドライン(指針)を策定。営業時間の短縮を希望する場合,試験的に深夜休業を実施して,効果をオーナーと協議し切り替えられる仕組にした。ただ,ローソンとファミリーマートを含む大手3社の約5万2千店のうち時短営業に切り替えた店舗は約3%にとどまっている。
コンビニの店舗数は2019年度に1981年度以降で初めて前年を割りこんだ。大量出店を前提とした本部主導の画一的なFC経営はゆきづまった。相互信頼をベースにFC店との協業を深めて,潜在需要を掘り起こす新たな知恵がコンビニ各社に求められている。
補注)現在時点(2024年11月27日)での話,実情となるが,あらためてネット上を検索してみたところ,すでに2019年から2020年の時期には,セブン - イレブンという店舗の名称とはべつに,24時間,昼夜をとおして営業してきた日本のコンビニ業は,それなりに深刻なFC店経営者(!)側をかかえたまま,いままでいたずらに本部(フランチャイズ)側の営利追求のための手段・道具でありつづけてきた。
そのあたりの問題については,京都産業大学経済学の学生たちが卒業論文(か?)としてまとめて発表した文章のなかに,適切な説明があった。これを引用しておく。
2)「コンビニ店主,休み月 1. 8日 公取委調査 過酷な環境明らかに」『日本経済新聞』2020年9月3日朝刊5面「経済」
公正取引委員会が〔2020年9月〕2日公表したコンビニエンスストアの実態調査では,加盟店の過酷な労働環境や過密出店の実態が明らかになった。公取委は,本部が24時間営業や値引き制限などを加盟店に強いれば,独占禁止法違反にあたる恐れがあると明確にした。コンビニのビジネスモデルの転換につながる可能性がある。
補注)『公正取引委員会』のホームページ,https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/2020/sep/200902_1.html から,つぎの点のみ引用しておく。
〔 ここで『日本経済新聞』2) の記事に戻る〕 大手コンビニのフランチャイズチェーン(FC)に加盟する1万2千店のオーナーらにアンケート調査をした。
加盟店主の勤務実態を調べたところ,1週間の勤務日数は平均6.3日で,月の休暇は平均1.8日しかなかった。6割以上の店主が「つらい」と回答した。24時間営業をやめたい理由については「採算がとれない時間に営業したくない」との回答がもっとも多かった。
補注)ここで,店主が「『つらい』と回答し」,「24時間営業をやめたい理由」として「採算がとれない時間に営業したくない」との回答したけれども,本部のほうでは,そうであっても,ちゃっかり採算がとれている事実,すなわち,利益:利潤を確保するための「売り上げ」からえられる「粗利益」そのものが,ともかく「その分だけ比例して確保できている」という関係は,忘れてならない。
だから,24時間営業が強制されている。それだけのことであった。本部は全社的な立場に立って,こちらの利益獲得のために各店舗に営業させている。その反対に,個々の店舗のために本部の経営をしているのでは,けっしてない。そのような経営姿勢などもともとありえなかった。
〔記事に戻る→〕 〔2020年9月からの〕10年前に比べて店舗数は1.3倍に増加。特定地域への集中出店も進んだ。1店舗あたりの人口は2010年から2017年までで約2割減り,競争が激化した。
人件費の高騰や近隣店舗との競合から,売り上げの確保も難しくなっている。倒産または休廃業した店舗数は2010年の91件から,2019年には約3.5倍の316件に拡大した。本部が準備した店舗を用いて経営する店主の65.4%が個人資産額について「債務超過」または「500万円未満」と答えた。
コンビニ本部は収入の大半を加盟店からのロイヤルティーに頼っている。加盟店に負担を強いるビジネスモデルでは,コンビニ本部の持続的な成長もむずかしくなる。〔2020年9月〕2日記者会見した公取委の事務総長は「本部みずから現状を点検し,取引環境が改善に向かうことを強く期待する」と述べ,加盟店と本部の関係性の見直しが進むよう促した。(引用終わり)
さて,2019年7月21日に実施されていた参議院選挙にさいして当時,れいわ新選組から新人として立候補した1人に,三井義文(当時,62歳)がいた。この三井は,コンビニ経営の残酷物語を当事者であった立場から,つぎの※-3ように説明していた。
※-3「【参院選】れいわ 収奪システムと戦うコンビニ店長が出馬」『田中龍作ジャーナル』2019年7月1日 22:44,https://tanakaryusaku.jp/2019/07/00020403
a) コンビニ本部に対する三井〔義文〕の怒りと不信は止まるところをしらなかった。「契約書にないことが本部からつぎつぎと出てきた」。
「いま,私,(自殺の名所の)青木ヶ原にいます。人手不足でもう限界です。店を閉められず,朦朧としてここに来ました。ネットをみたらコンビニ・ユニオンというのがあって電話しました」。〔これは〕あるコンビニオーナーからの電話だった。
「なんでここまで加盟店が追いこまれなきゃいけないのか。今回の選挙で訴えようと思う」。こう語るのは,コンビニ加盟店ユニオン前副委員長の三井義文(1956年生まれ)だ。
その三井が,れいわ新選組から立候補することになり,今日〔2019年7月1日〕,記者会見をもった。セブンイレブン本社の収奪や理不尽と戦いつづけてきた三井は,9年間営業してきた自分の店を閉じた。2016年4月のことだ。
「体を壊す前にやめよう」と思ったのだ。月の残業はもっとも多い時で420時間,平均で360時間にも上った。残業時間が,である。収奪も酷かった。売上げは全部本部の口座に入る。キャッシュカードは自分の店の物だと思っていたら本部の物だった。
補注)1月が30日だとしておき時間になおすと,「24時間 ✕ 30日」= 720時間である。睡眠時間を6時間にしても,この時間だけで180時間だから起きている時間は540時間である。となると「540時間」 - 「平均で〈残業〉360時間」=「残りは180時間」(1日あたりだと3時間にしか相当しない)であり,これでは,人間として通常の日常生活が,もちろん働く者の立場がどだい,成立していない数字だとみなされてしごく自然。
なお過労死の認定基準は,つぎのように説明されている。
厚生労働省は,過労死に至る基準として『週40時間を超える時間外労働、休日労働がおおむね月45時間を超えて長くなる場合』に,業務と発症との関連性が徐々に強まるとみなしているので,この三井義文の場合は「一月平均の残業時間360時間というのは,ひとまず4週半(1月がほぼ31. 5日だとみなしておき)で割り算すると,こうなる。
360時間 ÷ 4. 5 = 80時間(これは週当たりの残業時間であるから7日でさらに割ると・・・)
厚生労働省は前段のように,「週40時間(休日45時間)」が過労死を発生させる因果関係が徐々に強まる「労働時間の負荷」だとみなす立場である。ところが,コンビニ(セブン - イレブン)は,このように店主に対してその倍にもなる一月中の残業時間を強いるほかないフランチャイズの管理というか締めつけ(支配・統制)を確立していた。
〔記事に戻る ↓ 〕
b) 店を回すために夫婦2人で身を粉にして働いても,年収は2人で300万円だった。1人=150万円のワーキングプアだ。
政治に対する三井の問題意識は山本太郎とよく似る。「本当に底辺で働いてる人が割を食ってるのがいまの社会じゃないですか。だけどみんながんばっている。本当に深夜でもなんでも一生懸命働いてますよ。彼らに今選挙のことをいったって期待はしてないんじゃないですかね」。
かたちだけは経営者であるため,コンビニ本部は際限なくオーナーを働かせることができる。「無償で無限大のビジネスシステムに巻きこまれました。こういうやり方が横行しては困る」。三井は眉を吊り上げ,口角泡を飛ばして訴えた。
セブンイレブン本部の非道さを訴える三井に,記者団が「だまされたんですね?」と質問した。三井は間髪入れず「だまされました」と答えた。企業は大儲けするために,働く者を生かさず殺さず状態に置き,搾取のかぎりを尽くす。収奪モデルの頂点にあるのがコンビニだろう。
自民や立憲民主のように,ただ当選すればいいだけの候補者を立てるのではない。山本太郎の選挙は,人間の尊厳を奪う収奪システムとの戦いなのである。(引用終わり)
以上,選挙がらみの話題であった。ちなみに三井義文という人物は,れいわ新選組の解説から紹介するが,まずこのように書かれていた。つづけて,三井のいいぶんも紹介することになる。
銀行を早期退職し,贅沢はできないが定年を考えず長く安心して働けると思って加盟した大手コンビニフランチャイズチェーンの現場は,過酷な労働搾取の世界だった。
事業主として契約したにもかかわらず,売上金は毎日本部に送金させられ1円も手元に残らず,本部からの仕入価格は理不尽に高く,働けど働けど所得は上がらず食べるのにギリギリ,24時間365日の営業はオーナーが倒れても優先させられるものだった。
契約時には説明されていないことがコンビニを始めてからつぎつぎと起こり,本部に改善や説明を求めても,まともな回答はえられず,限界を感じ辞めようとすると多額の損害賠償を請求され辞めたくても辞められない。
まさしく日本のコンビニフランチャイズは,現代の蟹工船。人手不足が加速し,つぎつぎと体調を崩すオーナーたちをこれ以上放置できない。早急に他国には存在し,日本だけがもっていないフランチャイズ規制法を制定し,加盟店が幸せに働ける業界にしたく立ち上がりました。(引用終わり)
c) 三井義文は,「日本のコンビニフランチャイズは,現代の蟹工船」だとまで極論していた。ここに出てきた『蟹工船』とは,小林多喜二が1929年に文芸誌『戦旗』5月号(141-171頁)と6月号(128-157頁で都合,61頁)に執筆した小説であった。
作中の舞台が「蟹工船」であったが,これは「カニを漁獲し,船上で缶詰に加工する工場施設を備えた漁船」を指していた。筋書きは紹介できないが,いうなればこの蟹工船は海上に浮かべられた奴隷工場であった。小林のこの『蟹工船』は,いわゆるプロレタリア文学の代表作とされ,国際的評価も高く,いくつかの言語に翻訳されて出版されている。
さて,セブンイレブンという巨大な流通組織を一から作り上げたカリスマ鈴木敏文は,三井義文の告発をどのように受けとめたか? 鈴木敏文は,こういう経歴をたどってきた人物である。
イトーヨーカ堂創業者の伊藤雅俊に乞われ,31歳で同社に転職してから,1970年代にセブン・イレブンを立ち上げ,両社のトップを兼任し,約40年間グループの長に君臨した。
グループの国内店舗約2万店,売り上げ10兆円強の国内屈指の小売企業に育て上げ,カリスマ経営者として「小売の神様」とまで呼ばれた。だが,創業家伊藤家の代替わりもあり,2016年,みずからが発議した井阪隆一社長更迭案が取締役会で否決されたことを受けて,辞任を表明した。
d) 2019年の売上高・ランキング(中セブン&アイ・ホールディングスは13位であった)
※-4「21世紀初頭に分析されていたセブンイレブンの経営実態-2009年2月7日時点の究明はどうなされていたか?-
1) セブンイレブンという会社とは?
セブン - イレブンの話題に入るまえに,こういう話題を関連させて出しておきたい。
本ブログの「旧・々・々となる以前のブログ」のなかで,年月日は「2008年1月5日」の記述であったが,「経営関係の文献紹介」「トヨタ自動車に関するマスコミ報道」「トヨタの正体あるいは闇」という題名で記述したことがあった。
そこでは,トヨタ自動車を真っ向から分析・批判する本2冊,横田 一・佐高 信『トヨタの正体-マスコミ最大のパトロントヨタの前に赤信号はないのか-』金曜日,2006年6月発行,『週刊金曜日』編集部『トヨタの正体 続-マスコミが書けないエコな企業のエゴな顔-』金曜日,2007年12月発行を紹介してあったた。
どの資本主義国〔ここでは〈先進〉という形容の付く国々〕でも,大企業体制を真正面から批判する作業は,よほどの勇気というか蛮勇みたいな気持・覚悟を必要とする。というのも,その後においては関係者に向けての陰に陽に「なんらかの嫌がらせ・圧力・脅迫」,場合によっては生命さえとられかねない「弾圧・迫害」が起きないともかぎらない。それが,われわれがいま生きている経済社会をめぐる本当の裏幕事情として控えている。
以前,ヨーロッパのある製薬会社において内部を不正を告発した1社員の闘争を描いた本を読んだことがあるが,当人が苦闘する過程で配偶者が心労のため死んだという話をしって,これはとうてい,並の人間にはできない行為だと感じた。それ以外のゴマスリ・追従の輩は五万〔以上五億?〕といるので,こちらについては “言及の余地” などなし。
さて,古川琢也+週刊金曜日取材班『セブン ‐ イレブンの正体』(金曜日,2008年12月10日初版)という書名の本に巻かれた帯には,こう書かれていた。
「年間2兆4000億円〔これは多分2007年度の売り上げであり,前段の記述によると2019年は8兆7912億円〕を売り上げる世界最大のコンビニチェーン・セブン ‐ イレブン。その高収益の『裏側』はタブーで塗り固められ,大メディアで取り上げられることはけっしてない。消費者がしらない“流通の覇者”の実像に迫った」。
目次は,こうなっていた。
ふだんよく利用する「セブンイレブンの正体」についてだが,確かにわれわれは,その内実をほとんどしらない。
本書『セブン ‐ イレブンの正体』の〈はじめに〉には,母親が亡くなったときその「通夜の席を抜け出し」,自店の「深夜勤務に立った」話を紹介されている。本文中にも「『親が死んでも休めないのか?』そんな親類のことばを背に,通夜の会場を抜けだした」という記述があった。これだけ聞いても「おや,これは,いったいどういう会社だ?」との疑問が抱かれて当然である。
前掲の目次をみただけでも,セブンイレブンというコンビニ会社は,どういうコンビニエンス・ストアー(CVS)経営をおこなっているのか,われわれ第3者の立場に居られる者には,興味津々とならざるをえない。
2) セブン - イレブンに関する実話
ここまで書いてみて,ところでインターネットにはどのような記事が出ているのかと思い,早速検索してみた。そのなかにひとつ,こういう記述があった。少し長めになるが,以下に参照しておく。
なお,ここで日付は2001年9月27日(以前におけるそのときの9年前)であったことに注意したい(いまからだと23年も前になるのだが)。改行個所が多い文章なので適宜省略している。文体も統一する工夫もくわえた。もちろん文意にいっさい手は付けていない。誤字も訂正した。
★ 2001年9月27日『コンビニ経営だけはするな』★
a) 昨今ますますその勢力を増し,この不況もどこ吹く風と出店ラッシュがとまる気配もないコンビニ業界。外からみると非常に景気のいい商売にみえるのだが,景気のいいのは本社だけで,その実態は,悲惨なものだ。具体的にいうと,コンビニの本社とフランチャイズの関係というのは,資本家と奴隷というのが適当だろう。つまるところ,契約を楯に強制労働させているわけだ。
さて,コンビニのどこがそのように理不尽なのかというと,すべてである。もちろん,しったうえで契約していたのだから,しかたがないだろう(?)という意見もあるだろう。
しかし,往々にしてFC本部(フランチャイズ本部。以下のこのように記述)はFC店を騙している,しかも違法スレスレのやりかたで。あまつさえ,しってて契約したとしても非人道的な行為が許されるという理由にもならんだろう。実際,連中はいかにFCから金を吸い上げるかしか考えていない。
b) さて,前置きはこのくらいにして,コンビニチェーン本部の悪徳ぶりを検証していこう
☆-1「FCへの勧誘・募集でまず騙す」
FCへの勧誘は,主に酒店を狙っておこなわれることが多いようだ。とくに最近格安量販酒店が増えたので,町の酒屋は苦しい経営を強いられていることが多い。そこを付け狙うわけだ。
また「脱サラしてオーナーに」という広告に引かれる人も多い。いままで会社に使われる身分だったのが,あたかも一国一城の主に慣れるかのように宣伝するわけだ。
ここで,初期投資金額および立地条件からの売上見積もりを出される。何千件も出店しているチェーンなのだから,当然見積もりもそれなりに正確なのだろうと思うかもしれないが,まったく出鱈目な金額を出してくる。
とにかく,本部にとっては開店させてしまえばあとはどうとでもなるので,とにかく甘い条件を目のまえに提示し,開店の方向にもっていく。当然,本契約は開店直前,どうしようもなくなったときに見積もりの数倍の出資金の支払いを迫られることもある。
☆-2「高額なフランチャイズ料」
コンビニのフランチャイズ料をご存知か? フランチャイズ料とは,看板料のようなもので,そのチェーンのコンビニを続けていくかぎり支払わなければならないが,その料金は土地が自分のものかどうかや,さまざまな契約形態によって変わる。
おおむね粗利益の35~55%とられる。ちなみに,人件費・家賃・電気代などの必要経費は,フランチャイズ料をとられた残りからさらに引くことになる。赤字であっても当然引かれる。
☆-3「見積もりにとても届かない売上」
FC本部に利益をごっそりもっていかれたとしても,計画どおり売上を上げれば生活はできる。しかし,滅多にそんな素晴らしいことは起きない。このことについてFC本部に文句をいっても「営業努力が足りないからだ」というが,コンビニの運営方針というのはほぼ本部のいいなりなのに,どれほどの努力ができるのか。
さらに,弁当などの日配商品に関しては,本部は大量に余らすような発注を指導してくる。たくさん余ると赤字なのでオーナーが減らそうとする。すると,本部は文句をいってくる。本部のいいぶんは「チャンスロスを逃す」からだが,利益より大量に余らせてどうするつもりなのやら。
もっと赤字が続くと本部は「人件費を削るためにオーナーがもっと入れ」「家族も入れろ」「廃棄された弁当を食え」と,だんだんその本性を現わしてくる。かくして,オーナーは1日15時間働くのも珍しくなくなる。ちなみに,FC本部は夫婦での加入を強制し,旦那のみの加入はほとんど認めていない。夫婦で働かせたほうが店が長持ちするから・・。(人件費がその分浮く)
☆-4「休めない」
コンビニは基本的に24時間営業なので休めない。オーナーは病気になろうが事故に遭おうが出勤しなければならない。アルバイトが休んでも,誰も助けてくれない。FC本部は,加入時には人手がないときのサポートをするといった口約束をするが,しょせん口約束なので死亡でもしないかぎり,ヘルプなどはしてくれない。
☆-5「恐怖の集金体制」
コンビニでの現金の管理はさらにすさまじい。オーナーには売上金額をもつ権利はなく,売上金額は毎日本部に全額納入しなければいけない。ここから,例のフランチャイズ料などを引いた残りがオーナーに返される。だからもし,店が赤字で,人件費や商品代が払えなくなったとしても,フランチャイズ料だけは絶対にとりはぐれることがない。
☆-6「やめられない」
赤字が続き,ただフランチャイズ料を上納するだけの奴隷店舗になったとしても,けっして廃業することはできない。フランチャイズ加盟時の契約により,契約期間中に廃業すると高額な違約金が発生する。契約期間は通常5年以上,オーナーはみずからの借金を増やしながら,奴隷労働を最低5年続けることになる。
契約が終わったとしても,FC本部に多額の借金が残るので,さらなる奴隷労働が続く。まさに無間地獄といった様相である。死ぬまでFC本部の奴隷としてつながれる運命になってしまう。5年フランチャイズを続ければ1億ほど上納する計算になるが,どれほどが手元に残るというのか?
☆-7「奇跡的に黒字になったとしても」
奇跡的に黒字になったとしても,安心できない。FC本部はオーナーを奴隷化するために新たな手を打ってくる。すなわち,黒字のFC店の近所に直営店を出してくる。オーナーは文句をいうが(いわないほうがおかしい),FC本部は「200メートルはなれていれば大丈夫」「商圏が違う」「相乗効果」という寝言を吐く。
ちなみに,開店までオーナーにはしらされないことが多い。ねじこまれて開店が遅れたら本部が損するからである。FC本部は「オーナーには利益は渡さない」ということなのである。
それを防ぎたかったら,新たに借金をして新しく自分で店を作るしかない。かくして,FC店オーナーは自転車操業となり,借金が増え,FC本部はますます儲かるわけである。
☆-8「コンビに経営したいと考えている人へ:そんなに奴隷になりたいか?」
以上から分かるようにコンビニとは,FC本部のみが儲かるしくみになっている。そしてそれは「FCオーナーの奴隷化」が前提となっている。不満の声を出せる人はいい。泣き寝入りしているオーナーがあまりにも多いのが現状である。
注記)以上,http://sun.dragon.gr.jp/columns/column-20010927.html このリンク先住所は現在削除されている。サイトじたい「全体」が存在しない。
3)『セブン ‐ イレブンの正体』の分析
古川琢也+週刊金曜日取材班『セブン ‐ イレブンの正体』は,以上に説明・暴露されたこの会社の本質的体質を,具体的に追及している。本書から適所を任意に引用する。
「本部は商品廃棄リスクを負わずに加盟店に過剰発注させ,最大の利益をえる」という,企業会計の常識をねじ曲げた,独自の会計制度がそのカラクリがある(7頁)。
「会計学の常軌を逸したもの」である(92頁)。→これは,前段における ☆-3「見積もりにとても届かない売上」に関連した発言のことである。話はつぎにも続く。
「セブン ‐ イレブンの損益計算書」をみると,「売上原価」から「仕入値引高(取引先とのリベート等)」「商品廃棄等(賞味期限切れの弁当等の廃棄ロス)」「棚卸増減(万引き等による消失)」の3項目が差し引かれ,その分「売上総利益(粗利益)」が大きくなっている。
注目したいのは「セブン ‐ イレブン・チャージ」という項目である。自前の店舗を有するばあい,粗利益に対して43%分のチャージが課されるのが一般的である。しかし,自前の店舗をもたない場合,1カ月の売上総利益に対するそのチャージは,最終的には57.8%もの比率となる(14頁)。
これでは「みかけだけ膨れあがった粗利益のせいで,必要以上の『チャージ』を課せられてしまう」(15頁)ことになる。
セブン ‐ イレブンは,フランチャイズ加盟時の契約において,以上のようなカラクリを明記せず,その悪質さにおいてきわだつ。
しかし,セブン ‐ イレブンの〈ロスチャージ〉問題は,会計制度を巧妙に突いたわかりづらさからか,あるいは「巨大広告主」への配慮からか,これまでメディアから不相応に放置されてきた。
だが最近,その悪質さが徐々に明らかになっており,オーナーからの訴訟も起こされている(以上,17頁)。
セブン ‐ イレブンは「人間を犠牲にするシステムで収益を上げてきた。『これで限界だ』という悲鳴が社の内外から聞こえてきている」(48頁)。
そして「これまで,セブン ‐ イレブンのみならず,コンビニエンスストアのオーナーや店長が,24時間営業の過酷な労働条件で働き,過労死者や自殺者が絶えない」だけでなく,さらにいえば「本部社員の労働待遇にはスポットが当てられてこなかった。この本部社員たちの労働待遇も,劣悪を極めている」(50頁)。
直前・上の記述は,前段に引用してあった「 ☆-1~☆-8の説明」にはなかった「本部」の実情に触れている。
「24時間の監視体制」という項目は,ロスチャージ裁判・請求書引き渡し裁判を起こしてきたオーナーにくわえられた「セブン ‐ イレブンの暴力的な社風」を解説している。
あるとき「本部社員は『今日からこの店の出納管理を24時間でおこないます』」「と宣告し,店の経営者である鈴木さんの了解もなく,営業中である店のレジ内に入ると,接客中のアルバイト店員を押しのけ,レジ金庫の売上を抜きとっていった」(56頁)。
この指摘は,前段の☆-5「恐怖の集金体制」が極端なかたちで強要・強行されたものとみてよい。「名前も名のらず,店の駐車場に居座る」(57頁)本社社員もいたとか。
鈴木敏文は,2005年にイトーヨーカ堂との資本関係を整理し,西武百貨店・そごうを合併し,現在はセブン&アイ・ホールディングスの会長を務めている。
労組側,経営側双方の視野をしりつくした彼は,みずからが手がけたセブン ‐ イレブンには労働組合をいっさい作らせないできた。また,系列企業との人事交流をしないことで,現在の得意な社風を創りあげるに至った。
そのせいで,本部社員の待遇は身近に接する店舗オーナーからでさえも,みえづらいものとなっている(60頁)。
「取引先泣かせ」,つまり商品の納入業者に対するセブン ‐ イレブンの経営姿勢は「使い捨てられる取引業者たち」(『セブン ‐ イレブンの正体』5の題名,70頁)という表現によく反映されている。
「利益が出ずに撤退したり,会社そのものが廃業に追いこまれている例も少なくない」(76頁)。
結局「流通業者が力をもちすぎてしまって,ものづくりの現場が大事にされなくなってい」る。「セブン ‐ イレブンの担当者にしても,品物をみずにパソコン上の数字ばかり気にしている」「良い品物を仕入れようという意識を感じません」(78頁)。
ダイエーを1代で形成させそして没落させた中内 㓛がいる。中内は,流通業者の立場から「製造業者の価格決定力」に対抗し,これを凌駕する力をもつための闘争をしてきた。彼の起こした流通業界革命は既成概念を打破し,とくに価格破壊の実行は定価を維持しようとする勢力の圧力にも屈しないことから,世間からの喝采を浴びた。
中内の抱いたが十分に成就しなかったその野望は,現段階に至ってセブン&アイ・ホールディングスや総合小売事業のイオンなどの経営力によって達成されつつある。
補注)いまの2024年の時点からいうとしたら,それらの野望はすでに完全に達成されたといえる。
〔記事に戻る→〕 セブン ‐ イレブン社員による「自腹買い」もあるが,さらに「ヒット商品」を装うための大手メーカー,そして全国の協力会社社員による「自腹買い」もある(78頁)。
また「配送業者が強いられている,想像以上に過酷な現実が浮かび上がってきた」との指摘もある(81頁)。
「全車両に搭載されたGPSによる “監視体制” 」がある(82頁)ため,「46時中監視されながらの運転は,ドライバーにとって『あまりにストレスが大きすぎる』」と指摘されている。
「いかなるばあいも法定速度遵守を強いる端末がある」にもかかわらず,「そもそも端末上で設定された配送コースじたいが,あまりにも無理があるものだ」というのである(83頁)。
「他のコンビニはトラックに荷物を出し入れするさい,少なくともドリンクに関しては電動の『カーゴ』を使用する」。「ところが,セブン ‐ イレブンにあっては,いまだに旧態依然として『手積み,手降ろし』が続けられている。そのせいかセブン ‐ イレブンの配送現場では,腰を痛めて辞めていくドライバーがきわめて多いという話もある」(88頁)。
「セブン ‐ イレブン批判はタブーなのか」。「いっさいの批判を封じこめてきた鈴木敏文氏の『メディア弾圧』行為と,巨額の広告費と流通販路をまえに,自主規制をするメディア。セブン ‐ イレブンには『お客様第1主義』と真っ向から矛盾する閉塞体質」がある(90頁)。
北野弘久(日本大学法学部名誉教授)の執筆に関してだが,2005年7月時点での話として,つぎの2件が注目される。
北野が,セブン ‐ イレブン本部と加盟店の会計処理問題を告発する論文を『週刊エコノミスト』に掲載・公表した。そのさい,セブン ‐ イレブンは,発行元の毎日新聞社に圧力をかけて改竄させるという暴挙を犯した。
また,北野が『週刊新潮』でとりあげた「セブン ‐ イレブン」の記事では,この社名そのものが使えなかった。というのは,セブン ‐ イレブンの店頭から「雑誌が撤去される恐れがある」という理由で,取材した記者が自粛し,「大手コンビニエンスーチェーン」という表記に止めたのである(92-94頁,97-98頁)。
マスコミ業界が必要以上に「コンビニ批判」に怯えてしまうのは,一種の「集団催眠」といえないか。こういうのが,本書『セブン ‐ イレブンの正体』の示した危惧である。
そして「なぜ加盟店オーナーは取材に答えないのか」(106頁)という問題は,「FC本部による言論統制は,加盟店だけの問題ではなく,結果的にも報道をもコントロールしようとする本部の意向の現われではないか」と指摘するのである(108頁)。
ところで,流通論やマーケティングを中心に経営学や経済学を研究する学究が,以上に言及したごとき「セブン ‐ イレブンの正体」を解明したり批判したりする研究業績を蓄積・公表していないのか気になる。
その点に関して本ブログは,自身の専門とする領域から少し外れる話題になっていたので,強い確信をもってそのように断定はできない。寡聞にして,そうした批判意識の旺盛な追究がなされていることをしらないでいる。
本書『セブン ‐ イレブンの正体』は最後に「潜入ュルポ セブン ‐ イレブン弁当向上の内側(古川琢也)」を掲載している。
古川が実体験したこの弁当工場では「休憩はないからね」と釘を刺されての仕事となり,「仕分け作業で七転八倒」させられた。また,弁当の「廃棄ロス」の出発点も実見できた。さらに「出稼ぎ外国人」による「過酷な労働」にも接しえた。
本書の取材をとおして「現役,元職を問わず多くのセブン ‐ イレブンのオーナーとしりあったが,そのひとりである元オーナー」は,「セブン ‐ イレブンなんて会社は,いずれこの世からなくなるよ」といった。
1消費者の視点からすると,これだけ日本人の生活に根づいた会社が消滅するというのは,とても考えにくい。だが考えてみればたしかに,セブン ‐ イレブンほど巨大でありながら,実際はなにもしていない会社というのも他にない。
店舗経営はオーナーに押しつけ,配送業務も外注。売っている商品にしても,わらべや日洋のようなメーカーに作らせたものを,さらに自社製品のようにみせているに過ぎない。
店舗やトラックをみれば,もれなくあのロゴマークが付いているせいで,われわれはつい「セブン ‐ イレブン」という巨大な総合企業があるかのように錯覚してしまう。しかし,それらはそれぞれ別の独立した会社が「イメージ統一」のために付けさせられているだけである。
それでは「セブン ‐ イレブン本社」がなにをしているのかといえば,控えめにいってもコンサルタント業務をしているに過ぎない。元オーナーも「ロスチャージ,そして恐らくはピンハネ。この二つがなかったら,コンビニ本部はあんな巨利をえることはそもそもできないはず」と指摘する。
小売業界にひとつの「伝説」を打ちたてたセブン ‐ イレブン。だが,その土台に目を遣れば実は驚くほど脆い(以上,122-123頁)。
--いまから30年も以前に公刊された著作,川辺信雄『セブン ‐ イレブン』有斐閣,1994年が筆者の手元にある。この著作には,セブン ‐ イレブンの成功譚に終始する論究である嫌いが感じられた。
「日本における新しい業態として発足したセブン ‐ イレブンの経営システムはどのようなものであったのか。その内容を具体的にみてみよう」(同書,176頁)という問題設定は,いまあらためて,その根源から再究明されるべき時期になっている。
いまや,セブン ‐ イレブンの《大成長》を踏まえた批判的解明が要請されている。とくに,経営学研究に従事している学究が「大企業をヨイショする」ような研究しか展開できない状況が現実だとしたら,これほど頼りにならない学的世界はない。
はたして,セブン ‐ イレブンが獲得している利益(利潤)は,どこに源泉するのか?
商品を提供する企業も,その販売を担当するFC店オーナーも,本社からはその「搾取の対象」にされるほかない〈主従のごとき関係〉に置かれている。
そのなかで,前者は大量購入をする側の立場の威力によって 注記),後者はコンサル業務を媒介にすることでそれぞれ不当に,付加価値(剰余価値)を中抜き的に奪取〔横取り〕されているわけである。
まさに,生かさず殺さず,である。
注記)つまり,「コンビニの一番の『顧客』は『フランチャイズ・オーナー』」だと指摘された点は,けだし名言である。
しょせん,セブン ‐ イレブンもコンビニ業会社として利潤追求の経済制度のひとつである。利益獲得のためには手段を選ばぬことは,資本主義精神として「情・理(理念と利害状況)の基本的な必然」である。そこに適正利潤の概念は不在である。
流通小売業コンビニ業界にとって〈企業倫理〉は,なきものに等しい。〈企業統治〉も本部にとっては,いささか存在意義はあるものの,FC店オーナーにとってのそれは,「飴抜きの皮:鞭だけのまんじゅう」みたいに非常にしがなくもただ辛いものである。
【参考記事】-本日,2024年11月27日『日本経済新聞』朝刊から-
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【本記述の続編】
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