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大学教育「小話」(2)

  ※-1 21世紀において生成した大学生の生態:そのひとつの現象風な出来事

  ◆ 授業に出ないで,なにをしに大学へ? ◆

 ある週のある授業であった〔その名称は「経営○○論」という科目〕,その日の講義に備えていつも事前に配付する資料を,授業開始前から教卓の下に並べておき,学生たち各自にもっていってもらった。

 ところが早速にだったが,この日も,この先生の目を避けるかのようにして,そういうやり方で配付する資料だけを受けとったらただちに,教室から出ていく学生が(逃亡する者)いた。

 毎週必らずこの種の学生の行為がなされつづけていた。度重なる学生の「そうした不埒な行為」に対してはこの教員,相当にご立腹である。

 さて,その日はこの先生,自分も教室から飛びだしていき,教室から出ていったその学生を「トッ捕まえ」「配付資料を返却させ・奪回した」

 さすがにその学生,「まさかそのような行為に先生が出る」とは,夢にも考えていなかっだろう,「キョトンとした目つき」で「降参!」という印象だったが,すなおにその奪還作戦に応じていた。

 しかし,授業に出ないでその代わりなにをしたいのか,よくはしらない。けれども,いったいどういう気持で前段のような行動をするのか,いまだによく理解できないでいる。
 

 ※-2 出席をとらないと授業に出ないとか出るとか……

 出席をとらないといまどきの大学生,どの授業もそうなのだが,出席率が10~20%にしかならない。高い授業料を誰に払ってもらっているのか? 当然,この文章を書いている当人は思う。自分の子ども2人も大学にいかせたら,その点は痛切に感じる金銭の問題である。

 学生に向かい時々いうのは,毎年度「納入した授業料」を受講する「授業数×この回数」の「答え」で「割り算してみなさい」ということであった。

 アルバイトをやって時間給を,いくら受けとることができるのか? 自分の小遣いを増やしたいとか,なにかを買いたくてやるアルバイトは,1時間働いて2024年4月時点の全国(都道府県)平均だと1247円。

 大学生というのはどちらかと,いうまでもなく,大都市圏に立地する大学がに在籍している場合が多い。前段の時間給は,こちらの地域だと1300円代という水準を超えており,少し高めである。とはいっても,時間給で2000円(以上)だというバイトの種類は通常では,専門職的な仕事ではないゆえ,ありえない。

 このアルバイト(労働:Arbeit)はけっして休まない「学生諸君」が,授業は平気で欠席する。どう考えても「親が気の毒」! むろん学費を稼ぐためにバイトで働く学生もたくさんいる。

 だが,将来,学生である自分たちが親の世代になったとき,そして,子どもが大学へ通うようになってから,こんどは,息子や娘が以上に描写したようなキャンパス・ライフを過ごしていることをしったら,いったいどのように感じるか?
 

 ※-3「後悔先に立たず」だから,さきのことなど分からないよで,済まされる話か? 

 昨今の大学生まずは,人生の進路として「後悔しないように」という動機があって,大卒の資格がほしくて大学に来たことに違いない。戦前にいわれた「天ぷら学生」--これは,自分の職業:身分を偽って「学生」と称することで,その意味は,昔は大学への進学率は低く,つまりそれなりに尊重されていたゆえ,自分のことを「学生」だとウソをつく者を「天ぷらの衣」にたとえて指していったことば--ではない時代に生きているにけれども,まったくその中身(具)にさえなりえない「学部生活4年間」を過ごす者が多い。
 
 いいかえると,いまの大学の大学生は,天ぷらにたとえていえば「具材も衣も」ともに「なってない・できていない」,だから,天ぷらとは似ても似つかぬ「肩書き」だけの「実質,カラッポの大卒資格」をもらって社会にデビューする者が多い。

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