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ジェンダーギャップ問題,LBGTQの基礎的な理解をしない連中が成立させた「LGBT理解増進法」は時代錯誤かつ頑迷固陋

 ※-1 自民党政府と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)との「政教・未分離」としての「異常なる親密さ」

 統一教会的に洗脳された自民党政権側の「LGBTの人びと」に対する全般的な人間差別は,ネトウヨ風極右オバサンの櫻井よしこもその「差別的な無理解」を堅持しているとおりであって,まさに昨今の,LGBTをめぐる日本国内のとても恥ずかしい風景,つまり「完全に後進国風の政治姿勢」を剥き出しにしたままである。
 付記)冒頭の画像は櫻井よしこオフィシャルサイトから借りた。

 自民党政府のみっともないその異質的な他者に対する差別的な精神状態は,昨今は,すでに世界の流れになっており,自国社会においても確かな流れになっているLGBT問題の本質が,全然理解できていない。というか,理解しようとする基本的な姿勢が,当初から完全に欠落していた。

 なお,本稿は2023年2月10日に初出されていたが,その後において,このLGBTQ問題の「日本特殊的な無理解状況」が,地球的な視野に立ってみなおすとしたら,いかに赤恥・青恥であるかという事実にすら,「彼ら・彼女ら」が完全に無知である事実が,ここに至り急速により鮮明にならざるをえなかった。

 2022年7月8日,「統一教会・2世」の山上徹也に銃殺された安倍晋三が,統一教会とのただならぬ近しい関係:付き合いがあった事実は,日本の政治に対して「韓国発の統一教会」というオカルト宗教が,いかほど日本社会のなかによからぬ影響を与えたかを,それこそ一気にかつあらためてだが,暴露させる契機になっていた。

 「統一教会の教祖:文 鮮明」的に洗脳されてきた議員を多く抱えている自民党政権は,「LGBTの人びと」を嫌い,人間として差別する立場を当然視し,その19世紀風の「後進国としての政治姿勢」をかたくなに守っている。

 日本は,先進国のなかではめだって,LGBTに対する政治的な寛容精神を欠落させており,いまだに,まともに反省したうえで軌道修正する本気度がない。
 

 ※-2 LGBT理解が遅滞している自国の事実をなんとも感じておらず,むしろその理解を阻止してきた自民党政権のみごとなまでの時代錯誤・反動思想

 a) 2023年2月初旬であったが,LGBTの人びとに対する「G7」各国の法制・整備について,つぎのごとき図表が,あるSNS局の記事のなかに示されていた。

 本日はこの図表をもち出すとともに,人間が生来からもっているこのLGBTの感性・精神のあり方については,人間が男女を問わずどのように相手方を好きになるかに関した教本的な案内文『多様な性のあり方』も,地方自治体が作成していたので,つづけて参照しておきたい。

LGBTの理解がひどく遅れている日本
 
2020年時点で啓蒙する文章から

 b) さて,2023年6月16日,性的マイノリティーに対する理解を広めるための「LGBT理解増進法」が国会で成立し,23日に施行されていた。保守派への配慮から,「すべての国民が安心して生活できるよう留意する」との内容が盛りこまれた。

 しかし,その留意点に対して,当事者や支援団体からきびしい批判の声も上がっていた。というのは,LGBT(Q)の当事者ではなく,その保守派=反対派に特有であった『頑迷固陋なLGBT「感」』にさんざんに歪曲されたすえ,中途半端の内容として審議され成立したのが,この法案であったからである

 そもそも「理解増進」という文句で,いったいどこの誰になにを求めるのかといえば,その前提となる問題の焦点には,その頑迷固陋派の「無理解」が控えていた。それゆえ,その連中にかぎっての話となるが,最初から「不可能を可能だと思わせておきたい」だけの,たいそう「未熟でかつ反動性を隠しをもたせた法律」が用意されたわけである。

 c) 今日(2023年6月26日)から5ヵ月近く前の2月9日に放送されたネット局『デモクラシータイムス』の番組は,「緊急特集 ////// 岸田差別政権 辛淑玉 × 北丸雄二 【マイノリティ・リポート】」という内容を放送していた。

 岸田文雄の差別発言とは,2月1日の衆院予算委員会において,同性婚の法制化をめぐる答弁で「きわめて慎重に検討すべき課題」として,「家族観や価値観,社会が変わってしまう課題だからこそ,社会全体の雰囲気にしっかり思いをめぐらせたうえで判断することが大事」などと発言した点を指している。

 岸田文雄のその発言の真意は,首相秘書官が間を置いてあらためて語っていた。その2日後の2月3日夜,毎日新聞が暴露した事実となったが,荒井勝喜・首相秘書官が首相官邸のオフレコ前提の取材のさい,

 LGBTの存在は「社会に与える影響が大きい。マイナスだ。秘書官室もみんな反対する」などと発言し,「人権や価値観は尊重するが,同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」との趣旨の言及までしていた。

 補注)このうち「同性婚を認めたら国を捨てる人が出てくる」という発言(趣旨)は,噴飯ものの発想である。後段で関連する記述が出てくるが,その反対の事実ならばある点が,全然みえていない。というよりも,もともと「みたことも聞いたこともないはず」なのに,そのように無根拠で当てずっぽうな発言を吐いていた。

 前掲したG7のうちなぜ,日本だけがLGBTの人びとに対して,それこそまったく無理解・不寛容の方針や立場を採っているのか。この点についてこの国の場合は,むしろ不思議なくらいに鈍感であり,当然に対策も遅れているというよりは,以前から取り残されていた。

 d) しかし,現状の自民党政権は,安倍晋三が死んでから一挙に露呈される事実となっていたけれども,日本国内の保守・極右的な宗教団体である日本会議や神道政治連盟,神社本庁などの影響や利害の関係,そしてなによりも,統一教会のエセ宗教のマヤカシ教義にも毒された「LGBTの無理解・曲解」が根強く浸透していた事実のほうが,いっそう深刻な反社会問題として抱えていた。

 だから,岸田文雄が「同性婚で『社会が変わってしまう』」と自分が発言した事実について,直後の弁解として「ネガティブな発言のつもりない」といったところで,その真意はいったいどこにあるのかなどと問う前に,彼自身がそもそも「LGBT」の存在じたいをよく認知も理解もできていなかっいまま,軽率に発言してきた事情が露呈されていた。

 ともかく,いつもアイマイに「検討使」である立場しか発言しない岸田文雄であった。しかし今回は,荒井勝喜秘書官の発言に対する世論からの「批判」を受けて即座に,この秘書官の「LGBT差別発言」を撤回・謝罪させたうえで,更迭した。

 こうした経緯は,日本の首相岸田文雄によるLGBTの問題理解が,実は一知半解「以前」の段階にあり,いってみれば,無知同然でカラッポの認識水準にあった点を暴露させた。

いつまでもぐずぐずとLGBTを差別していきたい日本の国会
 不当な差別というのは同義反復である
「バカな阿呆だ」ないしは「アホな馬鹿だ」というのと同じ表記
 「差別」というものは「もともと,そもそも不当」なのである

 e) 実際,自民党政権は,LGBTの問題を日本社会のなかでより深く認識してもらい,関連して発生するおそれのある差別を防止・撤廃するための対策を,法制面で整備する努力を懈怠してきた。党内ではその防止・撤廃に向けての努力がなされていなかったいわけではない。ところが,それを妨害する党内の勢力のほうが優勢であった。

 だからか,つぎの※-3に挙げていく「いくつかの記述」を参照しただけで簡単に分かる事実は,あらためて「ああ,日本はよほどLGBTの人びとを毛嫌いする国だ」とみなされてしまうことである。しかし,LGBTの問題は,好き嫌いの次元で捕捉すべき人間社会の現実問題ではなかった。

 われわれの社会のなかには実際に,LGBTである彼ら・彼女らがいくらでも実在している。その人たちは,この社会を不可欠に構成している有機的な存在である観点から,そのありのままに認知することから始めなければならない。

【参考記事】-『日刊ゲンダイ』から紹介-

 

 ※-3 2018年からの関連するいくつかの記述

 1)「LGBT後進国? 日本の現状と問題点」『10M TV』2018.10.08,https://10mtv.jp/pc/column/article.php?column_article_id=2004

 この記事は内容を直接参照しないが,日本が5年前の2018年という時点でなぜ,LGBTの理解が後進国だと評価されたのかという点に注目したい。

  この 1) とは別の資料のなかからとなるが,つぎのことをしっておいてもいいはずである。

 LGBT差別を法律で禁止し,LGBTの人びとの平等な権利を確保することは,LGBTの人たちが置かれた状況を改善するために不可欠である。日本はこの分野で遅れており,雇用で性的指向にもとづく差別をすることが明示的に禁じられておらず,同性婚も法制化されていない。

 たとえばアメリカでは,同姓婚の政策により,性的自認がゲイ,レズビアン,バイセクシュアルである思春期の自殺未遂が15%近く減少した。

 注記)「SOCIETY at a Glance 2019,A Spotlight on LGBT-他国と比べた日本の状況は」『OECD』Embargo 27th March 2019,https://www.oecd.org/japan/sag2019-japan-jp.pdf

 日本もアメリカと同様の問題が潜伏させられていると観るのが,ごく妥当な解釈である。だが,日本の自民党政権は差別という用語を,関連する法律を作ってもそのなかに入れさせないようにがんばっている。

 実際,2023年6月16日に国会で成立した「LGBT理解増進法」は,LGBT問題をめぐり「不当な差別」という表現を創ってもちこみ,「差別には妥当(合法)と不当(違法)な2種類がある」みたいに,つまり日本語の初歩的な理解をほうをさきに「増進させてくれ」と要求を突きつけておくべき「御仁」が,国会の政権側の議員たちには大勢いる。    

 2)「〈河合  薫の「社会を蝕む “ジジイの壁” 」〉なぜLGBT後進国ではダメなのか 『国つぶれる』発言を覆す “伝説のスピーチ”」『ITMediaビジネス ONLiNE』2019年01月11日 07時00分,https://www.itmedia.co.jp/business/articles/1901/11/news016.html

  この河合 薫の記述からは,つぎの段落を引いておきたい。

  a) そもそも少子化問題でLGBTに触れる必要性が私にはまったく理解できません。なぜ,子どもをもった夫婦が2人目を産まないのか? そのことを考えることこそが,政治家のお役目ではないでしょうか。

 補注)その前にいまの日本社会は,晩婚化・非婚化・未婚化のせいもあって「無子化なることば」まで登場する社会状況になってもいる。LGBTの問題を少子化に牽強付会するヒマなどある政治家(政治屋?)は,婚活法案でも創案・提出したらどうか?(これは実はかなりくだらない提案になるのだが) もちろん,統一教会式の合同結婚は絶対に真似してはいけないが。

   b) 敗戦後「GHQの介入により日本国憲法が制定されるまで,結婚は男女の合意にくわえ『家=父親』の合意が必要でした」。

 補注)こんなこと,つまり「オヤジの同意が息子・娘の結婚」には必要だった戦前・戦中の話を聞いたら,いまどきだと吹き出す人がいるかもしれない。しかし,いまどきはそのような話題からして「湧きにくくなっている時代」である。いまでは,そうした状況・事態が示唆する現実の問題のほうがより深刻。

   c) 自分と違う価値観をもつ人を受け入れることは,むずかしいかもしれない。それでもなんとかして,すべての人が幸せになれる可能性を求め,「同性カップルの権利」を尊重しようと世界は動いている。

 一方,日本ではLGBTという言葉こそ市民権をえましたが,「選択的夫婦別姓」でさえ,「家族の一体感が薄れる。バラバラになる」「子どもがかわいそう」などと反対意見が絶えません。完全なる「LGBT後進国」です。

 補注)この「選択的夫婦別姓」でさえ,⇒「家族の一体感が薄れる。バラバラになる」「子どもがかわいそう」というのは,俗論もはなはだしい。家族の一体感をもたない家族は,別姓の夫婦でなくとも,ゴマンといる。家族=一体感」といった〈絶対感的の家・家族観理想視〉は,まさに現実から遊離した,単なる観念論の影絵であった。

   d) LGBTの問題も,根っこは同じだと思うのです。「もちろん自分とは違う人を好きになれないのは分かります。でも,なぜ反対する人がいるのか分かりません」という名言のとおり,「自分と違う人」を良いとか悪いとかではなく,ただただありのままを受け入れることが成熟した社会であり,あいまいさを許容することが成熟した大人であり,自分と違う人を尊重することが「生きやすさ」になっているのではないでしょうか。

 3) 松本健太郎「欧米よりLGBT比率が高いかもしれない日本 一方で法的整備に遅れ」『日経ビジネス』2020.11.26,https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00067/112000042/

 この松本健太郎の記述については,前段にかかげた図解も思いだして読みたい。

   a) 日本では,冒頭に紹介したように,電通ダイバーシティ・ラボが6万人を対象にした「LGBT調査2018」をまとめています。それによると,LGBTとして自認している20~59歳の割合は,およそ 8.9%となっています。

 あくまで推定ですが,人口に換算すると約550万人いる計算になります。これは,名字としてもっとも多い佐藤(約190万人)や鈴木(約180万人),高橋(約140万人)の合算より多いのです。

   b) 〔アメリカの話題〕同性カップルのうち(養子縁組による)子育てに取り組んでいるカップルの割合が州ごとに掲載されています。多い州では全体の約4分の1にもなります。

  〔関連しての話題となるが〕同性カップルによる育児への強い偏見の声がいくつも出てきます。とくに「子供の福祉」の観点で重大な疑義をもつ人がいるようです。(引用終わり)

 こういったことを(前段の「偏見の声」のように)いいはる人の「偏見(意見)」をさらに敷衍させていうと,それだとシングルマザー(単身母親)の場合,「子育てにまずいことがある,というのは父親不在だ」からという「説得力のない」意見が出てくる。いまどきシングルマザーに育てられ大人になった人たちは,大勢いる。昔からでも数多くいなかったわけではない。

 となれば単身父親の場合だと,こんどは「男性の片親」だからもっとまずいのだとまで,いいそうである。こんなことをいつまでも,とりとめもなくいいはっていたら,世の中にいろいろかたちで存在する家族の生活のそれぞれが,いっさいなにもまわらなくなる。

 現に存在する彼女ら・彼らに面と向かってそのように失礼な文句,「両親が父と母の構成ではない」から「どうだ・こうだ」と特別視した目線を向けるのは,問題がありすぎる。それこそ目のつけどころが悪い。

 ここまで話が進むと,同姓カップルの場合は「両親」で「ともかく2人,親が居る」のだから,それはそれですごくいいじゃないかという観方もできなくはない。男女の両親であっても夫婦不仲じゃ子育てはうまくいくまい。そうした実例はゴマンどころか,それこそワンサとある。

 このあたりにまで考えを勧めて判断もする議論が必要であったが,ありもしない現実のうえのにさらに空中楼閣に住んでいる気分のまま発言する「世間しらず」の御仁が,まだまだ大勢いる。

 4) 猪瀬 聖・ジャーナリスト / 翻訳家「男女格差だけじゃない LGBTランキングでも世界の下位に沈む日本の将来」『YAHOO!JAPAN ニュース』2021/2/26 (金) 19:31,https://news.yahoo.co.jp/byline/inosehijiri/20210226-00224697

 〔2020年に開催予定であったがコロナ禍の影響で2021年に延期された〕東京五輪・パラリンピック組織委員会会長の女性蔑視発言のおかげで,女性の人権に関する日本の後進ぶりがあらためて世界中にしれわたるところとなった。

 が,実は,東京五輪の理念である「多様性」の象徴,LGBTの人権に関しても,日本は先進国の中で断トツの最下位だ。このままだと,またぞろ “重鎮” の失言などをきっかけに,日本が世界から不名誉な注目を浴びかねない。

 【同性婚訴訟を傍聴する切実な若者たち】(←この項目は引用を中略)

 ◆-1 先進国のなかでは日本だけ

 生まれつき,同性しか好きになれなかったり,体は女性でも心は男性といった心と体の性が一致しなかったりという理由だけで,人と同じように幸せになる権利を合法的に奪われるのは,先進国のなかでは日本だけだ。

 たまたま女性に生まれたという理由だけで,社会のなかで極端に不利な扱いを受けたり,キャリアが閉ざされたりするのも,先進国のなかではやはり日本だけ。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森 喜朗会長(当時)の女性蔑視発言が報じられたさい,発言は個人の失言ではなく,日本の社会を映し出したものだとするメディアの報道が,海外メディアも含めて目立った。

 その証拠として繰り返し引用されたのが,2021年「日本は,世界経済フォーラムのジェンダーギャップ(男女格差)指数ランキングで,世界 153カ国中 121位」というデータであった。
 
 補注)ところが,2023年6月下旬に報道されたそのジェンダーギャップ,日本は2022年に若干もちなおし,順位を116位上げていたが,2023年はかなり下げてしまい,125位であった。ブログ内で数日前に引用した画像資料のいくつかを,再度,連ねて挙げておく。

G7のなかではみっともないほど下位
とくに政治と経済の舞台で男女差別が強い国:日本
調査対象国は146国だから日本は男女差別がはげしい

 世界銀行が経済的な権利をめぐる男女格差に関する年次報告書を公表したが(ここでは2021年2月の記述であるから,2020年に関した話題となる),日本は190カ国・地域中,80位で前年の74位から6つ後退した。順位が低い大きな理由は,男女の賃金格差や職場でのハラスメントに甘い日本の法制度だ。

 日本が獲得した点は前年と同じだったが,他国の得点が増えたため,相対的に順位が下がったという。ちなみに日本と同じ80位には,コロンビア,ベトナム,バハマ,タンザニア,ザンビアがいる。

 補注)なお年度が前後に順逆した話となるが,2022年最新ジェンダーギャップ指数は前段に指摘したとおり,116位に上昇していた。だが,この上下の順位には発展途上(後進)国が層をなして重なり並んでいる。

 ◆-2 OECD国のなかでワースト2位

 同様の傾向は,LGBTランキングにもあらわれている。

 LGBTが社会にどれくらい受け入れられているかを調べた米カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)法科大学院のランキングによると,日本の順位は,2014-2017年時点では 174カ国中 66位。2009-2013年時点の45位から大きく下げた。

 男女格差のランキングに比べると多少健闘しているようにもみえるが,下位にはイスラム教国など同性愛を死刑や禁固刑の対象としている国が並んでおり,それを考慮すれば,順位が高いとはまったくいえない。

 経済協力開発機構(OECD)が昨年公表した,加盟各国のLGBTに関する法制度の整備状況に関する報告書でも,日本はOECD35カ国中,トルコに次ぐワースト2位の34位となっている。

 LGBT差別の象徴が,同性婚を認めない国の法律だ。同性婚を法律や判例で認める国は世界で急速に増えており,同性婚やそれに準ずるパートナーシップ制度が国レベルで整備されていないのは,主要7カ国(G7)のなかでは日本だけだ。

 ◆-3 差は開くばかり

 米国では,連邦議会下院が〔2021年2月〕25日,LGBTに対する差別を禁止する法案を,民主党の賛成多数で可決した。人種や性別,宗教などに基づく差別を禁止した1964年公民権法に性的指向や性自認にもとづく差別の禁止をくわえるもので,米メディアは「歴史的」と大きく報じた。

 民主党と共和党の議席数が拮抗している上院で可決されるかどうかは不透明な情勢だが,政治の動きをみるかぎり,LGBTの人権をめぐる日本と海外の差は開くばかりだ。

 日本国内では,女性やLGBTが,働きやすい職場を求めて差別の少ない外資系企業に就職したり転職したりする例が以前から多い。少子化が進むなか,優秀な人材を外資系にとられることに危機感を抱いている日本企業は,大手を中心に女性やLGBTに対する支援策に力を入れはじめているが,法的な裏づけが伴わない私企業の施策には限界もある。

 最近は,キャリアとプライベート両方の幸せを求めて海外に移住するLGBTやシングルマザーも出始めている。このままでは,日本のランキングはしばらく下がりつづけることになるかもしれない。(引用終わり)

 ※-4 日本の反動・極右マドンナ・オバサン櫻井よしこが岸田文雄といしょに飯を食ったとかで

 「この結婚もしないで子どもも儲けない」という点でいったら,つまり杉田水脈(すぎた・みお)の語り口に倣っていうことにしたら,「生産性のないまま,つまらない独身を通してきたこの櫻井よしこ」殿に,まさかこの国の運営などご指南を受けている首相がいるようでは,世も末(?)。      
 安倍晋三の第2次政権に対して,この櫻井よしこが関係してきた「日本国にとってよからぬ相関関係的に重要であった悪影響」は,原発の再稼働を強力に主張してきたこの女史の立場から伝授されていた,と観察してもよい。

 そしてまさか,岸田文雄もこの櫻井から教えを受けたわけであるまいに,「原発の新増設」まで請け負っていたとなれば,櫻井から観たこの首相は, “正体がない総理大臣であって” も,ともかくイイ男である事情(人物評価)に変わりはあるまい。

   「安倍晋三:亡国の首相」⇔「岸田文雄:滅国の首相」
       ⇔「櫻井よしこ:壊国の孤女」

 ところで,櫻井よしこオバサンなりのLGBT観はどうなっていたか? ところが,それがまったきにアウトであった。『産経新聞』が2021年6月中に,後段に引用する報道をしていた。

 「自民左傾化」という文句が泣かせる。というのは,いまの自民党に左側に入れるドアなどなしゆえ。そして,櫻井よしこのLGBTの人びとに対する認識は,醜怪のきわみかつ老害の破滅的な様相。

 以下にその『産経新聞』記事を全文引用するが,本日における〈この記述〉の含意に即していえば,櫻井よしこに対しては『人権問題理解に対する反動形成者』という悪名を進呈しておくほかない。

 LGBTの問題をその存在からして全面的に認知したくない櫻井よしこの「人生観・世界観」は,この問題の歴史や本質,課題などとは完全に縁遠い「自説の立場」を誇示させてきたが,はたしてその実体は「分からず屋の反動・極右オバサンの単なる戯れ言」に収束していた事実を教えている。

 自民党の左傾化など聞いた試しがなかったが,2020年代になってつぎのような狂言に近い,被害妄想を想像させるような発言を,この櫻井よしこ女史は放っていた。

    ◆〈美しき勁き国へ 櫻井よしこ〉自民左傾化 危うい兆候 ◆
 =『産経新聞』2021/6/7 09:00,https://www.sankei.com/article/20210607-MHGR3GRQ5FMHZGDKH4OACWSWPA/

 自民党よ,左傾化し保守の価値観から遠ざかるのか。少なくとも2つの案件が危険な兆候を示している。同性愛者など性的少数者(LGBT)への理解増進を図る法案と,中国共産党政府による重大人権侵害への国会非難決議だ。

 LGBT法案では,もともと自民党は「性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法案」を作成していた。しかし,稲田朋美前幹事長代行が党の「性的指向・性自認に関する特命委員会」の委員長に就任したころから自民党案の医学用語としての「性同一性」が「性自認」に変わり,自民党案になかった「差別は許されない」が入った。

 稲田氏らが野党との交渉でまとめた「合意案」は「性的指向および性自認を理由とする差別は許されない」と謳(うた)う。他方,右の箇所に該当する自民党案は「性的指向および性同一性の多様性を受け入れる精神の涵養(かんよう)」「寛容な社会の実現」と穏当な内容だ。

 合意案は抽象的に「差別は許されない」とするのに対し,自民党案は多様性受入れの寛容な社会を謳っており,両案は根本的に異なる。

 また合意案は当事者が自分の姓をどう認識するかの「姓自認」を重視するが,これは第三者の検証が及ばない事柄だ。検証不可能な事柄について,差別の定義を欠いたまま「差別は許されない」とし,法律違反の非難が発せられるのだ。

 補注)前段で指摘したが,それならば「不当な差別」という文言も「検証不可能」である。しかし,だから,この用語が「LBGT理解増進法」内において,どのような法的な力を発揮しるかはおのずとしれている。

補注

 民主党政権下で成立しかけた人権擁護法案と本質的に変わらない。「被害者」が「差別」されたと感ずれば差別は認定され,「許されない」,つまり非難される。現に野田聖子幹事長代行は〔2021年〕5月24日,「本人たちが差別だと感ずることについては差別だ」と述べたが,これは言論弾圧,報道の自由への抑圧につながるのは明らかだ。

 補注)この「本人たちが差別だと感ずることについては差別だ」という発言はものすごく傲慢な解釈である。ひっくりかえしていうと,こうなる。

 すなわち,「私(櫻井)たちが差別だと感じないことについては差別ではない」というヘリクツになるからで,理の必然としてつぎは,「『LGBTの人びと』の存在を認知せず排斥することも差別ではない」と。

 だが,これこそが「人間のもって生まれた属性・個性」をハナから認めない「差別の典型」となる。櫻井よしこ自身が,この差別のための観念論は「言論弾圧,報道の自由への抑圧につながるのは明らかだ」と抗弁しているけれども,天に唾した言辞である。「その口でよくいうな……」であった。

補注

 〔記事に戻る→〕 私も将来を期待する稲田氏は,なぜ変身したのか? 『実子誘拐ビジネスの闇』(池田良子著,飛鳥新社)が謎解きの端緒となるだろう。

 極左の運動家が首相官邸や保守政治家に深く食いこんでいるとの指摘がある。左翼運動家が同じ政策目標に向かって協力する同志として接近を試みる例として自民党の森 雅子前法相,野田氏,木村弥生党副幹事長らの名前がある。

 自民党がいまだに中国非難を国会決議できないでいることに触れる紙面の余裕がなくなったが,自民党左傾化の背後に公明党や立憲民主党,国連NGO,日弁連などの強い影響がみてとれることは強調しておく。

 目前の選挙を心配して公明党に過剰な配慮をし,全会一致の国会の悪しき慣例に縛られて野党にものを言えず,保守の保守たる立場を失うとしたら,それは大いなる間違いだ。

 日本の価値観の神髄を守りながら新しい時代のより良い価値観を受入れていくのが保守である。根幹はしっかりと維持するものなのだ。それを忘れての左傾化ならば保守層の自民党への支持は着実に消えていくだろう。

 (以上,令和3〔2021〕年6月7日 『産経新聞』から)

  さて,いまの自民党は保守ではなく,まっとうな保守といえるだけの本体:中身がなかった。くわえて「日本の価値観の神髄」とは,いったいなにか? その「根幹」とはどこにあったといえるのか?

 しょせん,こちらもことばのお遊び。『産経新聞』もヒドイ記事しか書かない。まるでやはり『三K新聞』であった。

 櫻井よしこが仲良しだった安倍晋三とこの一族郎党は,文 鮮明の統一教会(現・世界平和統一家庭連合)とはツーカーのなかであった。それも国際勝共連合という政治思想連帯を介して親しかった。

 ここでつぎの関連する図表を入れておきたい。

まず「隗より始めよ」という具合に
「論より証拠」が求められる日本

 自民党の立場・イデオロギーに対する統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の連携関係でみたら,そこには「日本の価値観」などが具体的に形成されているスキマ事情など,本当の実体はなにもなかった。仮に,なにかがあったといっても,それは消し炭のごときにかぼそいソレであった。

 櫻井よしこは「政治の左が,右が」と区別し,一方を嫌疑する観点から,しばしば息巻いて激論してきた。ところが,その議論の実体はまるで,日本「極右」界隈に居直った政治ゴロ屋的な,それもコウモリごとき存在であったに過ぎない。

 「LGBTの人びと」の存在は,彼女の脳細胞に隠されている関門を通過できない「永遠の未知」たりうるに違いない。

 「G7並み」に彼らの存在を認めない日本が,今後にもつづくようだと,この国は「人権後進国」として国際的地位を,未来に向けてもより確固たるものに仕上げていくだけである。

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