2010年代アベノミクスとアベノポリティックスに関する小考-日本を「衰退途上国」にした亡国首相の具体例など-
※-1 前論-森 喜朗という亡霊がいまだに徘徊している-
森 喜朗は2023年11月時点になっても,自分がまだキングメーカー(陰の実力者ぶり)であるつもりでいる。昨年の7月8日に統一教会「宗教2世:山上徹也」に狙撃され死亡した安倍晋三が率いていた,自民党内「安倍派(首相時は細田派)」の後継者となるつぎの頭目を,森は自分の思いどおりに指名したいと画策している(が,思いどおりにはならない?)。
だが,この自民党内最大派閥にあってはいまだに,ろくでもなく「小粒も小粒でしかない」陣笠的議員,観方によっては,ゴロツキ同然にも映るチンピラ議員以外には,まともみえるその後継ぎ候補がいない。
安倍晋三の存在を思いおこせばなぜ,この旧安倍派が派閥として最大規模を誇りながら,その数を誇る以外になにも「一般大衆社会に向けられる〈政治的な訴求力〉がなかった」という点は,よく分かる。
これをいいかえれば,「幼稚と傲慢・暗愚と無知・欺瞞と粗暴」を充満させていたアベの為政は,これを支えるだけの,あえていえば暴力団まがいに反社会的な不正ばかりを犯してきた派閥:政治集団として,いまもまだ勢力を維持しえている。ただし,安倍晋三なきあと一派閥としてこのまま存続しうるかどうかは,必ずしも確実には見通せないでいる。
なかんずく,安倍晋三という「世襲3代目の政治屋」は,日本の政治を全般的に4流の地平に押しこむ役割を遺憾なく発揮してきた。「安倍の至福」は「国民たちの地獄」と対位であるほかない現実そのものは,2010年代における大約をなす政治過程史を形成してきた。
アベノポリティックスならびにアホノミクスが生んだ経緯が生んでしまった「日本国・民にとっての〈負のたまもの〉」,すなわち,安倍晋三の「負の遺産(レガシー)」は,2020年代における日本の政治経済にとってみれば「悪夢である」以上に「悪魔的な凶相」を,日本の社会全面に “降臨” させる直接の原因になっていた。
【参考記事】-アメリカのいいなりの岸田文雄政権-
※-2 ウソを接着剤にウソを塗り固めていた安倍晋三の政治と経済
ともかく「ウソつきは安倍晋三の始まり」とはよくいったものである。森友学園問題では,国会審議のなかで118回,安倍は虚偽を騙った。「この一事が万事であった」
安倍晋三の為政期間(2012年12月26日→2020年9月16日)は,日本の社会経済が迎えていた,ほぼ「第3周目」の「失われた10年」の時期に相当していた。
にもかかわらず,この「世襲3代目の政治屋」は自分の姓を冠した「アホノミクスだとかアベノポリティックスだとか」いったたぐいの経済と政治の政策を,大いにはしゃいで推進していたつもりであった。
だがその結果が,いったいどうなっていたかとみたら,この国をもはや取りかえしのつかない体たらく状態にまで転落させた。
現在,首相を務めている岸田文雄も,実は,安倍晋三に勝るとも劣らず,やはり「世襲3代目の政治屋」として「丸出だめ夫」同然の采配しかできていなかった。
直近の,各新聞社などによる各「世論調査」(2023年11月)のなかには,岸田政権に対するその内閣不支持率がなんと,前月調査(68%)より6ポイント増の74%となっていたものまであった(『毎日新聞』)。
これは,自民党政権が21世紀になってはじき出した〈最高の内閣不支持率〉であった。ちなみに,この『毎日新聞』世論調査における内閣支持率そのものは21%であった。これは,同じ11月に『時事通信』が実施した世論調査の内閣支持率の21.3%と,ほぼ低い同率になっていた。
※-3 世襲政治のダメなゆえん
いままでの日本の政治は主に,安倍晋三や岸田文雄,そして以前の小泉純一郎も同じであったが,世襲も3代にもなっていたせいか,いかにも「人間としての誠意さ」に不足・不満(顕著なものたりなさ)を強く感じさせていた。
もちろん「品位・品格」の面でもみるべきものが全然なかった者たちだが,これらの者たちが最高指導者の地位を占めてきたとなれば,この国家じたいの命運が心配で,心配でしかたがなくなるのも,また当然の見通しである。
そうであったがゆえ,この国が「落ち目」になってきた政治と経済の状況は,いってみれば,それを持続可能(?)的に沈下するばかりであった経緯を記録してきた。
結局,彼らによる為政が「負の連鎖である実績」となって蓄積されていくうちに,国民・市民・庶民たちの日常生活の立場にとってみれば,とてつもない不幸・不運が実際に押し寄せてきた。
というしだいにもなっており,それでもいまだに,自民党(と創価学会:公明党)の汚穢的な野合政権は,今日もなお,日本の政治をよりいっそう腐朽・堕落させる機能にかぎっては,しっかり遂行中である。
財界側,資本家・経営者の陣営だけはしかも,法人税は低率に据えおいてもらいながら,とくに海外における売り上げ高(市場占有率)の多い企業は,消費税の戻し分もたっぷり享受し,つまり二重にいい思いをしている状況のなかで,被用者(労働者)のほうに対しては,まともに還元する気がない。ともかく,この段落の話題はもっぱら大企業中心・限定になっていた。
その他大勢の人びとは,完全に蚊帳の外であった話題。
※-4 現状では,日本の政治がよくなる展望はまったくもてない
21世紀になってから「夢とか希望とか」を,わずかでもよかったが,託せるような現政権が存在してことなど,一度もなかった。日本の若者のなかにはすでに,外国に出ていき生活していこうとする意欲を抱く者が輩出されつつある。
いまの日本の政治と経済はその程度の,いわゆる「衰退途上国」になった。東南アジア諸国のなかでは日本より物価が高くなった国々がすでに現われている。
最近,訪日する外国人観光客は,台湾,韓国,中国,香港にくわえて,ベトナム,タイ,シンガポール,インドネシアなどの国々からも増えている。彼らが観光客としてこの国に来て「日本は物価が安い」と喜ぶ。この意味は深長であって,われわれ日本の住人にとってみれば,どちらかというとあまり聞きたくない「確かな・ある意味ではそれなりによい評判」。
さて,21世紀になってから森 喜朗のあとを襲うかたちで登場した「首相小泉純一郎」も,最初は「自民党をぶっ壊す」とオダを挙げていたのはよかったにしても,その実は「日本という国全体をぶっ壊す」進路をとっていた。
竹中平蔵が雇われマダムのたぐい(大臣のこと)になって登場し,その汚い役目を大いに果たしてきたことは,いまとなっては周知の事実。この平蔵は日本を墜落させるためにパイロットになった人物だが,自分だけはその途中で落下傘を使い,逃げ延びた。
そして,小泉純一郎につづいて安倍晋三の第1次政権が2006年9月26日に発足していたが,これは1年で自然に萎えていた。この安倍晋三が2012年12月26日,第2次政権を組閣したとなれば,その結論(日本沈没への運命)はすでに透視できていたといえなくはなかった(もちろんあとからの評定だが)。
以上,本日のこの記述は比較的短い記述として,21世紀「自民党政権」がこの「美しい日本へ」と向かう進路がとれず,完全に失敗していた,つまりこれしかなかった〈実話〉について,随想的に語ってみた。
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