政治資金規正法はザル法,自由民主党的に公金チューチューが盛んな政権党の政治体制,庶民の子どもたちは3食にすら不自由する非民主的な国家運営の日常生活のなかで,「世襲3代目の政治屋」たちだけが上級国民ぶりを堪能しつづける「日本国の前近代的な尋常ならざる衰退途上的な畸型国家ぶり」(1)
最初に,「標題の文句」をいささかこねくりまわし,表現の順序を変えて,こうもいっておきたい。
「日本国の前近代的な尋常ならざる衰退的な畸型国家ぶり」は,「世襲3代目の政治屋」たちだけがいい気になって,上級国民ぶりを堪能しつづけているといったごとき,非民主的な国家運営の日常生活を享受している点に端的に表現されている。
いわば「政治資金規正法はザル法」であり,すなわち「自由民主党的に公金チューチューが盛んな政権党の政治体制」をもって,日本の政治が体現されている現状のなかで,庶民の子どもたちは3食すらに不自由しているというのに,あの「世襲3代目の政治屋」たちは,自国のそうした内情など屁のかっぱ……。
※-1 自称「老婆の休日」が語った「日本の落日」を記事にした相沢冬樹記者
安倍晋三のせいで自死に追いこまれた赤木俊夫さんの妻,雅子さんを必死になって応援していた相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者が2023年12月18日,『日刊ゲンダイ』につぎの記事を寄せていた。
【人物紹介】 相沢冬樹は1962年宮崎県生まれ,東京大学法学部卒業,1987年NHKに記者職で入局し,東京社会部,大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸 vs. NHK-森友事件をスクープした私が辞めた理由-』文藝春秋,2018年をベストセラーとしてもつ。
◆ 田中真紀子元外相会見で報じられなかった話
隠れた注目は「機密費」と「角栄のカネ」◆
=『日刊ゲンダイ』2023/12/18 11:40,更新 2023/12/18 13:07,
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/money/333537 =
久々の真紀子節〔が〕炸裂だ。今〔12〕月8日,永田町で会見した田中真紀子元外相(79歳)。
「『答弁は差し控えさせていただきます』? やましいからでしょ! 国会議員になるのを差し控えた方がいい」
裏金疑惑を報じられても説明から逃げる松野博一官房長官(当時)をバッサリ切り捨て。返す刀で官房機密費に切りこんだ。
「大臣で外遊する時,機密費からと思いますけど 100万ずつ白い封筒にいただきまして,私は返しました」
小気味よい発言をスポーツ各紙が記事に。清水ミチコが物まね芸を披露するなど話題が広がった。
折しも真紀子の父,田中角栄元首相が亡くなって12月16日で30年。政治家として再評価する記事が相次いだ。角栄の「日本列島改造論」は51年前の発売から累計100万部を超えたという。
「これって政治にみんな飢えてるってことです,国民が。投票率が低い,政治に期待できない,それでは困るんですよ。政治って現実を夢に近づけられる,実現できるんです。こんな素晴らしい職業はない」
▲-1 病に倒れたあと,県議が目白に来て…
一方で角栄が病に倒れたさいはこんなことも。
「(地元県議が)目白(自宅)に来て『奥さん,親父は(金)出したから金をくれ』と。私はお茶を出しててびっくりしましたよ。病気の見舞いに来て『金を出せ』ってありますか? ここまでたかるのかと。母は『主人は倒れておりますのでお引き取りください』っていいましたよ」
最後に訴えたのは……。
「政治ってすごいと思うし,政治が世界を変えるし平和にもできる。これを皆さんに発信したい。『やっぱり自民党で』って考え方を変えて,選択を変えてですね。野党を育てましょうよ。政権交代すればチェック&バランスが利く。それがわれわれのためになるんですから」
▲-2「こんな怖い顔で写っちゃって」
現役のどの政治家より熱く政治を語った。11年前政界を引退したさいは「老婆の休日ですから」と「ローマの休日」になぞらえたという。休日はそろそろ終わるのだろうか?
この会見への関心は高く,民放が生中継した。そのテレビ画面を知人が写メで送ってくれたので,私は会見後にご本人にみせた。すると……,「いやあねえ,こんな怖い顔で写っちゃって。お嫁にいけなくなっちゃうじゃない」
あの~,横に夫(田中直紀元防衛相)がいますけど……。政治を語る時もおちゃめさを忘れない真紀子であった。(ジャーナリスト・相澤冬樹)(引用終わり)
あの田中角栄の娘であって,そして,日本の政界のなかでは闇将軍とまで恐れられた角栄の金銭感覚にまつわる話題にもなっていたゆえ,以上の話はたいそう面白いけれども,話半分「以下」に聞いておく余地があった。これは,念のため付記しておきたい留意事項である。
田中角栄が首相であった時期の自民党内における金銭の循環方式と,いまどきにおける自民党が暴露するにいたった「パー券裏金問題」などとを比較してみると,政治資金法をめぐる問題になる金銭の問題とはいえ,
その重点は,特定の個人に関した「政治資金の調達問題」から組織単位における「政治資金の運用問題」に変質(様変わりあるいは発展?)したことに,その特徴が推移してきたと表現したらよい事情の相違がみてとれる。
※-2「揺らぐ学校の食事 子どもの“食のインフラ”をどう守るか?」『NHK』2024年3月4日(月) 『クローズアップ現代』
夕食後にたまたまこの番組を視聴した。いま,国会内では衆議院から参議院に場を移して議論しているが,政治資金規正法にかかわる自民党員たちの非道徳・倫理的な金銭感覚が世間の関心を呼び,批判も惹起させている実情のなかで,
だいぶ以前から「この〈衰退途上国〉日本」の社会のなかでは,3食にことかく児童たちが多くいた。この欠食の問題は,なにも子どもたちの問題だけではなく,大人たちのなかにも食事を満足の取れていない人びとがいて,NPO団体が定期的にだがときおり実施して用意する「炊き出しの食事数」は,このごろは徐々にその準備数を増やさざるをえなくなっている。
さて,NHKのその『クローブアップ現代』2024年3月4日,https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4880/ が話題にしたこの題材(話題)は,つぎのように説明されていた。
この番組のなかでは,それこそ円の単位どころか銭の単位でまで計算するかのようにして,給食製作費の問題(予算不足)が深刻かつ重大に語られていた。ところが,昨年からこの国で騒がれている主に自民党議員たちの政治資金規正法にかかわって,かぎりなく黒に近い違法な金銭のとりあつかいにおいては,万の単位から億の単位で,その不正が濃厚に疑われる「政治資金」の私物化行為が横行している。
2012年12月26日に発足した「安倍晋三の第2次政権」は,あのアホノミクスならぬアベノミクスとしてこれじたいがうまく運べば,国民・大衆にもトリクルダウン的にその成果が均霑されていくはずだと,口先だけで宣伝していた。どっこい,ところがそれ実際にどうなっていったかは,つぎの『東京新聞』2023年3月14日の記事に説明してもらうとするが,そのアホらしさときたら,こちらの負の成果に関してのみは非常に顕著であった。
つぎの画像資料は,「『賃金上がらず予想外』アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…『望ましくない方向』」『東京新聞』2023年3月14日 06時00分,https://www.tokyo-np.co.jp/article/237764 から一部分を切り出して紹介する記事となる。
※-3「『こども食堂』全国9132カ所で,公立中学校とほぼ同数に 支援団体『むすびえ』が発表」『The Asahi Shimbun GLOBE』SDGs ACTION』2024年1月9日,最終更新:2024年3月3日,https://www.asahi.com/sdgs/article/15100535 が述べる日本の子どもだちの食事情
この記事からはほぼ前半部分の段落を引用する。
全国の「こども食堂」の箇所数が2023年,過去最多の9132カ所になった。認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえが2024年2月22日に確定値として発表した。全国の公立中学校の数(9296校)とほぼ同数となり,「いよいよ社会のインフラに近づいてきた」(むすびえの 湯浅 誠理事長)としている。(副編集長・竹山栄太郎)
調査は2023年9~11月にかけて,むすびえが全国でこども食堂を支える地域ネットワーク団体と共同でおこなった。こども食堂は民間活動のため,調査で把握できた範囲の数字ではあるが,前年から1769カ所増え,増加数でも過去最大だった。2023年12月14日に発表した速報値(9131カ所)から東京都の1カ所が増えた。
都道府県別にみると,最多は東京都の1010カ所で,大阪府757カ所,兵庫県521カ所と続いた。もっとも少なかったのは秋田県の38カ所だったが,全都道府県で前年から増加した。石川県は前年比1.9倍となり,都道府県別の増加率でトップ。県が2023年度から「子ども食堂支援事業」を始めたことが一因と考えられるという。
むすびえは,2025年に全小学校区に一つ以上のこども食堂がある状態をめざしている。そのために重視する「こども食堂のある小学校区」の比率も,今回初めて30%を超えた。この数字を都道府県別にみると,トップは沖縄県の56.70%で,鳥取県(54.62%),東京都(51.26%)を含めた上位3都県が50%を上回った。最下位は長崎県の13.10%だった。
補注)参考にまで触れると,2023年9月時点で沖縄県の1人当たりの所得は全国で最下位である。都道府県別の子どもの相対的貧困率 29.9%で第1位
になっており,全国平均の約2.2倍。
〔記事に戻る→〕 こども食堂の年間の延べ利用人数の推計は1584万人で,このうちこどもは1091万人だった。これは,名前は「こども食堂」でも,こども以外の利用者も少なくないことを示している。
補注)なお,以上に引用した記事は,つぎの報告を踏まえて記述されている。
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ「こども食堂の数,全国の公立中学校数とほぼ並ぶ『9,131箇所』」に増加 ~2023年度こども食堂全国箇所数調査結果を発表~(2023年12月速報値)」『PR TIMES』2023年12月14日 14時00分,https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000065.000044382.html
以上の記事だけでは,本日のこの記述が訴えたい要点がまだボンヤリしか感じられないと思うので,さらにつぎの記事を紹介することにしたい。
※-4「〈こども食堂〉こども食堂の目的や歴史は? どのように広まっていった?」『gooddoマガジン-寄付・社会課題・SDGs に特化した情報メディア-』2019年6月27,更新 2022年7月15日,https://gooddo.jp/magazine/poverty/children_proverty/children_cafeteria/2071/
付記)なお以下の引用では文体を変えた。文意を壊すことはない。
こども食堂は,地域の住民や自治体が主体となって,無料もしくは低料金で貧困や孤食の子どもたちに食事を提供するものとして始められた。近年,ますます広がりをみせるこども食堂であるが,これはどのように広がっていったのか。その目的や歴史について紹介してみる。
(中略)
a) こども食堂の目的は?
ひとり親の家庭では,保護者が仕事や家事に追われてしまうために子どもが充分な栄養の食事をとれない,孤食状態になるということも増えてきている。そういった子どもたちに対して「無料」「低料金」で食事を提供することを目的としてはじまったのが「こども食堂」である。
そこでは,運営者もしくは運営スタッフが寄付などに集められた食材,寄付金で購入された食材を調理した食事が提供されている。〔なかでも〕「栄養」「量」にこだわっており,満足度が高い食事が用意されると評判の場所が多いのも特徴となっている。
こども食堂のはじまりは八百屋の店主の善意。
「こども食堂」という名称に関しては,東京の八百屋の店主が,貧困や親の多忙からご飯を満足に食べていない子どもが増加しているということをしり,みずからが経営している八百屋の一角に,子どもたちが食事をできるスペースを設置したことがきっかけとなっていた。
その店主は,子どもが気軽に入れる場所でもあり,大人も利用できるような場所という意味をこめて「こども食堂」と名付けたとされている。また,このころにテレビの特集で繰り返し「見えない貧困」について放送されていたことも,こども食堂の設置の後押しをした。
出展)〔より適切には「出典」のこと,以下同じ〕:農林水産省「子供食堂と地域が連携して進める食育活動事例集」)
b) その後,全国に急速に広まったこども食堂
2012年に始まったとされるこども食堂は短期間で急速に広まっていった。これには大きく分けて2つの理由が考えられている。
◆-1 ひとり親の貧困世帯の増加
ひとり親世帯が増加しているなかで貧困状態にある家庭が急激に増えてきた。一般的にはひとり親世帯の半数以上が貧困状態にあるとされており,貧困や親の多忙のために食事が満足にできない,つねに孤食の状態である子どもが増加しているという現状がある。
こども食堂が始まった2012年に公表された調査では,過去1年間に経済的な理由によって,食料が買えなかった経験をもつ世帯が14.8%あるとされている。その割合は全体の6分の1にもなっており,これがこども食堂が急激に広まった原因となっていると考えられている。
出展):国立社会保障・人口問題研究所「生活と支え合いに関する調査」
補注)前段の記述は「こども食堂が始まった2012年」と説明しているが,安倍晋三の第2次政権が発足するその2012年〔12月26日〕であった事実は,意味深長である。
◆-2 マスメディアなどの宣伝による周知
こども食堂の開催についてテレビ,新聞,雑誌,ネットニュースなどで盛んに宣伝されたり特集が組まれたりし,とくにNHKではなんども取り上げられ,わかりやすい名前である「こども食堂」という言葉が認知されはじめた。
c) 無料,低価格料金での提供
この広がりには安定した開催回数や低い利用料金が大きく関係していた。安定して月に1度もしくは2度程度開催されることで知名度も広がっていったということもあり,開催情報が開催場所での掲載や運営団体によるホームページなどでの情報公開がされていることも影響していた。
また,こういったこども食堂の半数以上が無料で利用できるようになっており,中学生以上であれば100~400円程度に設定しているところが多くなっている。なかには大人も利用できる場所もあり,料金は300~500円程度に設定されている。こういった活動がこども食堂の広がりに関係してきた。
◆-3 こども食堂は3年で10倍以上に急増
こども食堂を支援する民間団体「こども食堂安心・安全向上委員会」の発表によれば2016年時点で300以上,2018年度時点では2286ヶ所と急速な広がりをみせた。そして2019年6月時点では,3,700箇所以上でこども食堂が運営されているとの発表もありました。
出展):NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ
d) 大手コンビニチェーンでの取り組み
2019年には大手コンビニが国内の店舗約2,000店のイートインでこども食堂を開いていくことを発表して話題となった。
1回の開催につき参加者10人ほどで,小学生までは100円,中学生以上は400円で弁当などが提供されることとなった。対象になるのは近隣の子どもとその保護者であり,小学生以上は保護者が同意していれば1人で利用できる。
出展〔出典〕):株式会社ファミリーマート公式サイト
こども食堂はこのように統一された組織ではないということが良い方向に働いて,その運営の長所を前面に打ち出すということができるメリットがある。そのため規模も内容もバラバラなこども食堂があちこちで開催されるようになっていた。
◆-4 こども食堂の活動を応援しよう
こども食堂の活動は,様々な方法で応援できる。たとえば,寄付金を送ることができます。これはそのとき1回限りでも可能であり,毎月決まった額を送る継続寄付も可能である。
また,食材を寄付するということも可能であり,この場合は,個別の運営者に突然食材を大量に送ると迷惑になる場合があるので,事前に連絡をするとスムーズにいく。
そのほかにも使用しなくなった書籍やDVD,Tポイントカードなども寄付できるようになっており,それぞれは小さい寄付であっても,集まれば子どもたちにとって大きな支援となる。(引用終わり)
以上,「貧困に苦しむ子どもを支える」「活動を無料で支援できます!」という話題を紹介してみた。
どうであろう。政治資金規正法のザル法さを悪用というよりは,当然のようにして,この定めを完全に無視してきた自民党議員たちの「パー券裏金問題」から露呈もされた,国会議員たちの金銭感覚は,
政治資金がさらに,個人や企業の献金だけでなく,とりわけ税金からも大枚が補填されているなかで,その使い切れない分や初めから裏金あつかいで隠匿しているおカネを,自分たちが「上級市民(国民)」としての私的の生活基盤に転用,つまり悪用している,
いいかえると,まさしく税金ドロボーと同義でもある『「政治資金」の私物化』を,当たりまえの因習として盛んに利用している。これでは日本の政治が死物化したのも当然のなりゆきであった。
一般の市民(国民)たちの目線に映っている「上級市民(国民)」,とくに自民党の国会議員たちの姿は,本当の「税金ドロボー以外のなにものでもない一群」でありながら,国税庁も司直も手の届かない(出さない)ところで,自分たちの好き勝手に脱税行為を堂々とおこなっている。
※-5 「脱税党=自民党の政治イデオロギー」としての教育勅語
『毎日新聞』2024年2月8日夕刊2面「〈特集ワイド:今日も惑いて日が暮れる〉社歌と教育勅語」が,なかでも,前項の※-4で言及した子ども食堂の話題に対して,逆転的にだが直接に深くかかわる議論をしていた。
「〈今日も惑いて日が暮れる〉社歌と教育勅語」というこの論説は,吉井理記という学芸部の記者が執筆していた。以下にまず引用する。
読者にさして益する話ではないが,毎日新聞には社歌がある。
つまり,個人が自画自賛すると眉をひそめられるが,企業や学校,はては国家ではむしろ歓迎される。
最近,広島市の松井一実市長が「職員研修」に用いていると報じられた教育勅語(1890年)にも美化がちりばめられている。
冒頭,日本の過去を「臣民すべてが皆心を一つにして,代々忠孝の美風を全うしてきた」(文部省「尋常小学修身書」の訳)とたたえるが,そんな時代は存在したことはない。明治までの日本は内乱と政争の歴史である。
続いて「臣民」に「夫婦相和し」「朋友相信じ」「法に遵(したが)い」「一旦緩急あれば義勇公に奉じ」ることを通じ,「もって天壌無窮の皇運を扶翼すべし」(そうして永遠に続く皇室を支えよ)と命じる。
誰が? もちろん明治天皇だ。教育勅語の主語は「朕(ちん)」。天皇主権の時代の産物である。
松井市長はそこに「民主主義を取りこもうとする内容」(昨〔2023〕年12月19日の記者会見)をみいだしたという。珍説というほかない。
補注)このような珍説・怪論を吐ける御仁の神経は疑われるほかないが,教育勅語が「全体として狙った趣旨」を理解もせずに,そのよう「キョウイクチョクゴ,マンセー!」を堂々といえる市長としての時代感覚は,すでに化石的な頭脳の介在を明確に示唆していた。
要するに「天皇のために死ね!」というのが教育勅語の核心であり,終着点となっていた。この勅語には,いいことも書きこまれていると解釈するごとき〈わからん人〉も大勢いるけれども,それは我田引水どころではなく曲解の極致であった。「フグの毒」は毒ではないといったふうなヘリクツにも劣る話法であった。
民主主義の根本理念からいえば,教育勅語は脱輪の道徳・倫理を説いていたどころか,その理念からは完全に脱線・転覆していた。その実質はあくまで,「天皇陛下,万歳」のための能書きを連ねた,だからその「個人崇拝」のための経典的な文言であった。
〔記事に戻る→〕 その教育勅語の発布から55年後,大日本帝国は滅んだ。昨〔2023〕年の刑法犯認知件数は約70万件だが,戦前の1934年は約157万件。これらの事実をみるかぎり,少なくとも,国家の維持や「法に遵」う精神の向上に役だった形跡はない。ついでにいえば,「裏金」を積んでいた自民党の安倍派には,教育勅語復権を唱える議員が多かった印象がある。
教育勅語をしろうがしるまいが,昔もいまも仲の良い夫婦や友情に厚い人はいた。それだけの話だ。なのに教育勅語をもち出したがるのはなぜだろう?
ちなみに僕も社歌は歌えないが,なんとか毎日新聞で仕事を続けられている。(東京学芸部)(引用終わり)
以上のなかでは,「自民党の安倍派には,教育勅語復権を唱える議員が多かった印象がある」といわれていた。「教育勅語をしろうがしるまいが,昔もいまも仲の良い夫婦や友情に厚い人はいた。それだけの話だ。なのに教育勅語をもち出したがるのはなぜだろう?」とも問われていた。
21世紀の現在に生きる者たちの生活感覚に照らしていえば,仮にであっても,わざわざ教育勅語をもちだして自戒すべきは「いまだけ,カネだけ,自分だけ」しか頭にない,つまり,我利私欲のためだけに国会議員をやっている「世襲3代目などの政治屋」たち,つまり,自民党の議員にとくに多く存在する「彼ら・彼女らたち」のほうであった。
教育勅語にはいい点もあったという当人たち自身が,そのいい点を完全に踏みつけてきた立場から,政治資金規正法のザル法的な「活用術」を盛んに駆使してきた。それゆえに,まさに「コイツら」が,教育勅語の「キ」すらまったく理解すらできずに,その基本に関連的してならば,枝葉的にあったらしい精神を踏み潰してきた連中だ,といった非難を受けて当然なのある。
安倍晋三は一時期,「戦後レジームからの脱却」という標語を口にしていたが,敗戦をはさんでみるに,戦後より戦前・戦中がよりよい時代であったのかとみたら,吉井理記が関説していたように,実際にはまったくその反対であった。
吉井の文章のなかには,教育勅語の発布から55年後の現在,2023年における刑法犯認知件数は約70万件であったのに対して,戦前の1934年はその2倍以上の約157万件もあった,と指摘していた。
そこで,これらの数字に関しては,それぞれの年の人口を当てて,実質的により意味が出てくるように換算してみたい。
「1934年の刑法犯認知件数,約157万件」とは,同年における日本人口が6831万人のときのものであった。これに対して「2023年の刑法犯認知件数は約70万件」とは,日本人口が1億2242万人とときのものであった。
そこで,これらの統計を並べて「年と件数」とでの割合関係を,通年させて実質的に比較できるように計算をしてみると,こうなる。
1934年の157万件は,これを「1億2242万人÷ 6831万人= 1.792倍」を乗じた件数に換算してみると,2023年の人口に当てて算出した数値は約281万件となる。
ごく単純に換算した話であるが,戦後よりも戦前のほうが4倍も刑法犯罪が多かったという結果になった。
以上は,ごく単純な思考に過ぎないけれども,教育勅語が「あった時代」よりも「なかった時代」のほうが,刑法犯罪の発生率(認知件数率)が4分の1と,圧倒的に少なくなっている。
おおざっぱな比較考量にしかなりえないけれども,敗戦をはさんで特定の時期を任意にとりあげていたとはいえ,なんと4倍もの大きな「差」「違い」が出ていた。
もしかすると,政治資金規正法というザル法に対応させた態勢は,「パー券裏金問題」で獲得した政治資金に透明化(実際には隠蔽を兼ねた洗浄:ロンダリング)工作をくわえ,これによる課税回避工作(脱税だが)をおこなったうえで,原資に転用する生活様式を確立させていた。
自民党国会議員たちのうちかなりの数が,政治資金に関してはそうした経路を通過させる手順を使い,「自分たちの上級市民(国民)としての生活水準」を享受しうる原資を獲得できている。
それゆえ,安倍晋三君が以前,盛んに「戦後レジームからの脱却」を強調していたのであり,そう切望していたかと勘ぐられて当然であった。以上の説明は,けっしてゲスの勘ぐりではなく,まっとうに的を射ているはずである。
だから,戦前的な思考の教育勅語もあったほうがよいと考える彼らは,そこで自分たちの脳ミソの中身を,あたかも糠床をこねまわすかの要領をもって毎日,「キョウイクチョクゴ,マンセー」と,念仏のように唱えていたのかもしれない。
ということになったが,本日において記述した以上に,実は,まだ記述したい題材が残っていた。それは,昨今日本における「少子化・出生数の絶対的な低下傾向」という重大な現実問題であった。この問題は,どのように考えればよいのか,またそのための対策をどのように講じるかという深刻な話題になってい た。
しかし,前段までの記述がすでに長文になったので,準備していた資料などを目の前に置いた状態で,本日の記述はここまでとしておく。続編はできしだい,ここ( ↓ )に住所のリンク先を指示するつもりである。
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【参考記事】-これは全体の論旨に関係する『日刊ゲンダイ』の記事-
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