その2 荒城の月 ヨーロッパ演奏旅行でナーサリーホームで、私がこの曲を独唱した時、何人ものイギリス人の入居者が、目頭を抑え泣き始めた。
庭には沢山のクレマチスが咲き誇り、高級な施設なんだろう。
自分の部屋を気に入る様にカスタマイズしていた。
印象的だったのはグランドピアノの入っている部屋の豪華な事。
元ピアニストだったのかも知れない。自宅に居ると同じ感覚で生活をしているのだろう。
これが人間本来の姿なんだろう。
昔、この「荒城の月」の内容は、平家の落人が過去の栄華を忍び、惜別の情を歌い上げる体の内容と認識していた。
しかし、私のソロで、イギリス人が涙する理由は解明出来なかった。
しかし、今回の検証で、それ以上の、天上の話である事を知るに至り、その謎が解けた様な気がする。
それは、仏教の教えを源にする、平家物語で序文で有名なこの下りである。
諸行無常の響きあり
祇園精舎の鐘の音には、
諸行無常すなわちこの世のすべての現象は絶えず変化していくものだという響きがある。
沙羅双樹の花の色は、
どんなに勢いが盛んな者も必ず衰えるものであるという道理をあらわしている。
世に栄え得意になっている者も、その栄えはずっとは続かず、
春の夜の夢のようである。
勢い盛んではげしい者も、結局は滅び去り、
まるで風に吹き飛ばされる塵と同じようである。
要するに、言葉の問題ではなく、天上の人の存在の大きさを歌った事が、人種を超え、皆を共通の事が出来たのだと思う。
専門家に伝えたら笑われるかな?
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