大晦日の夜、12時を越えると「明けまして、おめでとうございます」である。そんな夜中に、いったい何がおめでたいのか? みなさんは何がめでたいのかを、考えてみたことがおありだろうか? 期間として、新しい一年が始まるから、『めでたい』って思いがちだけど、新学期が始まっても「新学期、おめでとうございます」とは言わない。「新学期を、頑張ろう」とか、「楽しもう」とかである。つまり、正月だって「本年もよろしくお願いします」だけで良いんじゃないかと思う。 ここで、他に『おめでとうご
秋もそろそろ終わり、寒さが厳しくなっていく季節です。そんな季節に幸せを運んでくれるアイテムにこたつがあります。で、このこたつってアイテムは、日本発祥の暖房器具なんですよね。室町時代、囲炉裏の熾火の上にやぐらを組み衣服を被せたのが始まりです。 韓国にはオンドル、ロシアにはペチカなどありますが、こたつには単に温まる以上の情緒があります。こたつで、みかんを食べたり、お鍋をしたり、猫もこたつが大好きですしね。暖を取る以上の楽しみができるのがこたつなんですよね。こたつって良いよな
和歌山には、早なれという食べ物があります。和歌山ラーメンのお供にはなくてはならない食べ物です。 本来、なれ寿司は魚や獣肉を発酵させた保存食なんです。東南アジアから日本に掛けての太平洋に面した地域の食べ物です。保存のため発酵させる過程で酸味が出て、より美味しく食べられる。でも、その内にお酢ってものが発明され、発酵させなくてもお寿司に酸味を付けることが可能になった。発酵に伴う嫌な癖もなく、酸味はしっかり味わえる。これが江戸前に代表される現代のお寿司。 和歌山市では、発酵
和歌山市の喫茶店には、焼きカレーないしはカレーピラフなどと言うものがある。福岡県北九州市にあるドリアのような焼きカレーとはまったく別物で、こちらは焼き飯やピラフにカレーを掛けましたという、ド直球な食べ物です。一度はやってみようかなと誰もが考えるレシピ。焼き飯も好きだし、カレーも好き、じゃあ合体させちゃえって発想です。 もともとは、和歌山市役所近くのアポロってお店が、和歌山医大の生徒のリクエストで始めたメニューとのことです。まあ、誰でも考えつきそうなメニューなので、どこが
僕にはぞろ目さんと呼んでいる人々がいる。ぞろ目さんはもともと普通の人だったのに、ある日突然ぞろ目さんへと変身してしまうのである。 ぞろ目さんは、心配そうだったり、混乱していたり、あるいは興奮した表情で僕に近付くと、決まって「最近、数字のぞろ目が増えたように思わない?」って聞くのである。 またかと思いながらも話を聞くと、だいたいは、今まで通りの生活の中で、今まで以上に自分がぞろ目の数字を見るようになった。そしてそれは尋常じゃない頻度であると訴えるのです。 自動車の
小桃ちゃんと言う犬を飼っていました。シーズーの女の子でした。とても可愛らしく、素直な良い子で、いつも僕と一緒でした。 小桃ちゃんは癌にかかって死にました。ただ、年齢的には犬の平均寿命ぐらいは生きましたし、最後は僕の見ている傍で、静かに息を引き取りました。 犬に限らず動物を飼ったことがある人、そしてその子を愛し、見送ったことのある人なら分かると思うのですが、『もっと、こうしてあげれば良かった』『ああしてあげれば違っていたかも』っていう後悔は、寂しさと一緒に、心の隅にい
ジェンダーレスやジェンダーフリーと言う言葉がもてはやされる昨今ですが、やはり男は男らしく、哲学を持ち真っ直ぐに生きるべきではないでしょうか。 「おいどんは、西郷隆盛でごわす。自分に真っ直ぐでごわす」みたいな感じです。ちなみに、男らしさのテンプレートみたいな西郷隆盛は、濃い目のバイセクシャルなんですけどね。 ともかく、男なら男らしく、格好を付けなくてはならない時があるのです。 * その日、僕はコンビニでお茶とおにぎりを買い、千円札を手渡しました。レジを打ってくれた
自薦と他薦というものがあります。他薦は他者から推奨されることで、自薦は自分で自分を推奨すること。 もっと具体的に言うと、他薦は「佐藤さんは、勉強もできて、スポーツ万能で、クラスの人気者なので学級委員長になれば良いと思います」「皆さんがそう言われるなら頑張らせていただきます」といった感じ。非常に奥ゆかしいし、みんなからの信頼も得やすい。 では自薦の場合なんだけど「俺は勉強もできるし、人気ものだから、学級委員長になるのが相応しい!」って感じです。だいたい勘違いだし、なん
僕は和歌山県に住んでいるんだけど、地元に黒江という街があります。僕の大好きな街です。古くは漆器の生産で栄えた街で、プラスチックで出来た食器が全盛の今でも、地場産業として細々と頑張っている。 つまり、昔から大した発展はしていません。結果的に、ここには昔の街並みが残っていて、いちおう観光のようなことができます。 当時のまま区画整理されていない街並みは、理不尽にねじ曲がり、一つの路地の向こう側から、更に違う路地が現れます。角を曲がって進んでいくと路地は道なりに迂回し元の
ここから先は不快な表現が含まれますので、苦手な方はここで読むのを止めて別な記事に移動して下さい。 ここから先って、全部じゃないか!って声も聞こえて来そうですが、その通りでございます。申し訳ございません。てへ。 前回、インドのトイレ事情について書きましたが、今回もその続きです。インドの旅行中に出会ったトイレで最悪だったのは、先客のう◯こが積み重なって、石筍のようにニョキニョキと上に伸びているというものでした。 流れないなどと言う状況は、既に遠い青春の想い出です。い
僕は海外旅行が好きで、わりと旅行している方だと思う。何度か旅していると、自分なりの旅行スタイルができたり、癖のようなものが分かってきたりもする。 で、これは多くの人に共感してもらえることだと思うけど、飛行機で到着しても、すぐにはその国にいる気分にはならない。飛行機の移動速度が速過ぎて心が追い付かなくて、日本の気分を引き摺ってるんですよね。 ここからがすごくどうでも良いことなんだけど、僕の場合、現地の料理を食べてそれが消化され、日本で食べていたお腹の中身がう◯こになっ
ずいぶん昔に書いた童話の再掲です。『悟り』とか、『自己』とか、『唯識』とか、『梵我一如』とか、そう言った宗教的な意味を持たせて書いたお話になります。暇な人は読んでね。 不機嫌な王様と宝物 昔々、あるところに、不機嫌な王様が住んでいました。王様は若くて、強くて、聡明で、ただいつも虚しさを感じ、不機嫌でした。 ある日、年老いた賢者が王様のもとを訪れて言いました。 「ある城に、この世で最も素晴らしい宝物が隠されております」 「ほう。それは何処の何という城じゃ」
以前、職場で後輩の女の子と話していた時のこと。 「若く見られるって、得すること多いよね」 「そうですね。電車、安く乗れたりしますもんね」 「いや、電車の小人料金って、小学生までやから。いくら若く見られても、もう二十歳超えてるから、なんぼ何でも無理やと思うよ」 「でへへ、そうですね。ところで、しょうにんって何ですか?」 僕、大いに呆れるが、彼女の場合、その程度のことは良くあることなので丁寧に教える。 「えー、あれ(小人)って、こびとって読むのかと思っ
料理の記事とか書いてるけど、特に料理に興味ある訳ではないです。ただ、料理って驚きに満ちてるなとは感じます。特に、日本料理。 ある時、『フライパンや中華鍋って日本古来のものじゃないよな?』ってことに気づいたんです。今はどの家庭にも当たり前にあるものですよね。それに気付くと、『昔の人どうやって炒め物をしていたんだろう?』って疑問が湧きます。で、ちょっと調べてみました。 その結果発表です。デデェーーーン! 伝統的日本料理には、炒め物はない! えっ?そんなことある?
世界三大スープってのがある。タイのトムヤムクン、フランスのブイヤベース、ロシアのボルシチ。たまに中華のフカヒレスープが混ざったりもする。僕はそれを聞いて、憮然としてしまうのである。 スープ最強は、どう考えても味噌汁だろって思う。例えば日本人にとって、キムチは食材界きっての暴れん坊だと思う。食事の途中でキムチを口に入れると、それ以外の食材の味が分からなくなってしまう。つまり、キムチに負けちゃうのである。しかし、そのキムチを味噌汁に入れると、なんとも優しい味になって味噌汁を