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これは酷い

 10月12日、日本記者クラブで行われた討論会での国民民主党党首の発言が問題となっている(「恐ろしい」「党員が再点火」国民民主・玉木代表「尊厳死」発言 公認候補が“ピンボケ”援護射撃で火に油 | Smart FLASH/スマフラ[光文社週刊誌] (smart-flash.jp))。

 若い人の社会保険料給付を抑えるために尊厳死を法制化するという趣旨の発言をしている。
 ただ、その後、党首はXにおいて「雑な説明になったことはお詫びします。短い時間で説明することの難しさを痛感しました。繰り返し申し上げますが、尊厳死は自己決定権の問題として捉えています」と釈明している。
 人の生死にかかわる問題を雑に説明したこと自体問題ではあるが、医療費削減のために尊厳死を法制化するという意図はないそうだ。

 問題は、同党公認候補の「「〇歳以上になった人は一律リタイアしてもらう」といういわゆる姥捨山的なものではなくて、「子どもたちに迷惑をかけたくないから死にたい」という方々に選択肢を与える、自己決定権の問題(それこそ“選択的”夫婦別姓とかと同じ)だと思うんだけど、なぜそういう印象操作してしまうのか」という発言である。

 医療費削減ではなく、自己決定権の問題としているのであるから、当該候補者が理解する党の考え方を説明したのであろう。既に削除されているそうだが、これのどこが自己決定権の問題なのだろうか。

 「子供たちに迷惑をかけたくないから死にたい」というのは、経済的な理由で自死を迫られるということであるから、政治がその責任を果たしていないということであり、これを自己決定というのは、近頃よく耳にする間違った自己責任論の極みといえる。

 そもそも尊厳死とは、不治の病で治療機器につながれて死を待つだけの状態のときに、延命治療を止めることである。したがって、この候補者は、尊厳死そのものを理解していない。
 それだけではない。この方は弁護士だそうだが、人権も全く理解していない。弁護士ですら人権を理解しているとは限らないのであるから、人権を理解するというのは、本当に難しいのだろう(グローバル化と人権|precious time (note.com))。
 また、試験秀才がエリート層を占めることの恐ろしさでもある(日本でパワハラが後を絶たない背景|precious time (note.com))。

 それにしても国民の生命及び財産を守る責任のある国会議員を志す者が、ここまで国民の生命を軽視しているという現実には落胆せざるを得ない。

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