広報作成は翻訳作業
こんばんは。みさとです。
いつも朝オフィスに行く前に買うコーヒーを、今日はアイスでなくホットにしてみました。
心地よい季節になりましたね。
秋が短くなった、と騒がれて久しいですが、短くなったからこそじっくりしっかり味わいたいなぁ、と思った朝でした。
さて、今日はまずこの話題から。
役所の広報はどうつくるか
私は何度か転職をし、今はとある自治体で働いています。
ここに来る前は編集者でした。
編集者というと、企画書バンバン出して、執筆者とやりとりして、校正やって、打ち合わせにディレクションに・・・という感じの仕事を想像されるかと思いますが、私の場合はちょっと違います。
執筆者のやり取りに、校正・校閲をするところは同じですが、ここに組版(主に文字組)、illustratorでの簡単な図版作成が加わり、印刷加工をするためのデータに仕上げ、検品をし、そして刷り上がったものが実際に使用される現場にまで赴く、なんなら自分で執筆することもある。
まさに企画製作の端から端まですべてをやるのが仕事でした。
新しいことを覚えて覚えて、新しいソフトを使って試してミスしてまた覚える。そんな繰り返しです。
なので、自然と編集力は上がりました。
一方、役所はどうか?
実は転職して一番驚いたのが役所の広報アプローチの仕方。
広報誌はもちろん、チラシやパンフレットなどは広報を担う部門が一手に引き受けているのだと思っていましたが、違ったんです。
それぞれの事業を担う部署の担当者が、それぞれで作っていたんです。
民間でも中小はこういうところ多いかと思いますが、大企業は大体がデザインチームを持っていたり、インハウスデザイナーを雇っていたりしますよね。
勝手に役所もそういうもんだと思っていたのですが、違うと知って驚いたのを覚えています。
勉強しないとやられるぞ
私は編集者ではありましたが、デザインというものに興味を持ったのは役所に入ってからです。
前述のように、こんなにも多くの広報物をいろんな部署の人が作っているんだと知ってとても驚いたことがきっかけ。
広報専門の部署がつくるのではないのだとしたら、一人ひとりのスキルの底上げが必須なんじゃないかと思いまして、コツコツと勉強を始めたのです。
「デザイン」「レイアウト」「Microsoft 使い方」「見せ方」「資料作成」などの単語でヒットする本を手当たり次第に図書館で借りてきて、とにかく目次を追っていく。
気になったもの、目に留まった言葉があれば立ち止まって本文を読んでみる。
さらに深くやっていきたいと思う本は購入して手元に置き、また勉強する。
そんなことを繰り返しました。
勉強しないとやられるぞ
本気でこう思ったのをはっきり覚えています。
デザイン&編集力があれば、たいていの仕事は整理することができると考えました。
逆に、やらないとどんどん時間だけが過ぎていき、「こんなはずじゃなかった」が積み重なってしまう。
それは避けたいと思ったのです。
芋づる式に出てくる情報たち
デザインを調べていたはずなのに、ふと気が付くと「絵の描き方」「便利ショートカットキー」「レタリング」「光と構図」「コピーライティング」などなど、さまざまなカテゴリーに手を伸ばしていました。
デザインを知るには、その分野だけを勉強しているだけではダメだよなと思ったのです。
こうやって芋づる式に情報を捕まえに行くには図書館が本当に役立ちました。
お金のない若人にもやさしい図書館。
そこでひたすらに情報を浴び、取り入れられそうなものは取り入れて、次の試行錯誤に活かす。
そんな感じで今の自分が形成されています。
とあることに気づく
そうやって多角的視点でいろんなことを知っていくうちに、なんとなく自分の中で整理されていったことがあります。
ある時ふと思ったんです。
日本語が通じているからといって、相手にその意味までちゃんと伝わっているとは限りません。
書き方や見せ方、情報の出し方によって、自分の伝えたいことがどの程度正確に相手に理解してもらえるか、は変わりますよね。
自分がいま思い描いているものを、相手も同じように頭の中で描いてもらえないと、伝わったとは言えないのだと思います。
相手のステージで、相手が理解できる言葉で、方法で、レイアウトデザインという武器をもって翻訳作業をしていく。
私たちの仕事はそんな地道な作業の繰り返しです。
これに気づけたとき、すーーーっと視界が開けたように感じました。
なるほど、広報は翻訳。
直訳してもダメだし、意訳しすぎてもダメ。
だとするとやっぱり情報のアップデートをしつつ、えり好みせずに他分野の知識いれまくるのって正解なんだなと思いました。
たくさん引き出しのある方の訳し方ってのは、まったく違和感を持たせず上品に、しなやかに脳に染み入るものですから。
さて。
今日はどんな本、だれのnoteを読もうかな。