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インド映画『サーホー』感想 〜物騒な野郎共 大・博覧会〜


 プラバース主演のインド映画、サーホーの魅力を書く。ストーリーが複雑で伏線だらけで面白いとか、ひたすらカッコいいプラバースとか、根暗なのに何故かダンスが超色っぽいヒロインとか、大作なので景気良く色々爆発するとか、そういう魅力もあるけど、今回は話題を絞って書く。ストーリーのネタバレはないけど、重要ではない特定のシーンの具体的な描写は書いてしまっている。

野郎共のバリエーションが豊富

 この映画の魅力といえばこれだ。主人公がヒーロー的に描かれている映画で、アクション大作でもあるので大量の野郎共が出てくる。ハリウッド映画でよく見る全身黒ずくめの戦闘員めいた服装の男も出てくるが、それだけではない。色んな個性の野郎共が出てくるし、ビジュアルがどれもハイクオリティで素晴らしい。

お気に入りの輩、その1 マフィアの皆さん

 この映画にはマフィアのおじさんがたくさん出てくる。お洒落なスーツからおもしろスーツまで色々いる。ヒゲ率が高くてほぼ全員葉巻を吸っているので顔覚えるのが大変だけど皆カッコいい。都会的なビルにマフィアのおじさんという絵面も良い。

お気に入りの輩、その2 狂気の市民たち

 私が特に気に入ったのは、地元の小悪党っぽい、庶民感あふれる風貌の野郎共だ。インドってやっぱり暑いのか、彼らは爺さんの夏の部屋着みたいなめっちゃラフな服装をしている。服装だけ見ると全然怖そうではないのだが、奴らの顔には殺意がみなぎっている。そして日本人には馴染みのない、よく分からん刃物を手に次々と全力で襲いかかって来るのだ。白昼堂々、一般市民の目撃者多数なのだがお構いなし。この治安の悪さ、混沌。このシーンを見て間違いなく最高の映画だと確信した。

お気に入りの輩、その3 すごくヒャッハーな野郎共

 この映画の大半はワージーシティという少し近未来的でピカピカの高層ビルが立ち並ぶ架空の都市が舞台で、マフィアの本拠地もキレイな高層ビルだ。だからこそクオリティの高いヒャッハーな野郎共が出てくるシーンが引き立つ。革ジャン、鋲、チェーン、毛皮、タトゥーや傷跡の目立つ、大柄でいかつい男たち。言葉にするとありきたりだが、とにかく悪い奴らとして1000点満点の見た目に仕上がっている。奴らの迫力にもう笑うしかない。衣装デザインも素晴らしいが、俳優が衣装に負けていない。こんなに悪そうな俳優どこで見付けて来たんだと思うレベルで素晴らしい。誰が見てもテンションが上がるやつだ。ストーリーもヒャッハーな奴らが増えてきてから大いに盛り上がるので、楽しい気持ちのまま終盤まで見ることができる。

まとめ

 魅力的なデザインの物騒な輩がたくさん出てくるので、とても楽しい映画だと思う。そしてこの映画の良さはひたすらに格好いいことなのだが、その魅力を言葉にするのは私の言語能力では難しい。今回私が書いたのは、映画の中のメインディッシュではなく、あくまでサイドメニュー的部分の魅力だ。メインの魅力はぜひ映画を見て感じてもらいたい。興味を持ってもらえれば嬉しい。
 ネトフリでも配信しているけど、ネトフリで見ると登場人物が喋っているのに字幕が表示されない箇所が非常に多く、話を理解するのに支障があるので、アマプラの有料レンタルで見ることをおすすめする。


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