機関投資家の議決権行使基準 - りそなアセットマネジメント~今回の改定の方向性は?
りそなアセットマネジメントの議決権行使基準
前回の三菱UFJアセットに続き、今回はりそなアセットマネジメントの議決権行使基準です。これまでnoteで紹介した会社は以下になります。今回で7社目です。
◆ アセットマネジメントOne
◆ 野村アセットマネジメント
◆ 三井住友トラスト・アセットマネジメント
◆ 三菱UFJ信託銀行
◆ 日興アセットマネジメント
◆ 三菱UFJアセットマネジメント
◆ りそなアセットマネジメント
24年1月に改定された基準です。
https://www.resona-am.co.jp/sustainability/pdf/kijun_kokunai.pdf
取締役選任議案
次の場合には代表取締役の再任に反対とあります。
3 期連続経常赤字、3 期連続最終赤字、債務超過のいずれかに該当する企業に対し、信頼で きる業績回復プランあるいは合理的な理由がなければ、在任3年以上の社内取締役に反対します
効率的な企業経営が行われていない企業(3年連続 ROE が 5%未満)の中で、ネットキャッシュが過大(総資産の25%以上)または業種別でROE が3連続下位 25%以下である企業の取締役選任にあたっては、合理的かつ納得性ある説明がなければ、在任3 年以上の代表取締役に反対します
ROE5%が続き、業種別で3年連続で下位にある場合に3年以上在任の代表取締役に反対となります。合理的な説明がある場合には例外的な扱いをするという点は他の機関投資家の議決権行使基準と同じです。
今後の改定の方針 - 社外取過半数、女性役員=女性取締役に限定か?
りそなアセットの議決権行使基準は24年1月改定ですので、次回改定も来年1月頃になる可能性が高いですが、どのような方向性になるかは、昨年
11月下旬に公表された「信託財産等における「議決権に関する行使基準」の 改定内容および今後の方針」の中の「今後の方針」に次の記載があります。
取締役会には、少なくとも独立性のある社外取締役が過半数存在することが望ましいと考えています。既に、親会社または支配株主を有する企業に対しては、取締役会に独立した社外取締役が過半数選任されることを求めています。一方で、それ以外の投資先企業に対しては、1/3以上の独立社外取締役の選任を求めていますが、過半数選任されることを求める対象企業を拡大することを検討しています。
プライム市場上場企業に対しては、女性役員選任に関する行使基準を導入しています。 現在、女性役員については取締役、監査役、指名委員会等設置会社の執行役としています が、取締役のみに変更することを検討しています。また、政府が示した数値目標(プライム 市場、2030年までに、女性役員比率30%以上とする)に沿う、あるいはそれよりも早いタ イミングで段階的に数値水準を引き上げることを検討しています。現在はプライム市場上場企業のみに対し基準を導入していますが、それ以外の企業に対しても適用することを検 討しています。
私が太字で記した箇所がポイントですね。
社外取が過半数であること、女性役員の「役員=取締役」に限定するという点ですね。指名委員会等設置会社で女性執行役がいる会社は結構ありますが、彼女たちは役員にカウントしないということです。
これは昨年11月の方針ですので、今回の改定で全部が反映されるかは何とも言えないところとですが、こんな方向の改定にはなるのでしょうね。改定の方向性が公表されたらアップデートしたいと思います。