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リスペクトを忘れるな - 【推しの子】 #2 -

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。

前回から始まったシリーズ
「マンガは令和の哲学書!」

今回も引き続き「【推しの子】」の第2巻から
気付きを学んでいきましょう。

てっきり主人公だと思っていたアイが
まさかの結末を迎えて終えた衝撃の第1巻のあと、
その子供たちに中心に物語が動き出す第2巻。

高校生となったルビーとアクア。

「アイドルを目指したい」という
前向きなモチベーションで
行動を起こしていくルビーに対して、
アクアはアイを死に追いやった
真犯人を探すための復讐をするために
芸能界へと足を踏み出していく。

いよいよ物語が
本格的に始まった感がありますね。

それにしても この惹き込み方は、
見事という他ない。
こんな導入が note の文章でも書けたら、
きっと読者の心を掴めることでしょう。

この第2巻の中で、
私がもっとも印象に残ったのは
第18話「小さな称賛」

動機はどうあれ 役者として
活動をすることになったアクア、
その出演作品は「今日は甘口で」
通称「今日あま」という
少女漫画が原作のドラマ。

最終話直前まで惨憺たる評価だったこの作品、
急遽 加わったアクアの演技と
それにより引き出された 有馬かな の演技力

最後は 原作屈指の名シーンの感動を
見事に表現してみせた。

ちなみに私は「【推しの子】」の中では
「有馬かな」ちゃん推し!

たしかに子役時代は 生意気極まりなかったけど、
高校生になってからの彼女の活躍と苦悩は
見ていて心を打たれる。

それまでアイドルには
ほとんど興味がなかったけど
(カラオケの流行ソングを把握するくらい)、
こうした背景なんかも知ると
「応援したい!」って気持ちが
湧いてくるのかもしれないと分かったよ。

……巷のアイドルファンが、
そこまでの背景を知っているのかは知らんけど。

私が かなちゃんのことを
詳しく知っているのは、
あくまで マンガを通して見ているからだしね。

そろそろ話を戻そう。

「今日あま」ドラマの第1話撮影の際に
(悪い意味で)あまりの内容に
失望の表情を浮かべた
原作者・吉祥寺頼子 先生

世間の声や原作者のアシスタントが
口にする低評価、
そして 隠せない やるせなさに対して、
最終話を見た先生が言った
「わたしはドラマ化受けて良かったって思えた」
その後 ドラマの打ち上げで
「この作品は有馬さんの演技に
 支えられていたと思います
 ありがとうございました」

と 先生が かなちゃん にお礼を言うシーン

原作に関わったマンガ家関係者や
出演者でもファンでもある かなちゃん、
彼女たちの無念さが最後の最後に晴れて
本当に良かった。

この場面は、読んでいて
とても カタルシスを得られたよね。

さて 今回のテーマは、
この「今日あま」のエピソードを通じて
原作者への「リスペクト」
について考えていきたい。


そもそも

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