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[書評] 超ミニマル主義

みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。

私は本業の中で
制御設計をやっているのだが、
その中での哲学は
「よくできた制御はシンプルで美しい」である。

複雑な条件分岐や
アウトプットを実現しようとすると、
その制御(≒プログラム)は非常に複雑になる。

センスのない者がこれを作ると、
見るに耐えない代物ができあがる。
さながら
「出来の悪いサグラダファミリア」
とでも言えよう。

ところが同じ要求仕様に対して、
センスある者が作ったものは
非常にシンプルで見やすい。
同業者が見れば、そのシンプルさは
「美しさ」さえ感じる。

思考についても、似たようなことが言える。

往々にして人は考えれば考えるほど
思考は複雑に絡み合っていくのだが、
求めていた正解というのは
分かってしまえば 意外なほど
シンプルなものである。

そんなわけで私は
「シンプル」という概念自体を
愛しているのだが、
それが高じてか
「シンプルライフ」とか
「ミニマルライフ」とかいうものにも
好意的である。

自身はミニマリストでこそないが
なるべく身の回りは
シンプルでありたいと思うし、
やはり「シンプルなものは美しい」のだ。

そんな趣向を持つ私がこの本を見かけて、
思わず手に取ってしまったのは
無理からぬ話であろう。


ミニマルな脳みそ

よくネット記事などで
「ミニマリスト」という話題を目にすると、
思わず興味を惹かれてしまう。

私の家族は あまりそういう気は
ないようなので謹んではいるが、
個人的には割と共感できる思想である。

独身時代の引っ越しでは、
洗濯機と冷蔵庫以外は
軽自動車の後部座席で
十分事足りてしまう程度には
所有物が少なかった。

さすがに布団と座卓だけ…みたいな
境地まで達したいとは思わないが、
余計なものが一切ない空間というのは
心と共に思考もクリアになる感覚がある。

また それは物質的な話だけではない。

パソコンのデスクトップや
スマホのホーム画面もそうだ。
パッと目にするものの数が多いと、
思わずゲンナリしてしまう。

ある意味では私の脳が処理できる情報量が
少ないともいえるかもしれない。
(そういえば探し物をするのも苦手である)

それが悪いことなのかどうかはともかく、
そういう脳みそを持ってしまったからには
仕方がない。
今更 誰かが脳みそを
交換してくれるわけでもないし、
パソコンのメモリよろしく
私の脳が部品増設で拡張できるわけでもない。

今ある脳みそ・今ある能力で
生きていくためには、
自分に合ったスタイルを
身に着けていくのが一番手っ取り早いのだ。

そんなわけで少なくとも私には
ミニマルライフとか
ミニマル主義というスタイルは、
比較的 相性が良さそうなのである。

「こと」でも「モノ」でも「習慣」でも

さて今回紹介する本であるが、
著者オススメのミニマルライフの
考え方やライフハック、
それに合わせたアイテム等を
紹介してくれている本である。

私の場合は、特に
「装備とモノの軽量化」の章が
非常に面白かった。

仕事柄 電車での出張をする機会も
少なくないので、
その荷物を如何に身軽にするかというのは
積年の課題であったのだ。

具体的なメーカーや
品名も挙げているが、
それに固執せずとも
「こういうアイテムがある」
と知ることができるだけでも
非常に有益である。

あとは自分の好みに応じて、
似たようなコンセプトのモノを探せばいい。

「ミニマルにしていく」ということは、
自身の周りを「少数精鋭」で
固めていくということに他ならない。
無駄を削ぎ落し、最終的に残ったものが
「なんか違う」ものでは困るのだ。

たくさんアイテムがあれば、
困ったときには「どれか」「何か」は
役立つかもしれない。

だが ミニマルであれば、
手元にある「それ」が役に立たなければ
一巻の終わりである。

ミニマル主義というのは、
無駄を削ぎ落していく過程において
ひとつひとつの物事の
「本質」を見極めていくことに
最大の価値があるのではないだろうか。

なるほど、物事の本質を考える私にとって
相性が良いのは極めて当然のことだったのだ。

まとめ

なんだか いつもの書評に比べて
少しボリューム的に
物足りないような気もするが、
かといって冗長的に話を広げても
醜いだけだろう。

ミニマルがテーマの本だから、
書評もシンプルになる。

ここは「そういうものなのだ」
ということにしておこう。

こんな人にオススメ!

・ミニマリズムやシンプルライフに興味がある人
・ごちゃごちゃした生活をスッキリさせたい人

こんな人には合わないかも…

・ミニマリズムやシンプルライフに興味がない人
・ものが多い方が性に合っている人

お読みいただき、ありがとうございました。

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Naseka@令和の哲学者
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