[書評] 盾と矛 2030年大失業時代に備える「学び直し」の新常識
みなさん、こんにちは。Naseka です。
私は 哲学者・書評家・エッセイスト として、
自らを定義しています。
「人の価値は お金じゃ表せない」
なんて言うことがあるけれど、
実際のところ 人間の価値は
通貨を指標に扱われることがある。
(それが全てとは言わないが)
製造業の設備屋(生産技術)
という仕事柄、私は常に
「この人の作業を設備化するなら
いくら掛けられるか」
と考えてしまう。
言ってみれば その人の
(労働者としての)価値を
金額に換算しているわけで、
投資回収期間までの人件費よりも
安く設備化できれば、その人から
仕事を奪うことができる。
少なくとも機械で代替可能な
仕事しかできない人間に、
"労働力" という意味での価値はない。
かなり自虐的には表してみたが、
なんとも因果な仕事を
しているものである。
会社員として そんな日々を送る中で、
読んでみたのが この本である。
技術発展は人類の願い?
この世界の何十億人の総意は
分からないが、
少なくとも私の目には
"世界" は技術的な意味においては
発展を望んでいるように見える。
それは未来への期待だけでなく、
過去と現在を見ても分かる。
スマホやインターネットの恩恵を
日々 存分に享受している人々の中で、
「それらがない時代の方が良かった」
と本気で思う者が どれだけいるか。
鉄道や自動車、航空機を知ってなお
「徒歩や馬で移動していた
時代の方が良かった」
と本気で思う者が どれだけいるか。
電気やガスの恩恵を受けておいて
「中世の暮らしの方が良かった」
と本気で思う者が どれだけいるか。
もしいずれかの問いに否と思うなら、
あなたも技術の発展を
望んでいることになる。
私が よほど特異なコミュニティに
存在しているのでなければ、
おそらく 大半の人間は
該当するのではなかろうかと
周囲を見渡して思う。
自分に都合がいいように
ところがどっこい、
技術発展と雇用の喪失というのは
常にセットであるから、
人類は雇用の喪失を望んでいるとも
言えなくもない。
現代に電話交換手という
職業従事者が、
どれだけいるだろうか。
あるいは現代の映画界で、
活動弁士(活弁)を生業とする者が
どれだけいるだろうか。
時代によっては
欠かせない職業だった これらも、
技術が発展したために
「消えた職業」「不要な仕事」
となったのだ。
私の仕事にも通ずるところがある。
生産設備という技術を発展させて、
人間の仕事を
機械に取って代わらせる。
その仕事においては…という
但し書きがつくとはいえ、
「その人を不要にする」とも
「その人の仕事を奪う」ともいえる。
日本は労働者に とても優しい国だから
ひとつの仕事が設備化(自働化)
できたからといって
そう簡単に解雇はされないが、
(だからこそ)
ひとつの仕事しかできない者は
その存在価値を否定される。
だって、価値がないのに
簡単にクビにできないのだもの。
価値のない人間に
給与を払わなければならない
経営者側にしてみれば、
「さっさと辞めてくれないかな」
と煙たがられるのが せいぜいである。
(私は経営者ではないけれど)
時代への対応力
だいぶ偏った見方をしてきたが、
技術の発展は雇用を
喪失させるだけではなく
新たに生み出すことでもある。
電話が誕生する前に
電話交換手という職業が
この世に存在しなかったように、
電気が普及する前に
電気主任技術者という仕事が
存在しなかったように、
消える仕事があれば
生まれる仕事もある。
まさに これからの時代であれば
AI によって失われる仕事は
たくさんあるのだろうが、
代わりに AI技術や それを支える
ハード面などに関わる仕事は
増えていくはずである。
なんてことはない。
少なくとも私たちが生きている
もうしばらくの間は、
雇用がなくなることなんてない。
あるとすれば
「 "自分にできる" 仕事がなくなる」
ことくらいだろう。
愚者を選ぶか 賢者を選ぶか
この本は 近い将来の仕事が
主題ではあるが、これまでの話は
人類が既に何度も経験してきた
歴史である。
おそらく人類は今後も
(私の想像を遥かに超えぬ限りは)
技術の発展を望み続けるだろうから、
この雇用の喪失と誕生のサイクルも
連綿と続いていくに違いない。
そうと分かっていれば、
今の仕事に胡座をかかず
新たな時代の流れに
ついていけるように
自己研鑽を重ねていけばよい。
「愚者は経験に学び、
賢者は歴史に学ぶ」
とは有名な言葉だが、
これほど分かりやすく
繰り返す歴史に
学ぶことをしない愚者は
需要がなくなっても
致し方ないだろう。
そういう私は、雇われの身から
抜け出そうと考えている。
はたして私は、AI 時代の淘汰から
生き延びることができるのだろうか。
こんな人にオススメ!
・将来の仕事に不安を感じる人
・リスキリングの必要性を学びたい人
・自分の仕事は
一生 安泰だと思っている人
こんな人には合わないかも…
・リスキリングに興味がない人
・将来の不安について考えたくない人
お読みいただき、
ありがとうございました。
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