kemio著『ウチらメンタル衛生きちんと守ってかないと普通に土還りそう』を読んだ
私がkemioに出会ったのは大学生の頃。
友人がkemioのことが大好きでいつもパワーを貰っていると話していた。
当時の私はYoutuberと呼ばれる人たちに全く興味がなく、Vinerとして実力を発揮しSNSでも話題になる人という印象しかなかった。
あとは、よく喋る陽キャ的なイメージ。
とにかく自分に自信がある人なのだろうな、何も見ずにそう考えていた。
さらに私がそう思った理由は、私が大学時代に出版されたkemioの初エッセイ『ウチら棺桶まで永遠のランウェイ』を読んだ時だ。
かなり尖った?というか勢いを感じて、私とは住む星の違うかけ離れた存在のように思えた。とにかく、当時人生の中で一番ネガティブだった私にとってとにかく眩しく、羨ましく、強い思考を持った人間であると認識して苦しくなったのを覚えてる。
そんな私が大学を卒業し、社会人になってからkemioと再会を果たす。
私はいわゆるコロナが始まった年に社会人1年目を迎えた。
一人で上京し一人暮らしを始め、友人も何人かこちらには来ていたが緊急事態宣言で遊んだり会ったりすることもできなかった。
また夜勤をしていたこともあって人との予定も合わせづらく、職場以外ではとにかく一人だった。休みの日も一人、職場の人以外と話す機会がないまま何ヶ月も過ごしたのだ。
正直一人でも全然気にならない性格なのだが、あまりにその期間が長すぎて誰かどうでもいい話をしてくれ!私に独り言でもいいから突っ込ませてくれ(関西人魂)
そう思うようになった時、友人の言葉を思い出した。
『ケミタンは爆速で永遠に話しかけてくれるから、面白いしラジオ感覚で見れるよ』と言っていたことを思い出した。
休みの日はアイドルの動画を見ために永遠にYoutubeに張り付いていたし、もう推しの動画もほとんど見てしまったし、見てみようかな…
そう思ってkemioの動画を見始めたら、そこは面白いくらい優しさで溢れた空間だった。kemio自身が自分で感じたモヤモヤや面白いと感じたことをみんなに語りかけて共有している姿に不思議と勇気を貰うのだ。
一人でお話しする姿もいろんな人や方面に気を配っていて、誰かとお話しするときも気配りや優しさに溢れていて互いを認め合って、誰も置いてけぼりにしない空気感の動画は見ていて不思議と癒される。
また、勢いがあってとにかくガンガン行こうとする印象があったkemioが私と同じようなことでモヤついたり、自分の中で感情を処理しているんだなと感じた瞬間、苦手意識が消え去りそんな中で『ウチら全員セレブ』と言ってくれるその心に感動した。そこから動画も全て拝見すると、昔になればなるほどkemioと考えが合わなくなっていったから、kemioは彼自身の中で考え方や心が変化したのだろうと感じたし、私の考え方や感じ方もかなり変わってきていて、お互いが中和した状態でkemioの動画に行き着いたからこそ分かり合えるようになったのだとも感じた(なんか偉そうな文章になった、ケミたんごめんね)
そんなこんなでkemioの変わりゆく考え方に興味を持った私は、今年発売されたエッセイ『ウチらメンタル衛生きちんと守ってかないと普通に土還りそう』を読んだ
(相変わらず強烈なタイトルだなぁ天才)
一言でまとめると、最高だった
なんだか私が普段考えてること、人生だったりSNSだったり交友関係だったり、ここまで完全に同意できるエッセイは無かったように思う。
私はエッセイが好きでよく図書館などで読むのだが、大体筆者の強い信念や考えが描かれており、「なんかそれは偏屈じゃない?」や「その考えはあなたはいいかもしれないけど表に出すべきじゃなくない?」など考え方のギャップを感じで(それが面白いんだけど)しんどく感じでしまうことがあった。もちろんみんな表現の自由内で著書の中だけで強い主張などをしているとは重々承知しているんですが…
そんな中でkemioのエッセイはスッと心に入ってきた。
悶々としていることに対して私が出した答えがkemioの考えと重なることが多く、私以外にもそう考える人がいるんだ、とも思えたしそれがインフルエンサーと呼ばれみんなの憧れのkemioだからこそ嬉しいのかもしれない。
例えば私はどんな些細なことでも嫌なことを言われたり、会った後に楽しいより疲れたが勝つ人間とは徹底的にさようならしてきたタイプだ。
昔は私い関わってくれる人みんな大切にしたいから頑張っていたけど、もう疲れてしまった。そのように対応してきた自分ではあるが、たまに「あまりに薄情では?」や「そうやって人のこと切るとか最低」「ひとりぼっちになってしまうのでは?」など不安になったり自暴自棄に陥ることがあった。
しかしkemioの本を読むとそんなこと気にしなくていいし、みんなそうやって生きて行くべきだし、そうやって気にしてしまうことも別に普通だし気にしなくて良いんだな。自分は自分のことをとにかく大切にしよう!そう思えるのだ。
正直、弱気というかあまりそうゆう考えは好まないと思う方もいるかもしれない。
そうゆう発言は逃げだ、という人もいるかもしれない。その気持ちも理解できる。
でも、1度きりの人生で自分のことを1番大切にすることの何がいけないのだろうか。逃げてるわけではなく必要最低限にしているだけなのではないだそうか。
今世界をまたにかけ活動するkemioは、どう見ても挑戦し続けているkemioは、他の誰から見たって絶対に逃げていない。そんな彼と同じ思想で生きているというだけで私にとっては勇気になるし、励ましにもなる。
たまに自分の意思や感情が行方不明になった時にはこの本を開こうと思う。
私の思いの履け口となってくれることに間違いはないだろう。
もし思い悩むことが多い人にはぜひ読んでほしいと思うし、まだkemioの考えているところまで行き着いていないだけの人がどれだけいるのだろう。自分の考えを否定してしまったり、人の目を気にしてしまう人にぜひ読んでもらいたい。
言葉と行動であんなに人を元気づけられるケミたん。本当に大好きだし、今後も等身大のkemioで私たちの前を歩いていってほしい。