健康マインド(心に残る言葉❗)川端康成「花は毎年必ず咲きます。」
(川端康成)の掌の小説に収められている作品「化粧の天使達」の中に出てくる一節。
「別れる男に、花の名を一つは教えておきなさい。花は毎年必ず咲きます。」
これは別れてしまう男に、花の名前を覚えさせる事で、毎年その花が咲いた時に自分の事を思い出させる事ができるとの意味です。
「さよならの美学」とも呼べる女の呪い❗
くだくだと恨み言を並べるよりも効果的な(仕返し)と言えます。
この方法を考案した川端康成は両性具有とも思える感性の持ち主です。
この才能を文筆にこめて川端文脈が完成されました。
今は9月ですから、今月男と別れる女性は、例えば(夕顔)を教えましょうか。
会社帰りの男がぶらぶらと商店街を歩いて自分のアパートに帰ってゆく。
夕暮れになっても涼しい風はなく、男は背広を脱いで片手に持って、顔の汗を拭う。
八百屋の店先に鉢植えが出してある。
女が教えた(夕顔)の花だ。
男は女がよく作った煮物の味を思い出した。
「もったいない事をしたな〜。」と男は別れを悔やんだ。
こんな情景が見えました。
私はこの「さよならの美学」を具現化する「別れる男に花の名を教える」方法と「花は毎年必ず咲きます。」と念押しする川端の感性に酔います❗
追加して川端康成の横光利一に対する送辞にも酔います。
横光君
ここに君とも、まことに君とも、生と死とに別れる時に遭った。君を敬慕し哀惜する人々は、君のなきがらを前にして、僕に長生きせよと言う。これも君が情愛の声と僕の骨に沁みる。国破れてこのかた一入木枯にさらされる僕の骨は、君という支えさえ奪われて、寒天に砕けるようである。
君の骨もまた国破れて砕けたものである。
文豪の言葉は人生を豊かにしてくれます。
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