伊勢丹のセレブリティパワーに魅了。だが私にはまだ早い。



Amazonで購入した革靴が半年足らずで壊れた。

確か3,000円くらいの激安品で、家に届いて手に取った時に、安っぽい作りだと感じた。

実際履いてみたら案の定すぐに踵もすり減るし、雨降ると靴の中に水が入って濡れる。

3ヶ月で見た目も随分と見窄らしくなり、外で履くにはみっともない位朽ち果てていた。

早くも買い替え時だなと思い、革靴を買う事に。

今回は多少高価だろうが物持ちの良いものを買おうと試みる。

「値段が高ければ高品質、安ければ低品質とは限らない」とは十分承知はしている。

だが、安い革靴をネットで購入した事で今回買い物に失敗した。

その為、今回は出費を惜しんでも高価なモノを買おうと試みる。

近所の靴屋でも良いが、高価なモノを買おうと思い伊勢丹に行こうと試みた。

COWCOW多田さんのスーツでお馴染みの伊勢丹。

これから相棒となる革靴に出会う為に店内に足を踏み入れる。

中に入った途端、私は伊勢丹のセレブリティな店内に萎縮した。

ブランド物のバックの店、華やかなスーツの店など、セレブしか来ないような格式高い店が多く立ち並んでいた。

さすが伊勢丹。来店2秒で私が来るような店ではないと思い知らされた。

エスカレーターを降りて靴屋に向かう。

そこの店員も全員ジャケットで、格式高いコーディネートでキメている。

お上品オーラを全面に放っていた。

陳列された靴を見るが、やはり1足4万するような高級品ばかりだった。

多少無理する額で買おうとは思っていたが、予算1万以内と決めていたのは間違いだった。

1万以下の革靴はあるのか店員に訊こうとするも、店全体から放たれるセレブリティパワーを浴び続けて、話しかける勇気がない。

それでも意を決して1人の店員に一声掛ける。

「ぅああの〜… す、すみません。何か、え、あ、あの、1万以下で…くぅ、買えるっ、革靴ございませんか…?」

話しかける際、店員と目を合わせられなかった。

「そうですねぇ。すみません取り扱ってないですねぇ。」

1ターンで会話が終了。

店員に会釈をして逃げるように伊勢丹を後にする。

私に伊勢丹は100年早い。

いつか伊勢丹で買い物できるようになりたいとまた一つ夢を描いた。

伊勢丹を出て暫く歩いた先の洋服の青山に行く。

陳列された革靴の値札を見ると、1万円前後で買える物が何点かあった。

試し履きもさせてくださり、デザイン、値段、モノ持ちの全てを考慮した上で決めた1足を購入。

値段は約1万1千円。

私服と合わせて革靴を履く事もあり、私服の上と下共に1着1万以上で購入した物はない。

服は着る・履く年数なんて軽く1年は超える。

身につけるもので靴が1番高価であり1番寿命短い。

そして1番、目に留まりにくいのに。

皮肉なモンだ。

身だしなみは靴から。金を惜しんででも清潔感。それが大事。



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