女性に嘘をつくことは男である以上してはいけない。

女性に嘘をつくことは男である以上してはいけない。

この前、夜に繁華街を歩いていたら、夜の店の女性が「40分2000円!」と書かれた看板を持って立っていた。

露出度の高い服を身に纏い、通りすがろうとする僕を甘えた目で見つめてくる。

そういう店に無関心でない僕は女性の前で足を止めた。

「こんばんはー❤️」

女性は満面の笑みで僕にそう呟く。

「こんな所にこんな店があったんですね。」

話しかけられたもんだから僕も応答する。

「そうなんですよー❤️ よかったら中入ります?」

女性は慣れた口調で入店を迫ってきた。

ただ、こういった店は一般的な飲み食いをする店と比べて値段が高い。

当然頻繁には行けるような所ではない。

また、その当時僕は店に入る気分でもなかった。

僕はこう言って入店を拒否した。

「来週になったら来ます。」

そして僕は女性の前から離れて歩き出した。

ただ、僕はこの発言をして後悔している。

「来週来ます」と言ったのだから、その女性にとっては僕が来週来ることを今から待ち侘びることになる。

しかし、僕は今節約しなければならない時期なので来週になっても行く気はしないのだ。

その場しのぎで言ったつもりなのに、いつの間にか来週行く約束をしてしまった。

なんで無意識にこんな事を言ってしまったのか。

でも、その女性だって連日多くの客を相手にするわけだから、僕が「来週来ます」と言ったことを明確に覚えているとは限らない。

ただ、僕は行く気もしないのに「来週来ます」と嘘をついたことにどうも蟠りを感じるのだ。

その一連のやり取りがあったのが先週で、気づいたら今週がその約束をした週になっていた。

昨日9月2日(月)、仕事終わりに再びあの店を訪れようと、店のある最寄駅で降りていた。

だが、店内に入る気はない。

僕が店に行く目的は、店の前に立ってたあの女性に、店の外で偶然を装って会い「あっ、ここ先週も通ったなぁ。確か行くってあの時言ったけどなぁ…ちょっとお金がないのでまた今度来ます。」と言おうと試みた。

「また今度」というフレーズを提示することにより、時期を不明確に出来るので、店に行く予定を決めることにならない。

また、先週に「来週来ます」と言っており、約束通り来たものの、金がないので中に入れないという納得させるであろう理由もつけられる。

僕の蟠りを消し去る最善策だった。

店に向かって歩いている途中、一連のセリフを脳内で呟いてシミュレーションする。

途中、腹ごしらえに男らしく行く道中にあったステーキ屋でステーキを腹に詰める。

ステーキ屋をあとにして、遂にあの店に到着!

しかし、店の外には誰も立っていなかった。

携帯で営業時間を調べても、間違いなく開店してる時間だった。

おかしい。

数分店の前をウロウロしても一向に女性が店から出てこない。

おそらく今、店の女性全員が店内で客と話していて外に立つ担当がいないのか?

僕は痺れを切らして店をあとにした。

先週から抱く蟠りは未だに残っている。

だけど、今後もし1回も店を訪れなければ、先週の約束を破り嘘をついたことになる。

今後暫く、あの店の前をウロウロする日々が続くだろう。

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