実験! 進化思考 / 名著 進化思考のLogicを 実験で確かめる(その4:番外編/粘菌の能力に学ぶ (Eテレ・サイエンスZEROより) -1)
粘菌の力は 進化思考のヒントの塊
2022年のネタですが、2024年2月に 再放送され、これは 進化思考的に見逃せない内容だ! と言う事で、記事としてメモしておく。
「サイエンスZERO] 世界最大の単細胞生物“粘菌”!
実は賢い!?驚きの情報処理能力を数式で表す!
謎多き粘菌の世界をご覧あれ!」
(1) 粘菌は 人類より遥か昔から生きる原始的生き物。
(2) 単細胞(には とても思えないが…)。
(3) 脳も 神経も無いが、情報処理能力を持つ!?
(4) 粘菌を研究する事で 「生命の知的なるものの根源に至れる」(by 北海道大学・中垣俊之 先生)
(5) 粘菌を使った コンピュータも研究されている。
(6) 自然界では 住宅地の並木とか 公園とか… どこにでも居る。
(7) 1mm以下 ~ 数cm のものまで 大きさは様々(であるが、いずれも単細胞)
(8) 単細胞のまま(様々な外的要因に適応して)姿を変える。
(9) 自分と異なる性の個体と接合して 細胞の中の核のみ を分裂して 巨大化し、"変形体" に姿を変える。
(10) 餌として キノコを食べる場合も有る。
(11) 環境が悪くなると "子実体"という器官を作って 胞子を散布して生き残る。
(12) 研究者:北海道大学・中垣俊之 先生。 (イグノーベル賞も獲得!)
(13) バクテリア、細菌、カビ、キノコ と 食べたり/食べられたり している。
(14) 粘菌が生きている環境は 非常に多様。
(15) 途中に棄権な物が有るか 等、ジレンマに陥る状況も少なからず有る。
そういう状況で どう行動するか? は、1つの情報処理と考えられる。
(16) 情報処理は出来るが、神経系とか 脳を持っている訳では無い。
よって、どこで どう処理しているか? を知る事は有意義である。
(17) 中垣先生は、粘菌の情報処理の能力を 数式で表す事に成功した。
(18) 迷路の上に粘菌を点在させ、別な場所に餌を置くと、粘菌は 最短ルートで効率良く餌を取り込む様に 自らを変形させる。
(19) 粘菌は、餌までの距離が遠いルートでは 体内の栄養分が流れる管を細くし、近いルートでは 管を太くし、効率良く餌を体内に取り込む。
(20) 管が太くなったルートをたどると、「迷路を最短で結ぶ 情報処理が実行されている」事になる。
(21) さらに、"迷路の道幅" の中でも 最短ルートを取る様に 最適なカーブを描いて効率化している。(いわゆる 最適化学習)
(22) このルート探索の論理が 上記(17)に記載の式で表されている。
(23) 基本的には 栄養分を効率的に取り込める管を太くし、そうで無い管を細くする/無くす。 この単純な仕組みを随時繰り返す事により 結果的に管の配置が最適化される。 また、この動きは 脳が指令している訳では無く、法則に従って自律的に活動した結果。→ 「流量強化則」
→ この辺りが Try & Errorで成長を生み出す 進化(思考)っぽい!
(24) 「物理の世界の運動方程式に 生き物らしさを加える」事により、新たなアルゴリズム・計算方法として 人工知能の問題解決アルゴリズムとは 全く違う計算方法が解って来る。 → 「ジオラマ行動力学」
(25) 複雑さに対応して 原生生物の行動が発揮される。
→ それを評価・数式化して アルゴリズムとして確認する。
→ 知的と呼べるか ? だが、「原生的な知能」と命名。
(26) これが 細胞の中で行われているという事は、あらゆる生き物の共通した情報処理のやり方 かも知れない。
その他の関連情報。
(27) 生物粘菌コンピュータ / Amoeba Energy
(28) 電子アメーバ / 北海道大学・葛西誠也先生。
生物の中の ゆらぎ(3歩進んで2歩下がる)を取り入れる事により 効率的に計算可能。
→ 「巡回セールスマン問題」 の最適化計算
→ この計算手段として、"半導体として チップ化" する事も目指している。
(29) 細胞性粘菌 → 飢餓状態になると 単細胞体が多量に集まって 多細胞の様な特徴になる。 → 進化の初期に多細胞化する原型として 解明のヒントとなる。
→ いや、実に進化思考と相性の良いテーマである。
この 一連の研究の結果、「進化思考チップ」が出来ると 素晴らしいだろうなぁ。 ☺
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