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対応次第で人生が変わる?甘く見てはいけない万引き事件

こんにちは、弁護士の髙野です。
万引きという言葉を聞くと、多くの人はコンビニでガムを盗んだり、本屋で雑誌をカバンに入れて逃げる高校生の姿を思い浮かべるかもしれません。しかし、この「万引き」という言葉が、「闇バイト」や「いじめ」、「体罰」などと同様、犯罪行為を軽く見せてしまう効果を持ってしまっているかもしれません。万引きは、法律上「窃盗罪」と呼ばれる刑法犯です。れっきとした犯罪行為なのです。
では、万引きはどのように発見され、刑事事件としてどのように進展していくのでしょうか。弁護士として数多くの万引き事件を扱ってきた経験から、その実態をお話しします。

万引きGメンに目撃されて発覚する

まず、万引きが発覚する最も一般的なケースは、いわゆる「万引きGメン」と呼ばれる店内警備員による現行犯逮捕です。彼らは専門的な訓練を受けており、店内で不審な動きをする人物を巧みに監視します。しかし、単に商品をバッグに入れただけでは声をかけません。「かごがなかったから一時的に入れただけ」という弁解の余地を与えないためです。
万引きGメンは、犯人が商品を隠し持ったまま店舗や敷地の外に出るのを待ちます。そして、店舗から少し離れたところで「会計が済んでいない商品がありますよね。」といって声をかけるのです。犯人はその後バックヤードに連れて行かれます。その後、警察に引き渡されることになります。

初犯の場合、逮捕されないことが多い

ここで重要なのは、必ずしもその場で逮捕されるわけではないということです。逮捕されるかどうかは、万引きの場合、前科の有無や犯行の態様によって左右されます。例えば、過去に複数回の前科があり、今回の事件で実刑判決が予想される場合は、逃亡のおそれが高いとみなされ、逮捕される可能性が高くなります。また、警備員に声をかけられた際に逃げようとするなど、逃亡の意思を示す行動をとった場合も同様です。
しかし、これらの事情がない場合、多くは逮捕されずに帰宅することができます。ただし、これで事件が終わったわけではありません。その後も警察や検察からの呼び出しに応じなければならず、捜査や取り調べを受けることになります。

罰金であっても前科となる

初めて万引きで捕まった場合、多くは罰金刑で済むことが多いです。しかし、これでも前科がつくことになります。また、盗んだ物の金額が高額(おおよそ10万円以上)の場合は、初犯でも裁判を受ける可能性があります。

繰り返せば行き着く先は刑務所

注意しなければならないのは、万引きを繰り返すと、最終的には刑務所に入る可能性が高くなるということです。初犯で軽い処分で済んだからといって、決して甘く見てはいけません。

前科を回避するためには弁護士に示談交渉の依頼を

もし本当に万引きをしてしまった場合、どうすべきでしょうか。
最も重要なのは、前科がつくことを避けることです。そのためには、被害者であるお店との示談交渉が不可欠です。 示談交渉は、被害者の気持ちを害さないよう配慮しつつ、許しを得る手続きです。最終的には示談の結果を書面にまとめ、検察官に提出して不起訴処分を求めていきます。この過程は非常にデリケートで、法的知識と経験が必要です。そのため、必ず弁護士に依頼することをお勧めします。

繰り返すのを防ぐためにも弁償を行ったほうが良い

よく、「前科がつけば反省が深まる」という意見を言う人がいます。しかし私の経験上、必ずしもそうではありません。むしろ、謝罪文を書いたり、家族が賠償金を肩代わりしたりする過程で、自分の行動が周囲にどれほど迷惑をかけたかを実感し、それが真の反省につながることが多いのです。もしお子さんなどが万引きをしてしまった場合には、しっかりと対応していることを見せることで、二度とそのような行為をしてはならないと学んでくれると思います。

まとめ

最後に強調したいのは、万引きは決して軽い犯罪ではないということです。「万引き」という言葉の響きに惑わされず、れっきとした犯罪行為であることを認識する必要があります。一度の過ちが人生を大きく左右する可能性があることを、特に若い世代の方々に知っていただきたいと思います。 そして、過ちを犯してしまった場合には、その傷が最小限のもので済むよう、弁護士を付けてしっかりとした対応をすることが重要なのです。

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