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新潟県長岡市初の自社醸造ワイン「T100K」の魅力と生産者のこだわり

皆さん、ワインはお好きですか?
イタリアやフランス、カリフォルニアなど様々な国のワインがありますが、日本のワインもとてもおいしいです。

日本のワインと言えば、山梨県、長野県などが有名ですよね。
実は酒どころ新潟県にも、おいしいワインがたくさんあります。

今回は、新潟県長岡市栃尾で2023年から待望の自社醸造を開始している、とちお農園株式会社の白ワイン、「T100K」の魅力と生産者のこだわりを紹介します。

とちお農園株式会社の白ワイン「T100K」とは

新潟県長岡市栃尾にワイナリーを構える、とちお農園株式会社が醸造する白ワイン、それが「T100K」です。

栃尾大倉産のケルナー種葡萄を100%使用した白ワインで、「栃尾ケルナー100%」がそのまま名前の由来となっています。

大倉は、火焔土器で有名な栃倉遺跡があり、狩猟採集生活を送った縄文の人々から現代に受け継がれた、歴史ある豊かな土地です。その大倉で生まれ育った葡萄が生み出す、とても新鮮でフルーティーなのどごしを楽しめる白ワインです。

とちお農園株式会社のあゆみ

新潟県長岡市栃尾本町で葡萄を栽培し、その葡萄を100%使用した白ワインを販売している「とちお農園株式会社」。

2001年に栃尾に新たな特産品を作るべく住民有志の出資で葡萄の栽培をはじめ、翌年秋に最初のワインを生産しました。
2017年直営店を設立し、平成30年には代表取締役を若い世代へ継承しました。この時から、自社醸造を目指し、葡萄畑を広げていきます。

2023年12月、いよいよ待望の長岡市初の自社ワイナリーがオープン。2023年醸造分より、新たに赤ワイン2種類も生産します。現在はケルナーの他、メルロー、タナの栽培も手掛けています。

より地域に貢献できる物産を目指し、大きな一歩を踏み出したとちお農園株式会社。
そのますますの活躍に、目が離せません。

ワインファームとちおの内覧会に行ってみた

数年前から、T100Kの大ファンだった私。2023年12月の自社ワイナリーオープンを控え、8月11日〜8月13日に行われた内覧会に実際に行ってみました。機会があればT100Kについて色々お話を伺いたいと思っていたので、今回は絶好のチャンスでした。

今回の内覧会では、ワイナリーは大竹様、農園は社長の馬場様にご案内いただきました。

①ワイナリー見学

長岡駅から車で30分ほどの旧栃尾市に、2023年7月に完成したばかりの自社ワイナリー、「ワインファームとちお」はあります。

2022年産のT100Kを試飲しながら工場を見学しました。(私は車の運転があったので、試飲はできませんでした)

今回はまだワインの醸造が始まる前の時期だったので、作業そのものは見ることができませんでしたが、その代わり、工場の中まで見学できました。

自社の畑から収穫した葡萄を破砕し、圧搾→発酵→熟成→ろ過→瓶詰めと、全ての工程をこの自社ワイナリーで行っています。

中でも私が一番驚いたのが、瓶詰め作業です。

まずは瓶を熱湯で殺菌し、干してしっかりと乾燥させます。それから出来上がったワインを詰めて行きます。

そして、全ての工程を終え出荷する前に、1本ずつ、職人さんたちが目視でゴミや汚れがないかをチェックするそうです。

とても細かく、根気のいる作業です。
こういった職人さんたちの努力を経て、T100Kが私たちの手元にやってきます。

②葡萄畑見学

ワイナリーを一通り見学させていただいたあとは、車で10分ほどの葡萄畑へお邪魔しました。
大竹様は移動の車中でもたくさんお話ししてくださり、とても気さくな温かい方でした。

中でも「ワインに詳しい人も詳しくない人も、もっと気軽に飲んで欲しい」という大竹様の思いには私も胸を打たれました。
普段は日本酒を日常的に飲んでいる私ですが、ワインももっと積極的に飲んでみたいなと思いました。

そんな話をしているとあっという間に葡萄畑へ到着しました。
想像していたよりもずっと広い畑で、たくさんの葡萄が栽培されていました。

とちお農園株式会社では、3種類の葡萄を栽培しています。

・ケルナー
白ワインであるT100Kの原料で、ドイツが原産国です。
黒葡萄のトロリンガーと白葡萄のリースリングの交配で生まれた、雪国の厳しい環境下でも良く成長する品種です。味見もさせていただきましたが、フレッシュで少し酸味を感じる葡萄でした。

・メルロー
フランスボルドー地方が原産の赤ワイン用の品種です。
2023年産から赤ワインの販売も行うため、数年前から栽培を開始しました。メルローは熟するのが早いため、糖分たっぷりに仕上がりやすいのが特徴です。ベリーのような甘味と酸味を感じる葡萄でした。

・タナ
フランスの南西地方を原産とする赤ワイン用の品種です。
「タンニン」が名前の由来となったと言われているほど渋みがしっかりあるのが特徴的。
抽出や熟成を工夫することで渋みを魅力にし、丸みのある飲みやすいワインにすることができます。
たしかに、今回味見した3種類の葡萄の中で一番渋みを強く感じました。
これがどのようなワインになるのか、楽しみです。

これらの葡萄は全て社長の馬場様が自らお世話をしています。

中でも工夫を感じるのが、マンズレインカット。
雨の多い日本の気候から葡萄を守り病気を防ぐために、全ての木にマンズレインカットという雨よけを施しています。

世界で雨よけをして葡萄を栽培しているのは、日本のような雨の多い気候の国だけです。
そんな日本で開発されたのがマンズレインカットです。
毎日馬場様が葡萄の状態を確認し、最高の状態で収穫できるように手をかけ時間をかけて栽培している様子が伺えました。

実際に飲んでみた

生産者さんのお話を伺うと、やはりT100Kを飲みたくなります。そこで、ワイナリーで販売されていた、2022年産のT100Kを1本購入しました。

今回購入したのは、T100Kハーフボトル。キャップタイプなので、ワインオープナーを持っていなくてもいただけるのが嬉しいですね。

そして、肝心のお味。
ほどよい酸味を感じるものの、決して酸っぱくはなく、後味はすっきりフレッシュ。甘みはほとんど感じず、キリっと爽快な味わいなので、食中酒にピッタリです。
アルコール度数も12度と軽めなので、ついつい飲みすぎてしまいます。

大竹様おすすめの栃尾名物、「栃尾のあぶらげ」との相性も抜群。
栃尾のあぶらげは今まで日本酒と合わせることが多かったのですが、T100Kのさっぱりとした飲み口とも良く合います。
他にも白ワインに合わせやすい魚料理はもちろん、肉料理やパンなどとのペアリングもおすすめです。

2023年産からは赤ワインも仲間入りするので、ペアリングの可能性はまだまだ広がります。

また、年によって収穫されるケルナーの品質によって毎年違った味わいのT100Kを楽しむことができるので、早くも2023年産が待ち遠しくなりました。

まとめ

今回はとちお農園株式会社が手掛ける「T100K」と生産者のこだわりをご紹介しました。

実際にワイナリーや葡萄畑を見学させていただき、お話もたくさん聞かせていただきましたが、最大のこだわりは、栃尾大倉産のケルナー種葡萄を100%使用している点にあると感じました。

自分たちの手で大切に育てた葡萄を自分たちの手で醸造し、飲み手に届ける…。
こんなに贅沢なワインはそう多くはないと思います。

2023年産からは赤ワインも仲間入りをし、「T100シリーズ」として生まれ変わるということで、今後もとちお農園株式会社から目が離せません!

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