『悪魔の数学書』 この物語は、人間が好きな不運・不憫な悪魔が教科書が依り代になってしまうも、何とか少女と協力し、自分を消しに来る人間をはねのけ、少女との絆を深めていく物語 プロローグ 前回の転身時はどこもかしこも焦げ臭かった。その頃は鼻が利きすぎていたので、あの焦げの哀しい匂いは鮮明に覚えている。四つ足でせっせと歩きまわったものの、人っ子一人見つからない、そんな時代だった。我は何度も死ぬかと思った。まあ死なないのだが。 あの頃からもうすぐ百年経つ。人間とは凄いもので、焼