AGT&BGTをご紹介!
皆様はアメリカズ・ゴット・タレント(以下AGT)、ブリテンズ・ゴット・タレント(以下BGT)をご存じでしょうか?
それぞれ、アメリカ、イギリスで放送されている番組で、これらの番組のほかにも各国でのバージョンが存在します。残念ながら日本バージョンはございませんが……。
その中でも今回はアメリカ、およびイギリスに絞ってご紹介させてもらいます。
①概要
そもそもゴッド・タレントとはどういうものなのか、ですがこの番組の審査員も務めるサイモン・コーウェル(Simon Cowell)氏を中心に制作をされた番組であり、アマチュアや世間での知名度がそれほど高くない人物、グループたちのオーディション番組です。このオーディション内容は歌だけに限らず、ダンスやマジック、コメディ等々。ジャンルを問うことなく幅広く募集されており、優勝賞金及びアメリカ版ではラスベカス・ストリップでの公演、イギリス版では皇室での公演を約束されます。もちろん、それらはとても大切な要素ではあるのですが、優勝者だけでなく選考を勝ち残ったり、視聴者に強く印象を残した人物たちはその後知名度も高くなり公演を持てたりテレビ番組に沢山出演されたりもしています。
ちなみに、この番組ですが、時々日本のテレビ番組、『奇跡体験!アンビリバボー』でも取り上げられたりしています。どこかで見たような……という方はこの番組で覚えているかもしれませんね。
さて、言ってしまえば素人やセミプロたちの演技、なのですが、ここに出演される方々のパフォーマンスは驚くものが非常に多いです。もちろん、中には素人の演技……というものもありますが、どうしてこのような人物がこれまで無名だったの!?というような人たちもいますので、見ていて飽きることがありません。でも、どのような人たちがいるの……というものに関しては後述いたします。次のステップは選考方法について。
②選考方法、そしてゴールデンブザー!!
選考方法に関してはシーズンによって多少のばらつきがございますが、大体の流れはプロデューサーオーディション、審査員オーディション(一次予選)、二次予選、ジュ準決勝、準決勝、決勝というながれになっております。プロデューサーオーディションは番組放送には含まれないもので、ここをクリアーしないと審査員の前に立つことすらできません。
そして審査員オーディションですが、ここからが番組放送されるかもしれないライン。というのも編集によってカットされる可能性が存在するためです。ここでの流れはインタビュー(演技内容などによっては一部省略)→演技→講評→審判という流れで行われます。ただし、この演技ですが、全部見せることが出来るとは限りません。というのも、審査員の前に置かれた赤いブザーを押すと×がともり、四人全員が押すとその時点で演技が強制終了となり失格となります。基本的には。そして審判では審査員四人中、三名以上のYESをもらうことにより次の審査へと進めます。そして、もう一つ、ゴールデンブザーを押されることでも審査をパスすることが出来るのですが、こちらの詳細に関しては後述いたします。
そして二次審査。こちらも収録で、審査員らの前では二回目の発表となります。この審査が鬼門となっており、初回とはことなり、何をしてくるかが分かっており、かつ一次審査を乗り越えた人たちの中で目立ち、かつ一次とは異なる新しさを出す必要性があります。そしてここをクリアーすると、次からは生放送となります!
準々決勝、準決勝、決勝では視聴者投票により優勝者が決まっていきます。もちろん、この辺りもシーズンによっては異なることもございます。
さて、では先述したゴールデンブザー(以下BG)とは?
こちらは、シーズン9、2009年から救済措置として導入されたもので、他の審査員らから不評であり敗退濃厚となった出場者を独断で合格し次の審査へ進ませるというものです。なお、シーズン10以降は生放送への進出決定となります。これによって現在では、最も印象の残ったパフォーマーに対しての賛辞といったものに変化しており、これが押されると一夜にしてスターとなることもあります。というのも、GBというのは1シーズンあたり、各審査員+司会者が一回ずつしか押すことが出来ないという縛りがあるため。これが押されるということは非常に強い興味を持っているということになります。事実、GBを押された人物の多くは決勝へと駒を進めており優勝者もおります。すごい価値がある分、これが押されると会場はとても盛り上がりますし、時に涙なしでは見られぬほどの感動も起こります。
個人的にはこのブザーが押されると、審査員が押した人に対して感謝を示すようなやり取りをすることが多く、そこも見ていて楽しくなる要素だなと感じております。とかく、GBというものは毎回ドラマが産まれるものなので、要注目となります。
③おススメ!!見てほしいパフォーマー
沢山のパフォーマーがしのぎを削りあっているわけですが、個人的おススメを数人お伝えしたいなと思います。あくまで好みなので優勝者ばかりというわけではありません。
1.ダンス×格闘技=アメージング! 蛯名健一
こちらはシーズン8の出場者であり、名誉ある優勝者でもあります。そして、名前からもわかります通り日本人です。
日本人だから紹介、というわけではなく、このダンサー、本当に度肝を抜きます。第一次予選ではロボットダンス風の動き、そして頭が落ちたかのような演出から始まります。そして映画、マトリックスの動きをもちろん、CG無しで再現し、かつ各所に格闘の要素を取り入れています。その動きは素敵なのですが、それ以上にストーリー性が強く見ていて飽きず面白さがあります。そして選考が進むと、映像を併せたより大胆でストーリー性が高く面白いダンスとなります。ときにゲームの世界に入り込んだり、鏡の世界とクロスしたりといった要素を取り組みます。このすごさは、ぜひ一度見ていただきたく思います。
2.感動のマジシャン、マーク・スペルマン(Marc Spelmann)
彼は演技が始まると審査員たちの前に降り立ち、ルービックキューブを混ぜバラバラの一面を作る、25種のクレヨンからランダムに一色を選ぶ、沢山の動物等が描かれたカードからランダムに一種選ぶ、本の中から無作為に丸で囲い、その中の単語を一つ選ぶ、ということを行うように指示を出します。つまり、それらを当てていくのですが、彼は最初にこういいます。本当のマジックとは、と。
そして審査員たちに選んでもらった後彼は語ります。これらを当てたらそれは面白い手品ではあるが、魔法ではないと。そしてこれが本当に魔法となったのは2年前であると語り、リモコンを押すと映像が流れ、そこに映し出されたものは……? ここからはぜひ、本編をご覧ください。
3.歌う悲しみのピエロ、パドルズ・ペティ・パーティー(PUDDLES・PITY・PARTY)
ピエロの格好をしてやや猫背気味に登場した彼。名前を意訳すると『哀れな水たまり』となり、表情やメイクもどこか悲し気でした。楽しませるピエロのはずが、悲しげで最初のインタビューもピエロらしくパントマイムでのみ。そんな何をするんだろう?という疑問の中演技が始まります。
流れ出す、『chandelier』という歌。その歌唱力に一気に引き込まれていき、サビ前での盛り上がりでスタンディングする観客達。歓声も浴びます。歌い終わると彼の目には本当の涙が浮かび上がっていました。
正直音楽的センスが皆無なので上手い下手というものがわからないですし、特に海外の楽曲など無知もいいところなのですが、この歌唱は心動かされてしまうものでした。
4.最高の話術で爆笑をかっさらう声無き男。ロストボイスガイ(Lost Voice Guy)
舞台に登場した彼に対しての質問が始まります。そして彼は素敵な笑顔のまま名前などを答えます。機械音声で。
彼は自分をロストボイスガイ、つまるところ声を持たない存在としてパッドに文字を入力してそれを出力させることで会話を行います。そんな彼の演技は巧みなジョークを用いたスタンドアップコメディ(日本でいう漫談に近いもの)でした。自身の障害を面白おかしく話したり、障害以外の内容に関しても鋭いボケを放ったりしており、見るものを虜にしました。少々海外特融のボケもあったため意味を理解しにくいところがありましたが、それを抜きにしても非常に楽しめる方なのでおススメです!!
5.笑いとマジックの最高融合 マット・エドワーズ(MATT EDWARS)
正直彼を最初見たときの印象は、大丈夫かな……?というもの。それなりに緊張をしているようにも見え、発声などもん? と感じさせられました。さらにかなりの早口で何をするんだろうという形で演技が始まりす。そして演技開始後すぐにその要素が消え……たわけでもなく×を押されるのでは、と感じるものでした。内容はテキーラを楽曲に合わせて飲もうとするのですが、塩が入ってない!!という形。そしてここから彼は輝き始めます!!ですが、ここからはネタバレをどうしてもしないと説明ができないのでネタバレなしに見たい方は飛ばしていただけると幸いです。
彼は塩を取り出して手の中に塩を振りかけていきます。すると、手の中の塩が消える、というマジック。そしてその塩はもう片方の手から現れます。マジックとしてはそれだけのものなのですが、この塩が永遠に止まらない!!マット氏も困惑したような顔を見せて助けを呼ぶなどコメディチックな動きや言葉で笑いに誘います。その間も決して塩は止まらず、その動き絵、楽曲全てが笑いを生み、マジックそのものも楽しく見続けることが出来ました。もちろん、その後の審査でも新たなマジックと笑いを提供してくれます。ぜひともご覧ください!!
6.空飛ぶ小さなお父さん アラン・シルバー(Alan Silva)
舞台に登場したのは非常に小さな姿をした一人の男性でした。非常に小さな、というのは平均より下という意味合いではなく明確な表現こそ見つかりませんでしたが、小人症と思われるほどのもの。そして彼は語ります。もともとサーカス一家に産まれ、アクロバティックな芸にあこがれた彼でしたが、その見た目から家族からはクラウンになるべきだと諭されたこと、いじめにもあったことを語ります。ご家族のそれは決して否定ではなく、苦しいものになるということで諭したのかなと私は勝手に考えておりますが、そこは憶測の域を超えませんのであしからず。ちなみに、このことを語り怖くなるといった際、審査員のサイモン氏は「ここでは心配ない」とすっぱりと言い切っているのはかっこよかったですね。
さて、そんな彼の後ろには大きなシルクが天井よりぶら下がっていました。ですので、その時点で行うのはエアリアル・シルク(空中ブランコなどの仲間で空中での大道芸)であることは明らかでした。
そして、演技がスタートする直前には舞台袖にいたアラン氏の息子の『ゴー、パーパ』という可愛げな声。そこでほっこりしていると、流れ出す楽曲、『Alive』に合わせて服を脱いだ瞬間に空気が変わるのが分かります。というのもその期待抜かれた体は筋肉粒々であり非常に努力をしていることが分かったのです。そしてその演技は圧巻。思わず目をそむけたくなってしまうような危険さも持ち合わせた演技は楽曲に非常にあっており次は何をするんだ!?という期待が高まります。そして、サビのシーン『I'm alive(生きろ)』では部隊狭しと飛び回り彼の今までの生き様やかっこよさを表しまるで天使であるかのように動き回りました。
私はこの演技に対してそこまで明るくないのですが、コメントで手首に巻き付けているシルクが少ないところがあるが、これは体重が軽いからこそできる芸当なのかな、というものがありその体の小ささすら演技に取り入れた、非常に強い努力を感じさせられました。個人的にですが、私はこの方の演技は最初と最終の二つが好きです。
さて、ほかにも紹介をしたい方々がいらっしゃるのですが……本当に描ききれないほど沢山いて記事が長くなってしまうのであとは簡単に何人か(これでも絞り切れていませんが)。
まずは、名コンビとも思えるサイモン・コーウェルとデヴィッド・ウォリアムスの掛け合い……失礼、この二人はBGTの審査員でした。
冗談はおいておいて、カードマジックの王者シン・リム(、メンタリズムとマジックの掛け合わせ、不気味な仮面のX、現代のチャップリン、おどけた男テープフェイス、砂から生み出される絵画とドラマ、カセニア・シモノヴァ、ピアノと毒舌漫談ロバート・ホワイト、手話で歌い上げるSign Along with Us等々……。
本当にキリがありません。ぜひともご覧いただきたいのですが……では英語を見ろと? というつもりはありません。私のおすすめはトップ・タレント・ジャパンという名前で活動をされている方の翻訳されている動画です。おススメどころは全てそろっていますのでぜひとも見ていただければなと思います。((2) トップ・タレント・ジャパン - YouTube)
ちなみに、もう一つの注目ポイントだと思っているのは観客たちの反応と、審査員たちがよく口にするこの番組の名台詞『舞台は君のもの(stage is yours)』というもの。なんといいますか、この瞬間は紛れもなく君が主人公だ! といっているようでした。
そしてなんと、BGTですが、今年は二年の沈黙を破り再開となり、そして日本人マジシャン、岩崎圭一氏がGBを獲得しております!!目を離せない2022年のBGTも要注目です!!
最後に調べてほしいことや気になること等、記事にしてもらいたい内容などがありましたら椿ツバサまでご連絡いただければ幸いです。ネタを募集しております。
それではまた、別の記事でお会いいたしましょう。