メンヘラホイホイ-16 住み込み
引っ越しは完了した。
運が良い事に同年代の人も居て会話するようになった。少し年上の人はギターを弾く人でヤクザの女に手を出したとかで大金を請求され、それをココの社長が肩代わりしたらしい。
金が無いのでコンビニで100円で買える、パックのジュースを飲んでいた。ある日ココアを部屋で飲んで寝てる時に酷い悪夢を見た。
幼い頃にブランコで遊んだ事はあるだろうか?
そのブランコってやつは上は鎖で繋がれていて、それを見ればどれくらいの振り幅なのかは分かるだろう。俺達は地面を歩き、座椅子に腰掛けてその遊具で遊ぶんだ。
もしも、とある瞬間に、ブランコに乗った所から世界が始まったらどうするか?ブランコの周囲が真っ暗で周りが見えない中、どれくらいの長さの所に座椅子が付いていて、地面も見えない。どうやって乗ったかもわからないとしたら。
全力で漕いでも振り幅が大きく、降りようにも地面が見えない。
仕方ないのでそこから飛び降りる決心をし、飛び降りる。
叫び声を上げ、その声で毎晩目を覚ます。身体の上には何かがいくつも這い回っている。
全身汗だくになり、視界が広がると黒光りした何かが全身を這い回っている。
灯を付けると部屋中ゴキブリにまみれている。暗い間に5匹は壁やら床に、その醜態を露わにしている。
俺は毎日そんな部屋で生活しないといけない。
身体にはストレスと栄養失調で原因不明の湿疹が出始めた。すごく痒い。しかも血が出て肉まで出ているのに痒い。爪の間に血肉が挟まる。頭皮も痒みを伴う様になり、引っ張ると髪の毛がゴッソリと抜けた。
少しでも栄養のあるものを食べないといけない。
近所の中華料理屋で職場の同僚と食べに行った。でも、1週間ほど通っていると店のおばちゃんは宗教勧誘をしてきた。
そこから数回行ったけど、勧誘は止まらない。食事中にそんな話しをするからメシがクソ不味くなった。
俺の仕事は新聞屋だった。
雨の日に配達に出た時に立ちゴケし、それを後ろから来た車がわざわざ踏んで行った。
間違えて一方通行を逆走し、正面からチンピラのセルシオが来て正面衝突して額を切ったが労災は下りず、その金は店長がくすねた。
こんな環境だから同僚はある時姿を消した。
俺はバンドどころではなかった。
話しは変わるが、好きな動物はいるだろうか?
生きる希望を失った時に、新たに希望を与えてくれるのは己以外の存在だったりする。
次はそんな話しだ。