2024年を振り返って 新卒教師の反省と成長🎉
早いもので、もう1年が終わろうとしています。
この1年で変わったことや成長できたところがいくつもあるので、振り返っていきたいと思います。
なにより、1年の間に私の周囲を取り巻く環境が大きく変化しました。
考えてみれば、今年のはじめはまだ大学生でした。
それが4月から社会人となって小学校教員として勤務を始め、わからないことが多い中、なんとか1学期・2学期を終えました。
冬休みに入ってやっと一息といったところです。
元旦に決めた今年の目標は、「自分に負けない」でした。
何かをしようとするときに邪魔をするのは自分です。
宇宙兄弟のムッタも、「俺の敵は大体俺です。」といっていましたが、まさにその通りだと思います。
疲れているから今日はいいんじゃない?
そんなとこテキトーでいいよ!
その囁きを振りほどく力を身につけたいと現在進行形で思いますが、今年の結果はよくて5分といったところでした。
抵抗はするものの、押しては押し返され拮抗状態だったと思います。
正直情けなく思います。
本を読むことも、ジムで筋トレをすることも、英語を学習することも全てが半端に感じています。
それを分かっていながら、行動に変えられなかったのが1番の反省です。
以前本音について考えたことがあります。
例えば、明日は早起きをして勉強したいと思ったとします。これは嘘ではなく本当に思っています。しかし、実際に起きたのは昼ごろでした。ということは体は昼まで寝ていたいと思っていたことになります。
では本音はどちらにあるのか。
早起きをしたいと思ったことと、昼まで寝ていたいと思ったこと、どちらも本当に感じていることですが、本音は行動に表れます。
つまり、今回の例でいうと「昼まで寝ていたい」というのが本音になります。
同様に考えると、あれもやりたい、これも勉強したいと考えている私が結局行動に移せないのは、本音では何もしたくない、ゴロゴロしていたいと考えていたからになります。
自分で書いていて腹立たしいですね。笑
ここは来年も引き続き課題です。というより人生の課題かもしれません。
教員として子どもたちの前に立つからには、自分にぐらい勝ってみせます。
と、反省点を書いてきましたが成長もたくさんある1年でした。
大きく3つ書きます。
まず、勉強の面白さが分かるようになってきたことです。
大学生の後半ぐらいから、勉強の面白さ、というより記号接地の気持ちよさに気づいたことが挙げられます。
義務教育や勧められるがまま読んできた本たちが、やっと直面する現実や生活とどう結びつくのかが見えてきました。
これまでは定期テストや受験のために暗記の必要がある存在でしかなかった点たちが、視座が高くなったことでつながって線になり、やがて他にも当てはめられる立体へと昇華する未来が見えてきたことで、カタルシスを感じています。
ちょっと気持ち悪い言い方ですけど笑
いつどこでつながるか分からない接地待ち記号がたくさん入っているので、今後もふとしたときにつながるんだろうなという期待があります。
私は出勤時間が車で片道40分ほどあります。
そこで「コテンラジオ」と「ゆる言語学ラジオ」をずっと聞いています。6月から半年続けた習慣ですが、知識が自分の中に溜まっていくのでとても楽しいです。小学校で教えることと関連することも多々あるので、来年も続けたいです。
勉強というと堅苦しいイメージがありますが、自分を成長させることだと考えると抵抗もなくなります。この収穫は大きいです。
正直、自分がどんどん賢くなっているのを感じます。受験勉強をしているわけではないし、数字に表れているわけでもないですが、OSのバージョンが上がっているような気がします。来年も指数関数を目指して上げていきます!
2つ目に、自分のことをよく知れた1年でもありました。
きっかけは教員採用試験でした。本格的な面接は人生初であり、準備もたくさんしました。
教員に限らず、企業のエントリーシートでも自己分析が大事だとよく聞きますが、自分のことなんだから自分が一番よく分かっていると思っているタイプでした。
実際に様々な質問に対して回答を準備しだすと、とっても難しい笑
自分のことを分かっていないというよりは、分かっているはずなんだけど言語化できない。言語化できないから形を認識できない。認識できないから分からないということになります。
自分はどんな考え方を持っているのか、何がしたいのか、どうありたいのか、どう思われたいのか、何を大事にしているのか、何が嬉しいのか、何が悲しいのか、優先順位はどう決めているのか。。。
22年間付き合ってきた自分のことを本当は何も知らないことに気づきます。
そこから考えるようになり、自分の行動を観察し始めました。
もちろんまだまだわからないことも多いですが、この1年で言語化できることが増えました。こういうことにはエネルギーを注げるけど、これをするとうまくいかないし疲れるだけ、ということも分かってきました。
人より優れているところ、他の人より長く続けられることを見つけるのは楽しいです。
自分の得意な力の使い方と、その使い所を見極める力が伸びたように感じます。今後一生使える力がついた1年でした。
最後の3つ目は、教員としての成長です。
0からのスタートなので当たり前といえばそうなのですが、落ちついたクラスを持つことができ、子どもたちの学力を伸ばすことができました。
学力とは字の通り「学ぶ力」だと思っています。
自分から新しいことに手を出し、それを深めていく力。なかなかできることではありませんし、その力を持っている人は大人でも少ないように感じます。
自分から動いて学んでいく力、それを手に入れるためには単純な暗記力や地頭、好奇心などではなく、なにより心の在り方が大切だと思っています。
全ての原動力は心です。
心が弱いと、何かを始める前から言い訳を探し、保険を集め、できなかったときの自分を慰める準備をします。戦で言えば、負けるための準備を始めるわけです。
せっせと負ける準備を続けていたなら、準備通り負けます。
私は高校生まで、負けるための準備が大得意でした。
たまたま少し器用で凌いでいるように見せることができていましたが、限界はきます。
そしてその限界地点でこれまでのツケを払うことになります。
それを知っているからこそ、目の前の子どもたちにはそうなってほしくないと思っています。
クラスでは、ポジティブなマインドセットやゲーム感覚で楽しみながら勉強をすること、そして行事を利用して体育会的な考え方を提案しています。
体育会系の考え方と聞くと、脳筋なイメージがあるかもしれません。
私自身体育会系なので、否定はできません。笑
ですが、その特有の文化の中で育ったロジックは推敲され洗練されているように思う部分もあります。(全てではないです笑)
マインドセット面では、まずは心理的に安全な教室を目指して私と子どもたち、子どもたち同士の信頼関係を構築する機会を増やしました。
具体的には、毎朝5分「good and new」という取り組みをしています。
班の形になって、24時間以内にあった良かったことや新しい発見を一人ずつ話します。話をする人はわかりやすいようにボールを持ちます。
ボールを持っている人以外は話さずによく聞きます。
話が終わったら必ず拍手をします。ここは絶対です。
質問を受け付けて、次の人にボールを渡します。
一周したら5分が終わるまで質問タイムとして話します。
やってみると分かるのですが、これはとても難しいです笑
まず24時間以内の良かったことを思い出すのが難しいです。
最初のうちはなかなか思いつけずに苦労します。
ですが続けていると、1日に起こったことをよく観察するようになります。
明日言うことがない、ということが起こらないように自分の感情を見つめて、嬉しいことや楽しいことを探すようになります。自己理解が進むわけです。
また、班の中で話すことで、話す練習にもなります。
もちろん聞き手にも回るので、聞く練習にもなります。
さらに、班の友だちがどんなことで喜ぶのか、何に興味があるのかが分かるようになります。
「この子いっつも野球の話してるなぁ。」
「どんだけ飼ってる猫のこと好きやねん。」
「実はマイクラ好きだったんだ。」
普段交流がなければ分からないパーソナルな一面も見えてきます。
その後話す話題にもなりますし、他者理解の視点も養うことができます。
極めつけに、最後の拍手があります。
朝から大きな拍手をもらえたら、みるみる元気が出ます。
1日のロケットスタートを切ることができます。
拍手されればいい気分になりますし、自分を認められて安心感を持つことができます。
子どもたち同士の会話を聞いて、違った一面を見つけることもたくさんあります。私自身も助かっています。
班は自分の周囲なので、周囲が心理的に安全な空間になってきます。
そこからクラス全体に広げようとした結果、徐々にではありますが失敗しても大丈夫な雰囲気が出てきています。
大丈夫なんだったらやってみよう、これも試してみよう、自分も失敗するんだから他の人の失敗も別にいいじゃないか、というクラスに少しずつなってきています。
また、勉強面では漢字の学習に力を入れています。
漢字の10問テストがあるのですが、その点数を青天井にし学習した漢字に関連する熟語を書けばその分加点するという仕組みを作りました。
100点が満点ではなく、勉強した分だけ200、300と点数を伸ばすことができます。
ある程度勉強ができる子なら、この漢字テストは余裕で100点を取れます。
(テストの中に重複する漢字もあります。)
その子たちは、頑張らなくても100点を取って余ったテスト時間を無駄に過ごします。それはもったいないのでこの形を導入した結果、驚くほど子どもたちは乗り気になってくれました。
友だちと競争をしたり、熟語を教え合ったりしています。
「俺2個教えたから、俺が持ってない熟語2個教えて。」
遊戯王のカード交換のようなやり取りも始まりました。笑
家では辞書を引っ張ってきて勉強する子もたくさんいます。
小学3年生でこれは本当にすごいことだと思います。
現在最高は600点です。
本来のテストの10問から50個も熟語を書いたことになります。ヤバスギ
(採点が毎回50問テストくらい大変にはなりますが、、、)
こんな感じの漢字学習ですが、最大の目的は漢字を覚えさせることではありません。
「自分が頑張った分だけ結果が出る」ということを理解させることが目的です。
漢字学習は、書いて覚えるだけで、勉強時間と結果が結びつきやすいのでこのことを理解させるのに都合がいいです。
書いて書いて書いて書きまくって、時間を使った分だけ点数が出る。
逆にテスト範囲を眺めて終わっていたら、点数は正直に出ます。
漢字テストを利用して、実は結果は自分が決めていること、やった分だけ返ってくるしそれは漢字に限らないことを教えようとしています。周りの子に点数で勝ちたければもっとやらないといけない。
2学期まできて徐々にその考えが浸透しつつあると手応えを感じています。
体育会系的な考え方と結びつく部分はありますが、この「やらな勝てへん」精神は行事でも大切にしています。
運動会で徒競走がありました。
徒競走の2週間ほど前から、普段から走っていないと勝てないことを伝えました。勝てなくてもいいなら走らなくていいが、準備もせずに負けても文句を言うなと伝えました。
漢字テストと同じで、練習すれば勝てるし、しなければ勝てない、それだけのことだよと伝えました。漢字テストの例はよく伝わったと思います。
そう言ったからには先生は全ての休み時間に外で走るから、勝ちたい人はついておいでというと、たくさんの子がきてくれました。
結果、徒競走後に文句を言う人はいませんでしたし、走っていた子は結果に結びついていました。
その後のマラソン週間と納会でも同じように話をしました。
人と一緒に走るな、自分がしんどいペースで走り続けろ。
本気で頑張って走る人は顔もグシャグシャでブサイクになる。でもその姿よりかっこいいものはない。黙って走れ。
その代わり先生が一番本気で走るから、と伝えました。
小3相手でも関係なく本気で走り、毎回目がチカチカしてぶっ倒れそうになりました。それでもやってみせたことでどの子も本気で走っていましたし、一番走っている私に文句を言うこともできませんでした。
その後、本気でやってよかった、自信がついたという声を聞くことができました。
子どもたちからすると、先生は厳しいことを言ってくるけど本人もやるから文句が言えない、仕方ないからやるしかない、といった状況だと思います。
私の高校生の頃の顧問と同じやり口です。
(10キロ走れと言われて、顧問も走っていたので文句が言えませんでした。笑)
そうして子どもたちの心を鍛えながら、信頼もしてもらえているように感じます。自分の中には反省もたくさんありますが、子どもたちに対して手を抜いたことはありません。それが目に見えてクラスに表れてきています。
信頼して私についてきているからこそ、私はそれを裏切れないなと思います。そんな当たり前のことに気づけるようになったことが成長ですよね笑
1年を振り返ってみましたが、ほとんどを子どもたちと過ごしているので学校のことばかりでした。笑
子どもたちと遊び、走り回り、授業をしてまた遊んでいます。
疲れ果てて大変なときは20時に寝て6時に起きます。
もちろん夢の中でも子どもたちが出てきます。笑
ほとんどがそんな1年でしたが、段々と学校の勝手も分かってきたのでまた新しい取り組みをして、業務も効率化し、無駄を省いて子どもたちと向き合いたいです。
そんな3学期にしたいと思います。
ここまで読んでくれてありがとうございます!!
良いお年をお迎えください。🎉