煮物の香りは冬の香り
今夜の我が家のメニューに
「里芋の煮物」を添えてみました。
大きなお鍋の中で
コトコト、グツグツ
ゆっくり煮えてゆく素材達。
その香りは
私にとって「冬の香り」
小学生くらいの頃の冬休み。
泊まったおばあちゃん家の
早朝の冷たい廊下を
まだ眠い目をこすりながら
赤いはんてんを羽織って
歩いていると
何処からともなく
ふわぁ~っと
温かくやさしい煮物の香りが
冬の朝の冷たい空気と折り重なる様に
私の鼻先をくすぐりました。
その朝食べた「里芋の煮物」
甘くて、ふわふわで、思わず
「おいしーーーい!!」と
笑顔になって、はしゃいでいたら
おばあちゃんが、
「これこれ、静かに、ゆっくり食べなさい。」と、笑いながら言ってたっけ。
月日は流れて
今では私が
家族に作る様になり
帰宅した順に、それぞれ
「おっ!今日、煮物だねぇ。」
「なんか冬の香りがする!」
と、はしゃぎながら
夕飯を心待ちにしてくれるのが
とても嬉しいです。
「煮物の香りは冬の香り」
煮物を祖母や母が作ってくれる時は
忙しくない比較的ゆったりとした日でしたので、みんなでのんびりと過ごした、
やさしい香りでもあります。
土のついたお野菜を
冷たい水で洗い流しながら
大切な人達が、ホクホクの笑顔で
食べてくれるのを思う。
それだけで、心がほわんと
温かくなってゆきます。
祖母も母も
こんな気持ちで
作っていてくれていたのかなぁ。
段々、ふたりの味に近づいてゆく
私の煮物も年々温かい香りに
なっていってる様です。
今夜も、みんなで頂こう。
あ、今夜は金曜だし
少しくらい飲んでもいいよね。
たまご酒も作っておこう。