箱根駅伝2025往路振り返り(創価大学)

創価大学は7位フィニッシュと無事シード権を確保することができました。これで6年連続のシード獲得で、来年度も三大駅伝に出場と、着々と常連校の立場を築いているのかなと思います。今期掲げたスローガンのNext Stageを実現すべく、来年度の創価大学駅伝部の活躍を楽しみにしたいところです。

箱根駅伝の総評ですが、青山学院が強すぎたに尽きますが、駒澤、國學院もやはり地力では創価の数段上を行ってるなという印象でした。

創価のやりたかったことは、おそらく中央のように序盤から主導権を握ることだったでしょうが、結果的に27分台トリオを並べて主導権を握った中央ですら大きな失速もないのに5区途中で逆転されていたので、創価の選手層では4区終盤か5区始めまでには青山学院に逆転されていたと思います。青山学院は響くんクラスが2、4、5区と3人いたようなもんでしたからね。

それでは、各区間を振り返りたいと思います。まずは往路区間から。

往路区間の振り返り

1区齊藤 1:03:02(トップとの差+1分55秒、チーム順位17位、個人区間17位)

大空くんは三大駅伝初出場で、箱根のスターターという大役を任されましたね。直前の日体大記録会で28分30秒切りの好調さを買われたのだと思います。

レース展開は、中央の吉居が早々に独走体勢に入り、六郷橋まで第二集団を引っ張る形でしたが、六郷橋からの各校のスパートに途中からついていけず、結果的には第二集団の中でも後方で襷を繋ぐことになりました。区間2位の駒澤帰山との差は23秒差だったので、スターターとして最小限の秒差で繋ぐ仕事はできたと思いますが、予想以上に中央吉居との差がついたのでそこはチームとしても想定外だったのかなと思います。

大空くんがもう一皮剥けるためには5000m13分40秒切り、10000m28分20秒切り、ハーフ62分台が今の高速化した往路に求められる能力だと思うので、今回の経験を糧にしてほしいですね。途中まで第二集団を牽引した積極的な姿勢は個人的には評価していく。この積極性は絶対なくさないでほしいです。

2区吉田響 1:05:43(トップとの差+1分1秒、チーム順位4位、個人区間2位)

2区では響くんが圧巻の13人抜きでチームは4位に浮上。ヴィンセントの記録を破る区間新での激走と、全ての駅伝ファンに衝撃を与えたと思います。東京国際のエティーリを筆頭に、青山学院黒田、國學院平林、駒澤篠原と各大学のエースを相手にこれだけの走りをしたら心揺さぶられますよ。まさに観る者を魅了する走りでした。

序盤は後方の位置から徐々にチーム順位を押し上げ、本格的な坂が始まってから一気に他校のエースを置き去りにするレース運びは圧巻でしたね。エティーリにペースを乱されたエースも多かったと思いますが、終盤勝負を意識していた青山学院黒田同様に、緻密にレース運びを考えていた結果だと思います。

3区スティーブン 1:00:51(トップとの差+1分34秒、チーム順位2位、個人区間2位)

創価の鬼門となっている3区を任されたのはスティーブン。ここ数年はこの3区で早々に優勝争いから脱落していましたが、今年は違った。響くんから最高の勢いをもらって走り出したスティーブンも2区での勢いを更に加速させるように前を追ってくれました。

東京国際の佐藤、青山学院の鶴川ら実力者相手に区間順位を上げることができたのは、間違いなくスティーブンだからこそだと思います。3区で区間上位にくると、往路優勝もあるかもと思える期待感が出てくるので、テレビで見ていてワクワクしていました。

ただ、一つ予想外だったのが、スティーブンの快走以上に中央本間が好走していたこと。本間にあの走りをされた時点で、結果的に創価にとっては往路優勝が厳しい展開だったと思います。ここは本来であればトップに立ちたい区間だったと思うので。

4区野沢 1:01:44(トップとの差+1分15秒、チーム順位3位、個人区間6位)

4区を任されたのは今やロードのエース野沢くん。全日本8区57分台、ハーフ61分台を筆頭に今期長距離レースで抜群の成績を残していた野沢くんが昨年のリベンジを果たす区間6位の走りとしっかりと繋いでくれました。

青山学院の太田が後方から50秒差スタートで迫ってきておりプレッシャーを感じながらの単独走でしたが、太田に追いつかれたところでも暫く食らいついていました。最後は差を広げられ順位を3位に落とすことになりましたが、これは仕方ないと思います。中央との差はしっかり縮めてくれたので、期待通りの走りをしてくれたと思います。区間5位以内で走ってもらわないと困る選手と思っていたので、来年度も往路での好走を計算に入れたい選手です。

5区山口 1:12:18(トップとの差+3分37秒、チーム順位5位、個人区間10位)

山登りを託されたのは1年の山口くん。夏合宿での登り走でもチームで響くんに次ぐ強さを見せていたことや、高校3年時の都大路3区でも好走を見せていたので、登り適正を榎木監督からも高く評価されて抜擢されたのだと思います。

前を走る青山学院の若林が区間記録を上回るペースで走っており、前との差を詰めるどころか後ろから追われる苦しい展開となりましたが、終わってみれば72分台前半の区間10位の成績は1年生の初山登りとしては十分な走りだったと思います。

本人は下りに入ってからの切り替えを課題に挙げていたので、来年度以降も5区を走る場合は、走力も上がってくると思うので、間違いなくタイムを縮めて71分台、70分台で走ってくれる期待感があると思います。個人的には4年間5区を走って欲しい選手です。

山口くんは1年時からどの駅伝でも主要区間を任され、安定した走りを見せてくれているので、2年になったら区間上位、3年、4年時には区間賞を取れる選手に成長してほしいなと思っています。創価を背負うエースになれる選手だと思うので今後の活躍が楽しみです。怪我なく順調に練習を積んで成長してほしいですね。

今日のところは往路の振り返りで終わり、次回の記事で復路と来年度の展望を書きたいと思います。

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