親子で鼻珍事
夕希さんの「何故、子供は鼻の中に物を突っ込むのか?」
を拝読させていただいて、今日の記事が決まりました。
娘が小学校2年生の時です。
終了式の日で、明日から夏休みというるんるんの夕刻。
「なんか、鼻の奥が変な感じする」
と娘が言い出しました。特に痛がるわけでも、泣き出すわけでもないのですが、とにかく『変』だそうです。
私たちが見たところ、鼻に異常は見受けられずどうしたものかと思いました。
でも、放っておくわけにもいかず、耳鼻科へ向かいました。娘は当時、「滲出性中耳炎」で通っていた耳鼻科がありました。優しく、穏やかな男性の医師でした。
順番を待って、やっと診察の時がやってきました。
事情と伝えて診てもらうと……。
娘の鼻の「変」の原因が、小さな穴から出てきました。
「こんなものが入っていましたよ」
と瓢箪型のトレイの上には小さな半球形のゴムの物体が鎮座していました。
「これは、なんですか?」と尋ねると、医師も「?」です。
娘が、恥ずかしそうに呟きました。
「キャップ。えんぴつのキャップの先についてるやつ」
私も、医師も頭にいっぱい吹き出しの?を出しながら診察室を後にしました。
どうやら、授業中、退屈したのかどうかわかりませんが、キャップのついた鉛筆を鼻に突っ込んでいたらしいのです。そのキャップが先端にゴムの「かぶせ」のようなものがついている特殊なものだったらしく……。
「なんで、そんなことしたん?」
「うーん。わからへん。でもようやってた。これからもうせえへん(しない)」
そんな娘も今では2児の母。かわいい姉妹にてんやわんやの子育て奮闘真っ最中ながら幸せな毎日を送っているようです。
「歴史は繰り返す」といいますが、どうか鼻の中にはキャップを入れないように現在年中組の孫には入学したら伝えておくことにします。いや、そもそもキャップを使わなかったらいいのかなあ。
「鼻から出てきた」つながりでもう一つ
私が妻と付き合い出して初めてのお正月。
2人で、映画を見に行きました。確か、「寅さん」だったと思います。
映画を見た後、ラーメンを食べました。そして、「ちょっと歩こうか」と人でごった返す商店街に繰り出したのです。
うん? あれ? なんか鼻が「変」 ムズムズする。と思いきや、喧騒に負けないくらいの爆音のくしゃみが出ました。これでスッキリかと思いましたが、一緒に歩いて彼女が私の顔を見てくすくす笑っています。
「え、なんかおかしい?」
「鼻、鼻」
と彼女がいうので鼻に手をやると……。
「あれ、なんやろ」
手に何か引っかかりました。悪い予感の中、引っ張ってみると先ほど食べたラーメンの麺がにゅるにゅると出てきたのです。それなりの長さだった。いつの間にこんな長さのラーメンが鼻に入ったのでしょう。「チロリ〜ン 鼻から牛乳♫」(嘉門達夫)はあっても「鼻からラーメン」はないですよね。
付き合い出して、間もない頃だったので相当恥ずかしく、これで終わり(今でいう蛙化)かもと思いました。幸い、ラーメンの麺の如く長ああいお付き合いを続けることができ、現在に至っています。
娘のキャップは外から、私のラーメンは内から、親子で合わせ技の「鼻珍事」でした。
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