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ありがとう超!A&G+

1/21(火)、ひとつの時代が終わると発表された。
インターネットラジオ「超!A&G+」、2025年3月末をもってサービス終了。その名前のサービスとしては14年、前身の試験的なものを含めれば17年半の歴史に幕を下ろすことになった。
とはいえA&Gすなわちアニメ・ゲームに力を入れてきた文化放送がこの分野から撤退するというわけではなく番組の一部は地上波や2024年4月から展開してきたプラットフォーム"QloveR"に移管していくとのこと。あくまでもひとつの媒体の終了でこそあっても、それを超えるものではないという姿勢を打ち出している。
現在放映されている番組の今後については番組ごとに決定するとしており、順次その去就は明らかにされていくそうだ。
あくまでも筆者の憶測だが、動画配信サイトでアーカイブが公開されているような番組の中には配信サイト一本に移るような番組もあるのかもしれない。YouTubeのA&G公式チャンネルやその他いくつかの候補となるチャンネルは既にあるので、そこを基盤とする番組も出るのだろう。
(QloveR公式サイト)

他にもアニメ・声優関連のインターネットラジオサービスはあるがその中での超!A&G+の特徴となると地上波放送を担うラジオ局の1サービスであることと、番組の配信がオンデマンドではなく「放送」にこだわっていたという点、そして簡易的な動画が一部番組で付いていることが特徴だろうか。
この分野で主要な競合サービスといえば音声配信に限って言うと「音泉」や「響」などがある。動画付きの場合にはYouTubeやニコニコチャンネルがあり、オンデマンド視聴を可能にするため少なくない番組で併用している…となるとこの方式の強みと弱みが見えてくる。

強みは何と言ってもライブ感、番組前後でパーソナリティ同士のやり取りがあったりそれによるコラボというようなイベントもランダムに楽しめる。確かに動画配信サイトの生配信でも出来ないわけではないが、基本的にはコンテンツごとの生配信が多いのでこのようなスタイルは生まれにくいだろう。
一方の弱みはオンデマンドが出来ないということで24時以降・26時台まで放送があるとなると一般的なオフィス勤めの社会人などにとってはリアルタイムでの聴取にはかなり勇気が要るかもしれない。リピート放送もあるとはいえ生活リズムやスケジュールをそこに合わせていくというのはなかなかの負荷だろう。
そしてこの欠点を補おうとして動画配信サイトなどにアーカイブを公開する番組もだいぶ多くなっているが、そうなるとこの形態を採るメリットはだいぶ喪われてしまう。また、少々良からぬ話として他のサービスを使用していない場合公式には本放送と(あれば)リピート放送でしか聴く機会がないので違法にアップロードされた動画が存在感を高めてしまう。

と、他人事目線な話はここまでにしてなんとも寂しい話ではある。
筆者がこのサービスを知ったのは概ね2012年の秋、当時放送していたアニメの作品ラジオで好きな声優さんがパーソナリティを務めたところで足を踏み入れ、番組が終わったらしばらくブランクがあったものの「超!A&G+を聴取する」という選択肢ができた。当時はまだニコ生やYouTubeなどでのキャストが出てくる配信コンテンツというのも黎明期、アニラジの存在感はより高かった。
1年もしないうちに複数の番組を聴くようになり、お気に入りの番組が放送される時間にはパソコンや手にしたばかりのスマートフォンを片手に今週はどんな言葉を聴けるかと楽しみに待っていた。だんだんと2次元系の趣味で力を入れるものとそうでないものがはっきりするようになってきたのでいつの日からかその聴取時間は減っていったものの、好きな番組はなんだかんだ途絶えることはなく気がついたら十年余り。最近でもゲストでこの時間にというのがあるとついつい遅い時間でも開いてしまったり、長い間趣味に関わってきた媒体だった。

文化放送のある浜松町

上では客観的な体を装って書いたものの、実のことオンデマンドが出来ないというのは筆者にとって悩みのタネでもあり続けた。早朝は放送休止で午前中はリピートだったから普段は気にならないのだが、いったい何回寝過ごしや聴き忘れで涙を呑んだことか。特に本放送が聴けないからとリピート放送に懸けてみても慣れないことは大抵忘れる筆者の悪癖はとにかく相性が悪かったと今となっては苦笑いするばかり。
最近では聴取する番組が減っていたからまだいいようなものの、ほぼ毎日のように何かしら聴く番組があった頃の場合最近乗るようになったフェリー趣味とも相性が実によろしくない。Wi-Fiが通じる船であったとしても個々の客室には繋がらないようなこともあり、そんな時間に共用スペースまで出なければならない。最もそれもだいぶマシな方で、メインシナリオはそもそも電波が通じず聴取も何も出来なかったり、入浴したい時間だったりで聴けないし調整もできやしないというものだろう。そういえばイギリス行ったときはどうしていたか…すっぱり諦めていたような気も。

幸いながら、文化放送がこの分野から撤退するというものではない。新しいプラットフォームも定着してきて(筆者はまだ使っていないが…)今後もより魅力的なコンテンツを出してくれることだろう。新しいコンテンツを楽しみに、そしてこれまでのコンテンツを送り出してくれたことへの感謝を胸にこの記事も〆ようと思う。

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