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ブックサンタ 2023
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プレゼントを考えるのは楽しい。
プレゼントのセンスを褒められるとうれしい。
今年のクリスマスはどこかの誰かに本をプレゼントした。
混雑した駅を歩いていると、私は自分の人生の主人公であり、大勢の人たちのエキストラなんだと感じる。エキストラでも構わないのに、サンタクロースなんという大役を任せてもらえるのだから身に余る幸いだ。
今回は綺麗な本を選んだ。
ミヒャエル・エンデ『はてしない物語』の2色刷ハードカバーと、
エルマーのぼうけんシリーズの3冊セット。
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地の文は茶色、作中劇は緑という2色刷りが美しい。
選ぶ過程で、私はさまざまなシーンを想像した。
プレゼントはないと諦めていたところへ本が贈られる。
でも本が好きとは限らない。最後まで読みきれないかもしれない。
だからこそ所有する楽しさを味わってほしかった。
今は読めなくてもいつか読むかもしれない。今は根気で読み切って苦痛だったとしても、いつかおもしろいと感じるかもしれない。そのときのために、部屋のどこかにとっておいてほしい。それは本を借りるだけでは味わえない。
だから、持っていて嬉しい本という観点で選んだ(もちろん内容も素晴らしい)
おとなだって、本を読むより本を読む自分が好きだということがある。
邪道だとしばしば揶揄されるけれど、それのなにが悪い?と私は思う。
自分を好きになれるツールは大事にしたほうがいい。
受け取るシーンの次に思い浮かべたのは「クリスマスになにもらった?」という友達との会話の場面だ。友達に見せるときちょっと得意になれるような、立派な本にしよう。
13歳くらいまでは、気に入ったら何度も読むという読書スタイルだった。
その点でもハードカバーは丈夫だから嬉しいし、所有することがより大きい意味を持つ。読んでなにか感じてくれたらいいな。気に入って何度も読んでくれたらもっといい。あわよくば本好きになってほしい。だから今後も受け継がれてほしいなと思う名作中の名作を選んだ。
ほかにもいろいろ想像した。
私はブックサンタをめぐる物語をひと通り楽しんだ。
今後は参加者限定のサイトで公開されるエピソードを楽しみにしたい。
楽しいだけだから、過剰にありがたがらずに受け取ってください。
2023年12月24日、サンタクロースが働く時間
*ヘッダーはKathe Wohlfahrt(ケーテウォルファルト)という一年中クリスマスグッズを売っている楽しいお店。ベルリン店。2014年撮影。このお店で一目惚れした天使のフィギュアを高いからって買わなかったのを今でも後悔している・・・似た商品を毎年この時期に探している・・・