未来が見えないときに観る映画
*映画「シングストリート」についての記事です。結末には触れませんが解釈はあります。まっさらな状態で見たい人はブラウザバック!
シングストリートには公開前から注目していて、姉と行く約束をしていた。でもお互いの都合が合わず、約束の日はだいぶ先だった。
YouTube公式でdrive it like you stole it のシーンだけを見た。
他の曲もあったけど、本編の中で聴きたいので再生したいのをなんとか堪えた。
で、待ちきれなくなってひとりで見に行った。
結果から言うとかなり好みだった。帰りにサントラを買い、のちにDVDを買ったほどだ。
当初の約束どおり姉とも観に行った。
1番有名なのかな、drive it like you stole it
曲も演奏ももちろんいいんだけど、
このシーンの映像もかなり好き。
というより泣ける。
※ここに貼った動画は作中と違います。作中の映像っぽいのも検索すれば出てきたけど著作権は守りたいので公式しか貼らない🙅♀️
コナーの理想と現実が詰まっていて、
可哀想になるというか、
幸せになってほしいというか。
現実
・父親の失業で転校させられた荒れた公立学校
・両親のけんかで崩壊寸前の家庭
(いっそ離婚した方が幸せなのでは?と思いきや、当時のアイルランドでは法的に離婚が認められていなかった。アイルランド初の離婚はなんと1997年!!)
・抑圧的な教師
・未来が見えない国(若者は皆イギリスに渡る)
・好きな女の子にはベビーブルーのキャデラックを持ってる年上の彼氏がいる
・兄は引きこもり。音楽つながりで基本的には仲良いけど、ちょっと前のシーンで怒らせてしまった
・MVの撮影に協力してくれる生徒を集めるも、絶妙にダサい
理想
・両親が仲良し
・ノリがいい教師(アクロバットを披露!)
・お兄ちゃんがかっこいい(明らかに引きこもりではない身だしなみ)
・ヒロインはコナーに恋してる
・おしゃれな雰囲気&キレキレのダンス
よく数分のシーンでこれだけ詰め込めるなあ。
ぜひストーリーの中で見てほしい。
並べてみるとなかなかにどん底。
だけど、
恋の悩みも、家庭の鬱憤も、学校での嫌な出来事もぜんぶ曲作りにぶつける。
だから見ている方も暗い気持ちにはならない。
未来が見えない現状を、音楽で切り拓いていこうとするコナーたちが眩しい。
何事も、動かないと変わらないのだ。
あと面白いのが曲の作り方。
コナーたちが作る曲はもろに当時の音楽の影響を受けていて、サントラはその通りに組まれているので通して聴くと非常に楽しい。
たとえばdrive it like you stole itはHoll & OatesのManeaterとJoe JacksonのSteppin' out
公開当時、私はOKAMOTO'Sというバンドにハマっていて、曲の作りが似ているので聴くのが楽しかった。
たとえばBrotherはレッチリ、No More MusicはABBAぽいし、Dancing BoyはU2のWith or Without Youみたいだったりする。
音楽映画ってなかなか好きなのに出会えなかったんだけど、シングストリートは音楽のおもしろさを感じられた良作だった。
なにより元気をもらえる。
夢中になれるものを見つけよう、
とにかく手を動かそうという気持ちになった。
にしてもバンド始めたばかりの14歳でDrive it like you stole itは反則級にハイレベルじゃね?と思ったけど、Cajun Dance Partyという16歳デビューのバケモノ集団が現実にもいたのであながちあり得ないとは言えない…?
ちなみにOKAMOTO'Sも19歳デビューである。
若いときのエナジーすごい。
私?
私はその年の頃は本と映画とピアノに夢中でした。
引用
あらすじ https://gaga.ne.jp/singstreet/