アイシャドウの青
伸びた髪の毛
使い古したマスク
キャラクターのトートバッグ
スーパーの安売りの話
ダサい車
1枚しか持っていないセーター
礼儀の良さ
傾聴と温かい言葉選び。
世間一般では
一目置かれる職業の君は以外にも素朴だった。
早生まれで生まれたこと
生まれた土地の話
行ったことのある海外の話
馬が好きなこと
いろいろ話してくれたね。
蹴落とし合いの世界の仕事の中
君はどこまでも正義を貫く発言ばかり。
職業を知った時
勝手に価値観なんて合うわけないと
話が盛り上がることはないと思っていた
でも、その気持ちは一瞬で消えていった。
私のつたない話を
じっくりと最後まで聞いてくれた。
それに対して君は言葉を選び
真剣に返事を返してくれた。
私の質問に対しては自分の話が正確に伝わるように
よく考えて
時折、長い時間をかけて返事をしてくれた。
自分の弱いところも平気で言葉にしていた。
完全にやられた。
すぐに心を奪われた。
一緒にいて安心した。
少しでも君に見てもらえる為に
ちょっと理由があって
いつもアイシャドウは青だったんだよ。
私が「頭が痛い」と言うと
君はすぐにバッグから頭痛薬を出してくれたね。
いまでも、もらった頭痛薬の殻を
捨てられずにいるよ。