【エッセイ】あの頃、私は確かにここにいた
大学内の古びた校舎に足を踏み入れた時、懐かしい匂いがした
その匂いが私の記憶を呼び起こす
「ここ、パソコン室でね、卒論の時期は席が争奪戦になるくらい学生でいっぱいで。当時はこの部屋から出てすぐのところにコピー機があって、印刷して卒論出したりしたの。」
思わず一緒に来ている人にそんな言葉を早口で漏らしてしまった
好きなアーティストが学祭でライブをする
それがきっかけで久しぶりに母校に足を踏み入れた
5年前、私の日常は確かにここにあった
あったんだ、最近忘れてしまっていた日