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白木蓮

森の深さを惜しみながら 
まだ見ぬ外海そとうみへ漕ぎ出した日
冷えた身体を風にさらして
入り江に点るおぼろに見る

砂利を踏み敷く軽トラの音
野焼きの風が来る 犬と歩む
見えない明日あすを見つめていた
変わりゆく自分を信じたかった

森の深さを畏れながら
まだ見ぬ大洋を恐れながら
どの町にいてどうしていても
未来は苦くあり道はせばまる

張り詰めた額をゆるく撫でる
春の光を浴び 時にはほとびる


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