先週日記③人間のいらない感情

月曜
U-NEXTで「ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ」ふたりで作り上げていく新居の夢のようなかわいらしさと、その後の人生の苦さ。
火曜
ニュース原稿ではない、フリートーク的な所で男性アナウンサーが「おうち」と言っているのが耳に入り「最近言うよねー」と思う。もうこれは子供の言葉ではなく「家」の丁寧語なのだろう。
水曜
仕事で定期的に行くビルの掃除の人が好きでたまらない。小柄で年齢不詳のぽっちゃりさん。いつもちょっとオーバーアクション気味に指差し確認しながら働いている。今日は筋向かいの歩道のゴミ拾いまでしていた。このときめきを伝えたいが恋でもなし(それが「推し」？)
木曜
エレベーターで一緒になったご近所さん、激痛で目が覚めたが最後全く首が動かずこれから病院に行くと言う。身体の悪いご家族とおちびちゃんたち（わんこにゃんこ）がいるので「○○さん元気じゃないとみんな困るよ」と余計なことを言うと「あの子たちのことを考えると・・・」とたちまち涙ぐむ。
金曜
日経新聞の文化欄、永瀬拓也のインタビュー記事がすごい。いや、永瀬拓也がすごい（記事あってこそ）。今まで苦手の克服のために使ってきた能力を、日常生活に支障をきたしながら将棋に全振りしていると言う。藤井聡太に勝つために「人間のいらない感情を捨てる」と。
土曜
美容院。白髪染めにこれまでいくらかけてきたのか、そしてこれからいくら費やすのか。悩みは深い。
日曜
山本文緒「無人島のふたり」を読む。亡くなる10日程前の最後の日記が胸に迫る。こんな風なんだろう。その場所に立った人にしか見えない景色が私にも見えた。読めば何度でも見える。